このところ話題の最先端スキンケアコスメで、効かせる「ターゲット」となっている肌の基底膜。そもそも基底膜とは? 基底膜をケアすると肌にどんないいことがあるの? 美容ジャーナリストの小田ユイコさんが専門家に徹底取材します。

美容ジャーナリスト 小田ユイコの“マニアックビューティREPORT”
今月のキーワード「基底膜」
この1〜2年、スキンケアサイエンス界をにぎわせている「基底膜」アプローチ。目にすることはないけれど、実は肌内部に張りめぐらされている超極薄のシート状の基底膜。
最先端技術を誇る国内外の化粧品メーカーが、この薄膜に働きかける成分の開発に今、全力を投球。というのも、基底膜は私たちが気になる「肌のコンディションの要」だから。
肌再生の仕組みを日夜研究し、基底膜に着目する専門家、難波大輔先生にその知られざる役割を聞いてきました!

鳥取大学
難波大輔先生
鳥取大学医学部医学科 ゲノム再生医学講座再生医療学分野 教授。東京大学医科学研究所准教授などを経て現職。皮膚の幹細胞生物学と再生医療研究が専門。
そもそも基底膜ってなに?
表皮と真皮のあいだにある「極薄」の膜
表皮の底、真皮との境に存在する基底膜。厚さは0.1㎛、卵の薄皮の1/200と超極薄。健康な基底膜は波打っていて、加齢にともない平坦になる傾向に。紫外線を浴びるとダメージを受け、劣化。

基底膜は何でできている?
基底膜はIV型コラーゲンやラミニンといったタンパク質と、パールカンなどのプロテオグリカン(糖タンパク質)が二次元的につまってできた膜。これらの成分には接着性があり、表皮と真皮がくっつく。

基底膜の役割は?
表皮と真皮をくっつける
「両面テープ」のように表皮と真皮を接着。基底膜があることで肌は安定し、ハリを維持できる。
表皮と真皮の「関所」
栄養素など、表皮と真皮のあいだで行き来する物質の「関所」。物質移動を適切に制御する。
表皮幹細胞を育む
基底膜の表皮側は、表皮幹細胞が並んだ状態。基底膜が表皮幹細胞を育むことで、表皮細胞が生まれる。
加齢で基底膜が平坦になったり、紫外線でほころびができると、表皮幹細胞が質のいい表皮細胞を生み出すことができず、乾燥など肌トラブルの原因に。また真皮の線維芽細胞やコラーゲン線維にも影響を及ぼし、シワやたるみを引き起こす可能性も。
表皮を生み出し、真皮をしっかりつなぎとめる「美肌の司令塔」
——最近、基底膜が重要視されるようになったのは何故?
「近年の研究で、その働きが解明されたからでしょうね。肌の断面図を見てもわかる通り、表皮は細胞の集合体。一方の真皮は線維芽細胞はあるけれど、メインはコラーゲン線維やヒアルロン酸など細胞外マトリックス主体の結合組織。
つまり全く『別物』だから、ただ重なっているだけではなじみが悪い。基底膜があることで表皮と真皮がくっつき、皮膚という物理的にしっかりとした臓器になり、外界から体内を守ってくれるのです」と難波先生。
——超極薄膜だけれど、なくてはならない存在なんですね!
「はい。そして加齢や紫外線の影響で基底膜がダメージを受けると、表皮にも真皮にも悪影響が及び、肌トラブルやエイジングのもとになることも解明されています。
いわば『美肌の司令塔』だから、化粧品メーカーさんがこぞって研究し、グッドコンディションに保つ技術を開発しているのも納得です」
基底膜はどうすれば良い状態に?
基底膜アプローチのコスメでほころびのない密な膜に!
最先端の基底膜研究の成果を注ぎ込んだコスメで、ダメージをケア。「美肌の司令塔」の役割をしっかり果たせる基底膜に。
NIPPI COLLAGEN スキンケア ジェル LM511

35g ¥33000/ニッピコラーゲン化粧品
キメが整いパンッとしたハリ肌に
基底膜の構成成分、ラミニンと生コラーゲンを配合した美容液。表皮幹細胞との接着がよくなり、表皮細胞の分裂が活発に。
エリクシール ザ セラム aa

(医薬部外品) 50ml ¥8910(編集部調べ)
バリア機能が回復しシワ、たるみにアプローチ
基底膜にダメージを与える酵素、ヘパラナーゼとMMP-9を阻害する成分、コアキシマイドを配合した美容液。基底膜のコンディションアップでエイジングをトータルでケア。
DIOR カプチュール トータル レチショット

20ml ¥15620/パルファン・クリスチャン・ディオール
毛穴が引き締まりニキビ跡もツルリ
純粋レチノールとマルチ発酵ロンゴザ配合の美容液。マルチ発酵ロンゴザが基底膜と表皮幹細胞の接着をアップ。
基底膜の状態をよくするスキンケアで、老けない肌へ
——基底膜がダメージを受けると、具体的には何が起こるの?
「基底膜の表皮側にいる表皮幹細胞との接着が悪くなり、新しい表皮細胞を生み出す『分裂』に滞りが生じます。表皮細胞はご存じのとおり、最後に角層となって肌表面に現れますよね。
バリア機能が高く、スムーズに剥がれ落ちる『いい角層』になれるかどうかは、この分裂時にかかっているのです」。
——真皮側に対しては、何が起こりますか?
「真皮との接着が悪くなると、真皮に張りめぐらされているネット状のコラーゲン線維がゆるむ可能性があります。すると弾力がなくなるだけでなく、線維芽細胞もゆるんでしまう。線維芽細胞はテンションがかかっているほうがしっかりしたコラーゲンを作り出すことができる。
つまり基底膜との接着が悪くなることで真皮の弾力や厚みまでもが失われてしまうんです」。
——基底膜が表皮と真皮をしっかりつなぎとめることが、そんなに大事だったなんて! ガゼン、基底膜をケアしたくなってきました。基底膜ケアのコスメでお手入れすればいい?
「皮膚はカラダ中でもっともアクセスしやすく、自己管理できる『臓器』。
表皮にも真皮にも多大な影響を与えている基底膜を意識してケアすることは、美肌対策とエイジング予防のスタンダードになっていくかもしれませんね」
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MAQUIA 2024年12月号
取材・文/小田ユイコ イラスト/きくちりえ〈Softdesign〉 企画/奈良彩花(MAQUIA)
公開日:










































































































