美乳について、乳腺専門医の島田菜穂子先生にお話を聞くシリーズ。今回は、垂れないおっぱいを保つ方法についてです。


さて、おっぱいと言えばよく話題にのぼるのが「クーパー靱帯」。これは皮膚とその直下の大胸筋の筋膜(浅在筋膜浅層)と乳腺とをつないでいる組織です。大胸筋筋膜とクーパー靱帯によって乳腺が吊られているイメージ。その構造によって、おっぱいはお椀のような形を保っているのですね。


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よく「胸が大きい人は揺れやすいので、クーパー靱帯が損傷しやすい」「ランニングなどの運動でクーパー靱帯が切れやすい」などと言われますが、実際に、クーパー靱帯が切れた!という話はあまり聞きません。それはどうなのでしょう?


「クーパー靱帯は、そんなヤワなものではありませんよ。日常のスポーツなどで、簡単に切れるものではないですから、心配しないで。それよりも、弾力のあるクーパー靱帯を保つように工夫をすることが先決。そう、クーパー靱帯は大胸筋とつながっているので、大胸筋を鍛えることがクーパー靱帯の柔軟性を保つことになり、弾力のあるおっぱいをキープすることにつながります」(島田先生)


クーパー靱帯が切れるのでは〜?とこれまで不安に思っていた人、安心して! 


他に、どうしたらおっぱいを垂れないようにできますか?

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「それはずばり姿勢です! 日常的に背筋の伸びたよい姿勢を保つこと。姿勢がいいのにおっぱいだけ垂れている人っていないでしょう? 逆に猫背の人はおっぱいが垂れている人が多いものです」

「そして、大胸筋を鍛えることですね。大胸筋を鍛えるといえば、両手を胸の前で合わせて肘を張り、力を入れるエクササイズが有名ですが、それは正解です。その他、脊柱周りのインナーマッスルを鍛えることも、10年後20年後のおっぱいの形に影響します。私は、肩こり解消のために、シリコンゴムのエクササイズアイテムを使っていますが、これも、バストアップにつながりますね」

「何も道具を使わなくても、鴨居(かもい)など、腕がうんと伸びるところにつかまって、肩甲骨を開かせるようにストレッチする習慣をつけるといいと思います。日常の何気ない積み重ねが垂れないおっぱいを作ると覚えておきましょう」(島田先生)



島田菜穂子 先生

ピンクリボンブレストケアクリニック表参道 院長。乳がん認定医、放射線科専門医、認定産業医、日本体育協会認定スポーツドクター。2000年、乳がん啓発団体「乳房健康研究会」を発足させ、乳がん 啓発団体として日本初のNPO法人認証を受ける。同副理事長。乳がん関連の著書、監修が多数あり、最近の監修は「乳がんから自分をまもるために、知ってお きたいこと。」(日本医療企画)。

ピンクリボンブレストケアクリニック表参道 http://www.pinkribbon-breastcare.com



撮影/河野敦樹 取材・文/蓮見則子



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