「MAQUIA」12月号では、ビューティサイエンティストの岡部さんに、肌を潤すメカニズムについて再確認。乾燥肌悩みの疑問に徹底アンサー!
保湿を極めれば美肌は叶う
お肌をもっと潤わせる方法教えます
冬に乾燥するのは仕方ない? 毎年繰り返される乾燥肌悩みを乗り切るためにスペシャル講座を開講! 保湿をサイエンス&お作法、2つのベクトルで追究すれば、肌をもっと潤すコツがわかるはず。
肌を潤すメカニズムを再確認
保湿のサイエンス編
\先生は…/
ビューティサイエンティスト
岡部美代治さん
化粧品会社研究員や商品開発を担当。現在は美容コンサルタントとして、理系視点からのアドバイスや講演などを行っている。
"肌が潤う"ってどんな仕組み?
Q そもそも肌が“潤う”とは、どこが潤っているの?
A 角層のなかでも、上から3枚目くらいの部分
「肌表面・角層はおよそ10数枚の層になっています。その上から3層くらいの部分に水分を20~30%キープできているのが、潤ってしなやかな状態です」
角層は表面にいくほど外部刺激に強くなり、潤いを溜め込み肌を守っている。
Q 保湿の解説で出てくる、NMF、セラミド、ヒアルロン酸、エクトインとは?
A 重要な保湿成分のことです
「セラミドは細胞間脂質の主人公。NMFは細胞間脂質をふっくらさせ、ヒアルロン酸は角層細胞を潤し、エクトインは水分キープのキー成分。どれも保湿に欠かせません」
分子ヒアルロン酸配合の化粧水。オルビスユー モイストアップローション 180㎖ ¥2800/オルビス
Q 潤いはどこに蓄えられている?
A 角層細胞です
「前述した角層の表面、細胞と細胞の間の細胞間脂質で潤いをキープし、その下層にある細胞の水分蒸発を予防します」
Q キメの細かい人が実は乾燥肌なのはなぜ?
A 皮脂腺が発達していないから
「毛穴の目立ち=皮脂腺の発達。キメ細かい肌は皮脂腺が発達していないことが多く、油分不足で乾燥するんです」
Q 潤っていると美肌に見えるのはなぜ?
A 肌表面が透明感を帯びるため
「角層の表面の3層が潤っていて、細胞間脂質も詰まっている状態だと透明感があり、やわらかくツヤもある。すると光の反射が美しく、肌がきれいに見えるのです」
どんなコスメが潤うの?
Q 岡部さんが考える正しい保湿ケアとは?
A 夜ケアして、朝の肌がつっぱらないのがベスト!
「クリームなど油分を塗布し、手のひらにベタっとつかないくらいが適量。朝起きて肌がつっぱっていなければ◎」
Q シートマスクは長く置くほど水分が入っていくの?
A 長く置いても効果は変わりません
「シートマスクをすると肌が潤いで満ちて透明感が上がり、白くなったように見えるのです。放置時間は5~10分くらい。長く置いてもそれ以上の効果は見られません」
Q 化粧水=潤うイメージ。だけど、これだけじゃダメなのはなぜ?
A 『保水』するためには油分も必要
「紙を水に濡らし、その後乾かすとパリッとしませんか? 肌も同様に水分は必要ですが、それだけではダメ。必ず油分を与えましょう。肌の保湿は水分+油分が絶対です」
Q 乳液で本当にフタできるの?
A YES!
「乳液は表面3層の角層細胞、細胞間脂質の両方になじむよう作られています。その3層でフタの役割を担います」
Q とろみ化粧水の方が潤うの?
A そうとは言えません
「とろみ化粧水は高分子の保湿成分で肌表面に潤いのネットを張るようなイメージで、しっとり感が続くのが特徴。感触だけで保湿力が決まるわけではありません」
Q 洗顔後、肌がつっぱるならどういうアイテムを選べばいい?
A 洗い方を見直す方が大事
「洗顔よりも、その後の保湿が足りないから乾燥するのです。そして洗顔時の摩擦も乾燥の原因。つっぱる場合は、顔を洗っているときにこすり過ぎている可能性が」
MAQUIA12月号
撮影/藤澤由加(モデル) 橋口恵佑(物) ヘア&メイク/広瀬あつこ スタイリスト/梅林裕美 モデル/辻元 舞 取材・文/松井美千代 構成/木下理恵(MAQUIA)
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