夏の毛穴には一体何が起きている?「MAQUIA」7月号では、みんなが抱える毛穴のお悩みに美のエキスパートがアドバイス。まずは基礎知識とトラブル対策を徹底チェック!
皮脂・乾燥・黒ずみの3大悩みを克服せよ
夏毛穴100問100答
気温の上昇とともに開きや黒ずみ、皮脂が気になりやすい「毛穴」。夏の毛穴には一体何が起きている? タイプ別に毛穴悩みも詰まりもすっきりクリアにするコツを、専門家がレクチャーします!
ウォブクリニック中目黒 総院長
髙瀬聡子先生
皮膚科医。丁寧でわかりやすいカウンセリングと、一人ひとりのコンディションにフィットさせた美容医療に定評あり。
銀座ケイスキンクリニック 院長
慶田朋子先生
最新の美容医療に精通し、丁寧なカウンセリングと確かな施術に定評があり、美容誌や女性誌、TVなどでも活躍中。
花王 ビオレ事業部
佐々木奈緒美さん
フェイスケアアイテム開発を長年担当。忙しい現代女性の声を反映し、快適で確かな効果を実感できる商品を開発中。
毛穴ケア専門サロン「ウビクエ」
尾崎奈津代さん
トレーナーとしてスタッフ教育や店舗運営に携わる。毛穴悩みを解決し、素肌に自信が持てる人を増やすことが目標。
クリニカルサロン シーズ・ラボ 広報
高村麻奈美さん
医療とエステを融合した、メディカルエステが体験できるサロンのエステティシャン。豊富なオリジナルメニューが話題。
Q 夏毛穴には何が起きている?
A 発汗、皮脂、紫外線、乾燥など外的刺激が増加!
「外気温の上昇によって発汗が促されて毛穴が開き、過剰な皮脂によって毛穴周りに炎症が起きやすい状態です」(髙瀬先生)。「紫外線ダメージによるコラーゲン破壊が起こり、たるみ毛穴を招きます」(高村さん)
Q 夏毛穴にはどんなタイプがあるの?
A テカリ・乾燥・黒ずみの3タイプ
大きく分けると、皮脂の過剰分泌によるターンオーバーの乱れによる「テカリ毛穴」、汗の蒸発や紫外線による「乾燥毛穴」、皮脂の酸化やメラニン量の増加によって目立つ「黒ずみ毛穴」の3タイプ。
テカリ毛穴
皮脂の過剰分泌によってターンオーバーのリズムが乱れると毛穴の出口がふさがれ、内部に古い角質や皮脂が混ざり合って詰まって毛穴を押し広げている。
乾燥毛穴
紫外線への防御反応として急速に角層が厚くなり、水分保持力が低下&毛穴が目立つ肌に。また、汗のミネラルが刺激になり軽い過角化状態になることも。
黒ずみ毛穴
皮脂の酸化や紫外線によるメラニンの増加によって毛穴がリング状に黒く見える状態。産毛の断面や、毛穴に落ちる影によって黒く見える場合も多い。
Q それぞれの要因は?
A 皮脂や防御反応、酸化など(髙瀬先生)
表にまとめたのでぜひ参考にしてみて。
Q テカリ毛穴を放置するとどうなる?
A 炎症などトラブルの要因に
「炎症を引き起こし、メラニンを生成して黒ずみ毛穴に」(髙瀬先生)。「毛穴が開いて目立つだけでなく、ニキビなどのトラブルにつながる可能性も」(尾崎さん)
Q 夏の乾燥毛穴の行く末は…?
A たるみ毛穴や黒ずみ毛穴が待っています
「紫外線の影響でコラーゲンなどが劣化すれば開きがひどくなり、たるみ毛穴に。真皮レベルで将来の劣化対策をするためにも日焼け止めは必須」(慶田先生)
Q 黒ずみ毛穴になりにくい人っているの?
A しいて言えば皮脂分泌が少ない人
「遺伝的に分泌量が少ない人や年齢を重ねた人はなりにくいけれど、加齢によってターンオーバーも滞るので、ケアしないと毛穴は目立ってきます」(慶田先生)
Q 皮脂と角栓って同じですよね
A じつは別モノです
「皮脂は毛穴の皮脂腺から出た液状の脂。角栓は毛穴の中で古くなった角質(タンパク質)と皮脂が混ざり合ったペースト〜固形状のモノです」(佐々木さん)
Q 角栓って自分で取ってもOK?
