つらいのに放置しがちな不調といえば「肩こり」。そのままにしておくと、四十肩や腱板断裂につながることも。今回は、肩専門の整形外科医・歌島大輔先生に肩こりの原因を伺いました。原因を知って、早めの解決・予防を!
放っておきがち&諦めがちなお悩みNo.1「肩こり」をどうにかしたい!

整形外科医
歌島大輔先生
フリーランスの整形外科医として複数の整形外科で肩治療を行う。YouTubeの登録者数は22万人以上。著書は『じゃないほうの肩こり』(サンマーク出版)など。

*本記事は歌島医師が執筆した『じゃないほうの肩こり』(サンマーク出版)の内容をもとに作成しております。記事内では誌面の都合上、明記できませんでしたが、『じゃないほうの肩こり』には根拠となる医学論文がたくさん引用されておりますので、詳しくはそちらをご参照ください。
肩こりのメカニズム

鎖骨の先端より内側(背骨寄り)に症状が出るのが肩こり
鎖骨より内側の背骨寄りにこりや痛みがある場合は肩こりの可能性大。鎖骨の先端から外側が痛むときは、四十肩・五十肩や腱板断裂などほかの病気の可能性が高い。
肩こりは、僧帽筋上部が伸びて緊張し、血流が悪くなることが大きな原因
僧帽筋は、首から肩、背中に広がる筋肉。肩こりは、頭を前に出した猫背・巻き肩姿勢を続けることで、僧帽筋上部が前に引っ張られて緊張し、血流が悪くなることが大きな原因。血流が悪くなることで筋肉がさらに硬くなり、こりとなってしまう。
肩こりを放置すると四十肩や腱板断裂につながりやすい
肩こりがあるということは肩甲骨周りの筋肉が緊張していて、肩甲骨の動きが悪く、肩関節が安定しない状態。その状態で肩や腕を使うと肩関節や腱板に負担がかかり、四十肩や腱板断裂の原因に。
ちなみに“一日で耐えうる痛みには限界がある”ので、限界を超えて動かしてしまうと超えた分の痛みが翌日に残り、痛みが増え続けることに。痛みを超えない程度に動かすことが、肩こりや四十肩の悪化を防ぐコツ。

肩こりの正体は筋肉の緊張と血流の悪さ
そもそも肩こりはなぜ起こるのか、そのしくみを肩治療に詳しい整形外科医の歌島大輔先生に伺った。
「“肩こり”は実は日本特有の言葉で、海外の英語圏には存在しません。海外では肩こりは首や背中のトラブルと認識されています。肩こりに定義はなく、一般的に日本人が肩こりと感じているのは、肩甲骨周りがこっている状態を指すことが多いようです。肩こりの大きな原因は、肩周りの筋肉の緊張で、特に肩の僧帽筋上部が硬くなっていることが多いです。
そうなってしまう大きな理由は、スマホやパソコンを見ることで、首を前に出した猫背や巻き肩姿勢が長時間続くことです。この姿勢を続けると首から背中にかけての僧帽筋上部が前に引っ張られて緊張し、血流が悪くなってしまいます。
その結果、筋肉がさらに硬くなって“こり”になってしまうのです。そのほか、ストレスも肩こりの発症に関係しています。ストレスは筋肉を緊張させるので、肩こりにつながるのです」(歌島先生、以下同)
肩こりの原因は?特に注意すべき三大要因はコレ!
肩こりの三大要因は、以下の3つ。ただ、それ以外にもさまざまな原因があるそう。
「肩こりには、ほかの部分の不調が影響していたり、病気が原因の場合もあるので、自分の肩こりは何が原因なのか探ってみましょう」
原因1. 首を前に出した姿勢、猫背、巻き肩
「現代人はパソコンやスマホを見る時間が長く、首を前に出した猫背・巻き肩姿勢になりがち。そのため僧帽筋上部が緊張して血流が悪くなり、こりが発生」

原因2. ストレス
「肩こりは高齢者より20代後半〜30代に最も多いというデータがあります。これはこの世代は就業時間が長く、ストレスが多いからと考えられます。ストレスは筋肉を緊張させ、肩こりを招きます」

原因3. 同じ姿勢を続ける
「首を前に出した猫背姿勢になっていても、こまめに肩を動かせばこりは防げます。でも動かさずに長時間続けているため、筋肉が緊張してしまい、肩こりになるのです」

ほかに、こんなことが原因の場合も…

運動不足
「運動不足の状態が続くと、血流が悪くなって筋肉が硬くなり、肩こりが起きやすくなります。寒い時期は特に体を動かさないので肩こりがひどくなることも」
睡眠不足
「睡眠不足は感覚を過敏にするという論文があり、肩こりの痛みも感じやすくなります。すると睡眠不足が睡眠障害へと悪化し、痛みも強まるという悪循環に」
眼精疲労
「同じ距離でモニター画面を見続けることで目周りの筋肉が緊張し、それが肩こりを招くことが多いようです。モニター画面は長く見続けず、目の休憩を挟んで」
頭痛
「筋肉の緊張で起こる緊張型頭痛だけでなく、片頭痛や群発頭痛も肩こりとの関連が指摘されていて、病院で頭痛を治療すると肩こりも改善することがあります」
食いしばり・歯ぎしり
「食いしばりや歯ぎしりの癖があると顎の筋肉が緊張し、首や肩の筋肉の過緊張を招き肩こりの原因に。歯科でマウスピースを作って装着すると改善する場合も」
糖尿病など生活習慣病
「糖尿病や脂質異常症の人は、そうでない人より背・首・肩の痛みが起きやすいという報告があります。慢性的な肩こりがある人は病気の可能性も疑って受診を」
アレルギー疾患
「花粉症などのアレルギー疾患が肩こりなどの慢性疼痛を招いたり、悪化させるという論文があります。アレルギー疾患の治療をすると肩こりが緩和する場合も」
胃腸のトラブル
「消化管と体の表面や筋肉の神経はつながっているので、消化管に問題があると筋肉に痛みが現れることがあり、肩こりの原因にも。まず胃腸の不調の改善を」
MAQUIA 2026年3月号
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/藤本 希 モデル/福吉真璃奈(マキアビューティズ) イラスト/山中玲奈 取材・文/和田美穂 構成/髙橋美智子(MAQUIA)
公開日:















































































