フランス語でネ=鼻と呼ばれる調香師。古くは香水の里グラース出身の男性が多かったが近年では女性調香師の活躍も華々しい。今をときめく世界的調香師とその代表作をご紹介。

あなたが今、ときめく香りが必ず見つかる
フレグランス大事典
メゾンの精神を香りで伝える
世界のトップ調香師

1
DIOR
ジャドール ロー
花々の純度を高めたゴールドのジャドール
1999年にカリス・ベッカーが創作したジャドールをクルジャンが再解釈。ローズとジャスミンをはじめとする個々の花々の良さを前面に押し出し、不要な部分は省いて、濃密な香りのブーケの輪郭をより明確にした。まばゆいゴールドのオーラをまとった麗しいフローラルノートに。50ml ¥24750/パルファン・クリスチャン・ディオール
フランシス・クルジャン

©PARFUM CHRISTIAN DIOR
20代半ばで世界的ヒット香水を生み出し、2009年に自身の名を冠するブランドを創設。稀代の天才パフューマーとして名高い。2021年、ディオールのパフューム クリエイション ディレクターに就任。
2
GUERLAIN
ラール エ ラ マティエール
ペッシュ ミラージュ オーデパルファン
先端技術から生まれた新時代のピーチの名香
1919年に天然香料としては存在しないピーチの香りを科学的に生み出した香水「ミツコ」。デルフィーヌは現代のグリーンケミストリーから生まれた合成分子を用い、ピーチとレザーがゆらめく蜃気楼のような香りを創作。現代女性を虜にする、甘く柔らかなフルーティノートを完成させた。100ml ¥49500/ゲラン(店舗限定発売)
デルフィーヌ・ジェルク

©PASCAL ITO
5代目専属調香師ティエリー・ワッサーと共にゲランのフレグランス創作を担う、ブランド初の女性調香師。ゲランのヘリテージを活かしながら、現代女性にふさわしいモダニティを注ぎ込んでいる。
3
LOUIS VUITTON
アトラップ・レーヴ オー ドゥ パルファン
カカオの苦みと甘さがクセになる魅惑の香り
明解なコントラストが深い印象を残す調香が特徴のキャヴァリエ。カカオの苦みにジンジャーが爽やかなスパイシーさを添え、シトラスに芳しい大輪のピオニーが咲き誇る麗しいフローラルシプレ。「夢をつかむお守り」の意味を持つ名前のとおり、ロマンチックな香りだ。100ml ¥46200/ルイ・ヴィトン
ジャック・キャヴァリエ=ベルトリュード

©LOUIS VUITTON
香水の里、フランス・グラースの名門調香師一家出身。名だたるブランドのヒット香水を多数手がけてきたレジェンド調香師の1人。2012年、ルイ・ヴィトンのマスター・パフューマーに就任。
4
CARTIER
レ ゼピュール ドゥ パルファン
ピュール リラ オードトワレ
リラの花のピュアな香りを繊細に表現
自然の息吹をそのままに感じさせるようなピュアな香りのコレクション。新作はホワイトライラックの透明感と枝葉のかすかなグリーン香まで感じさせる優美な香り。選定する原料を吟味し、極めてシンプルな組み合わせで繊細なニュアンスを引き出すマチルドの調香の上手さが際立つ。75ml ¥39435/カルティエ
マチルド・ローラン

©CARTIER
香料の専門学校で調香技術を習得し、10年間の実務経験を経て2005年にカルティエ専属の調香師に抜擢される。「美しい香りによって魂を高揚させる」ことをポリシーに数々の傑作を生み出している。
5
HERMÈS
バレニア オードパルファム
10年をかけて創ったエルメス初のシプレ
シトラス→フローラル→ウッディヘの変化がシプレの特徴。ナジェルはシトラスには特別なベルガモット、花はバラやジャスミンではなくジンジャーリリー、ウッディにはオークモスではなくオークウッドを置き、そこに甘やかなミラクルベリーを添え、この特別なシプレを完成させた。100ml ¥24860/エルメスジャポン
クリスティーヌ・ナジェル

©BRIGITTE LACOMBE
エルメスの香水クリエーション・ディレクター。大学で有機化学を学んだ後、研究科学者として働いているときに調香に出合い、転身。名だたるブランドのヒット香水を手がけ、2016年より現職。
MAQUIA 3月号
撮影/Kevin Chan 構成・文/平 輝乃 企画/髙橋里佳(MAQUIA)
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