A プロに任せるのが安心
「皮膚を傷つけたり、保湿が足りず毛穴の開きや炎症などのトラブルにつながる可能性があるので、知識と技術を習得したプロに任せるのが安心です」(尾崎さん)
Q テカリがちな私はうるおいも十分なはず
A 皮脂=うるおいではありません
「うるおいの要はセラミドなどの細胞間脂質で、水分保持の80%を担います。一方の皮脂膜は2〜3%。テカリ毛穴でも肌が乾燥している可能性大」(慶田先生)
Q 夏毛穴を悪化させる生活習慣って?
A 保湿不足や毛穴に残った汚れが引き金に
「さっぱりしすぎたスキンケアに変えると乾燥を招いて毛穴が開いてしまうことも。また、汚れをきちんと落とさないと肌がリセットできません」(高村さん)
Q 毛穴をキレイにしたいから、洗顔ブラシを愛用中
A 残念ながら逆効果です
「乾燥や摩擦の原因になり、結果として乾燥毛穴や黒ずみ毛穴に」(髙瀬先生)。「角層を傷つけると、かえって毛穴が詰まります。泡で優しく洗って保湿を」(慶田先生)
Q 毛穴パックならOKですよね?
A やりすぎは注意して
「頻繁にやりすぎると角層まではがれて皮膚の防御反応で厚くなってしまうので、はがすタイプは2週間に1回程度に」(慶田先生)
(右)小鼻のキワまでフィット。ビオレ 毛穴すっきりパック 鼻用+気になる部分用 ¥400(編集部調べ)/花王 (左)肌に優しく伸びる、うるおう海泥の洗い流すパック。ざらつきが気になる時など週2〜3回使用できる。アルジタル グリーンクレイペースト 250ml ¥3600/石澤研究所
Q もしかしてコットンでの拭き取りも刺激になりますか?
A すべての摩擦は刺激に直結
「もちろん刺激になります。コットンを使用する際は、化粧水などをたっぷりと含ませて、肌に摩擦を与えないようにとにかく優しく!」(髙瀬先生)
Q 夕方になるとメイクが毛穴落ち。これって毛穴が開いている証拠?
A ただの化粧崩れです
「肌表面の化粧が取れて、毛穴の奥に粒子が残っているから毛穴落ちしているように見えるだけ。1日中、毛穴が開きっぱなしということはありません」(慶田先生)
Q 夏の毛穴トラブルが起きやすいパーツは?
A 皮脂線の大きいTゾーン
「じつはTゾーンや頬のカサつきは過剰な皮脂分泌が原因の脂漏性皮膚炎であることも。誤ったスキンケアをすると悪化してしまうので要注意です」(慶田先生)
Q 日焼け止めもトラブルのもと?
A 塗らない方がリスク高!
「日焼け止めを塗らないと刺激で角層が厚くなるので逆効果です。トラブルになるのは肌に合わないから。きちんとオフすれば問題ありません」(慶田先生)
すべてSPF50+・PA++ ++。(右から)日中もスキンケアタイムに。ソフィーナ iP UVレジスト リッチクリーム 30g ¥3000(編集部調べ)/花王 天然由来成分100%。UVプロテクトミルク 50プラス 50ml ¥3800/エッフェオーガニック 大気中の微粒子もブロック。コスメデコルテ サンシェルター トーンアップCC 10 35g ¥3000/コスメデコルテ
Q 毛穴を取り巻く環境、年々過酷になってませんか?
A 環境の変化により肌ストレスは右肩上がり……
「年々増加傾向にある紫外線量やPM2.5などの大気汚染にブルーライト、マスクによる蒸れや摩擦など、環境による肌ストレスは高まっています」(高村さん)
Q 毛穴が気になって鏡を見るたび落ち込みます
A 鏡に近づいて見すぎかも
「Tゾーンはそもそも毛穴が大きいのが当然。角栓の状態が悪いと少し目立つかもしれませんが、正直そこまで気にするほどではないと思いますよ」(慶田先生)
Q 毛穴の数は変わるもの?
A 数には個人差はなし。大きさは遺伝によるもの
「脂性肌は遺伝的なものなので、毛穴レスを目指してあれこれ試すより、一番目立ちにくい状態になるように肌をいじめすぎないことが大事」(慶田先生)
Q 共通する毛穴改善ルールは?
A 保護と保湿が鉄則です
「とにかく肌を優しく触って負担をかけないこと、日焼け止めなどを塗って紫外線を避けること! 毛穴に炎症を起こさせない習慣が大切です」(髙瀬先生)
MAQUIA 7月号
撮影/天日恵美子(モデル) 荒川雅之〈近藤スタジオ〉(物) ヘア&メイク/野口由佳〈ROI〉 モデル/黒澤はるか 構成・文/国分美由紀 関本陽子 柏谷麻夕子 企画/髙橋美智子(MAQUIA)
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