乾燥が気になる季節、リップクリームなどで唇を保湿してもカサカサに…。それはもしかするとリップ(口紅)に含まれる「リンゴ酸ジイソステアリル」に反応してしまっているからかも? 唇荒れに悩む人は知っておくべき成分について美容ジャーナリストの小田ユイコさんが専門家に取材!

美容ジャーナリスト 小田ユイコの“マニアックビューティREPORT”
今月のキーワード「リンゴ酸ジイソステアリル」
唇が乾燥し、肌と同様にゆらぎやすくなるこの季節。こまめにケアしていてもカサカサしたり、皮めくれしたり。その原因のひとつに、リップ(口紅)によく配合されているリンゴ酸ジイソステアリルがあるかもしれないと知り、気になった小田。
リンゴ酸ジイソステアリルって、いったい何? どうして唇が反応してしまうの?
リップからリンゴ酸ジイソステアリルを除くことに成功した新製品を開発したアクセーヌの研究員、山縣英祐さんにお話をうかがいました。

ピアスグループ中央研究所
山縣英祐さん
ピアスグループ中央研究所 スキンケア研究部 副部長。入社以来、研究一筋。アクセーヌのスキンケアからメイクアップ品まで製品に合った成分の開発、探索に力を注ぐ。
リップによく使われている油性成分。ごくまれに唇あれの原因に
——スキンケアの成分はよーく見るのに、メイクコスメの成分をあまり気にしていなかった小田。リップ(口紅)って、そもそも何でできているの?
「一般的に、数種のオイル(ワックス)と、酸化鉄、酸化チタンなどの着色顔料でできています。油性成分処方のリップにはヒアルロン酸などの水溶性成分の配合は難しく、オイルは唇に油膜を張って唇から水分が蒸散するのを防ぐのがメインの効果となっています」と山縣さん。
——リップに含まれるリンゴ酸ジイソステアリルってどんな成分?
「オイルの1種です。唇の潤いを保ち、着色顔料を唇に均一にのび広げ、ツヤが出るので、広くリップに配合されています」。
——そんなリンゴ酸ジイソステアリルが唇あれの原因になることもあるってホント?
「約40人にひとりの割合で軽度の皮膚反応が出る方がいらっしゃいます。これは非常に少ない割合なのですが、リップを使用する女性は絶対数が多いのでお悩みの方もそれなりに多い。そんなリスクを減らしたいと考え、この成分の無配合に取り組みました」
リンゴ酸ジイソステアリルって何?
リップの色素を分散させうるツヤ唇に仕上げる成分
●色素を均一にのばし色ムラを防ぐ
●潤いを保ってツヤを出す
●ベタつくことなくピタッとなじむ
リンゴ果汁から発見されたリンゴ酸とジイソステアリルという高級アルコールを組み合わせたエステル化合物。口紅、グロスなどのリップ類はもちろんアイシャドウなどのメイクコスメ、シャンプーなどのヘアケア製品など、さまざまな美容アイテムに配合されている成分。
何故無配合のものが話題に
敏感になった唇には刺激になる場合も
頬などの肌と比べて角層が薄い唇。3〜5日と短期間でターンオーバーするため角層細胞が未熟になりやすく、そもそも潤いを抱えるのが苦手。乾燥や外的環境でゆらいだ唇はアレルギー反応が出やすく、リンゴ酸ジイソステアリルが負担となり、あれてしまう場合も。

ゆらぎ唇の人注目
リンゴ酸ジイソステアリル無配合のリップはこれ
流行のリップに必須ともいえる成分、リンゴ酸ジイソステアリル無配合に果敢に挑んだ、唇が弱い人に寄り添うリップを紹介。〈〉内の成分は、リンゴ酸ジイソステアリルの代替成分。
アクセーヌ リップケア ルージュ RD01

¥4400
色素もコーティングし唇への負担を徹底的に配慮
〈トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2〉配合。金属アレルギーの可能性がある色素はシリカでコーティング。
ナチュラグラッセ モイスチャールージュ(シアー) 02S

¥3630
クパスバターやセラミドなどスキンケア成分も贅沢に配合
〈トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2〉配合。
エトヴォス ミネラルルージュ サクラベージュ

¥3300
ミネラルと天然色素だけで鮮やかな発色を実現
〈ヒマシ油〉配合。

リンゴ酸ジイソステアリル無配合リップは、唇あれでメイクを楽しめなかった人の救世主
「アクセーヌではもともと、不純物を取り除いて唇への負担を減らしたリンゴ酸ジイソステアリルをリップに採用していました。でも新リップを開発するにあたり、さらに負担を減らすことにチャレンジ!
リンゴ酸ジイソステアリルの代替成分として、色素の分散性やツヤ感にすぐれたトリイソステアリン酸ポリグリセリル-2を探し当てました。ところが、これを採用することでリップの製造方法を全体的に見直す事態に。400回の試作を重ね、完成までに7年かかりました」。
——ひとつのリップをつくるのに7年も! それは大変でしたね。
「色によっては色素の分散性が理想通りにはかなわず、全10色中3色は、通常品よりさらに不純物を取り除いたリンゴ酸ジイソステアリルを採用しました」。
——実際使ってみると唇がうるプルに保たれ、メチャメチャ調子がいいです!
「ありがとうございます。研究者冥利につきます。唇が弱い方の中には、人気のリップを使いたくても使えず、持っていても使うのを我慢したり、なるべくつけている時間を減らすために人と会う直前につけたりと、メイクに制限がかかっている方が多いのです。リンゴ酸ジイソステアリル無配合の新リップは、そんな方からも感激のお声をいただいています」。
——メイクを我慢して切ない思いをしていた皆さん、ぜひお試しを!
MAQUIA 2025年3月号
取材・文/小田ユイコ イラスト/きくちりえ〈Softdesign〉 企画/奈良彩花(MAQUIA)
公開日:




















































































