毛穴ケアとは切っても切れない「美容成分」。SNSなどでは様々な情報が拡散されているけれど……本当に効く成分はいったいどれ?
成分の噂の真相
噂1. 顔のポツポツには尿素20%のクリームが最強って本当?
真相. フェイスケアに尿素20%は濃度が高すぎる
「尿素は角質をやわらかくしたり、水分を維持する効果がある成分ですが、20%という濃度は顔には高すぎます。20%はひじやかかとなど、硬くなった体の皮膚に向いている濃度。パーセンテージが高い=肌にいいというわけではなく、適した濃度が大事。お顔に使用するのはやめましょう」
噂2. ベースメイクに配合されているシリカや酸化亜鉛は毛穴を詰まらせるから使ってはダメ
真相. 毛穴をフラットに見せる成分だけが詰まりの原因ではない
「毛穴をフラットに見せるために配合されているメイク成分。そこまで気にしなくても大丈夫です。毛穴詰まりの正体は剥がれ落ちた古い角質やうぶ毛、皮脂など。毛穴内部の皮膚もターンオーバーしているので、通常であれば肌の生まれ変わりで詰まりの原因は排出されるはず。もともと毛穴が詰まりやすい、ニキビができやすい肌は、その成分が詰まりのダメ押しになる可能性がゼロではない、というくらいで、きちんと洗顔や角栓ケアをしていれば問題なし」
噂3. たるみ毛穴には「レチノール」、ボコボコ毛穴には「AHAなどの酸系」が効く!
真相. それぞれ毛穴悩みにいい成分だけど、ひとつの成分だけでお悩みが解決することはない
「たるみ毛穴にレチノール、角栓などでボコボコしている毛穴にはAHA、というのは間違いではありません。ですが大人になってからの毛穴悩みや症状は複合的に現れていることがほとんど。ひとつの成分を使ったからといって毛穴悩みがキレイさっぱりなくなるとは限りません」
噂4. セラミド・NMF配合のコスメで毛穴は目立たなくなる
真相. 詰まり毛穴との関係性は不明。毛穴悩みの種類によるのかも
「このふたつの成分は保湿効果があるものなので、乾燥による開き毛穴には効果を感じる人がいるかもしれません。詰まり毛穴、たるみ毛穴などとの因果関係は不明です。敏感肌の時にも使えたり、インナードライで毛穴周りが赤くなっている時なども活用できます」
噂5. 毛穴とニキビに効くのは酵素洗顔
真相. 酵素系、炭酸系は効果あり!
「詰まり毛穴の対策として、酵素洗顔や炭酸系洗顔のアイテムは非常に有効。詰まりの原因は日々、蓄積されていくものなので、これらの成分で“リセット”を助けてあげることはお悩み解決の近道に。意外と皮脂のコントロールにもアプローチできるので、ニキビの予防や対策にもつながる成分です」
噂6. 皮脂分泌抑制に効くと言われる6つの成分「レチノール、バクチオール、ビタミンC、アゼライン酸、ナイアシンアミド、ライスパワー®No.6」。この中で一番効くのはレチノール!
真相. 成分の構造や濃度で変わってくるので、安易に順位付けできない
「合っているけれど間違ってもいる情報です。例えばレチノールは“ピュア”か“誘導体”かでも効果効能は異なり、濃度で働きが違うことも。ただライスパワー®No.6だけは“過剰な皮脂の分泌を抑制する”医薬部外品の有効成分として認められています」
MAQUIA 7月号
イラスト/カツヤマケイコ 取材・文/松井美千代 構成/山下弓子(MAQUIA)