「MAQUIA」10月号では、イガリシノブさんが“ポップ”と“こっくり”、Wの色を重ねて余韻を残すメイクを新提案!
イガリシノブ、秋の新提案
“ポップ”と“こっくり”、Wの色を重ねた
「探りたくなる」余韻メイク
秋はこっくりな感じが気になるけれど、洋服や髪形や気持ちなどいろんな要素があるから、鏡で見て“ド・こっくり”100%にはしたくないなって。余韻を残せる感じがいいなと思ったの。だから、目元も唇も「W重ね」。色と色が引っ張り合いをすることで、重たい深みじゃなく、ポップさとこっくりさの間を行き来して、いろんな表情を生み出す軽やかな深みを作れるの。あともうひとつのポイントとなるのが、あえて上めに描いた赤っぽい眉。目元がすっきり広がりつつも、華やかさも目力も上がるから、表情にさらに探りたくなる余韻が増すんです。
“100%隙なしのメイクはつまらない。見るほどに興味がわく余韻を、ね”
イガリちゃんのメイクって、メイクが楽しくなるようなメッセージが込められてるよね。顔もヘアも服も含めて全体を引きで捉えて、仕掛けがいっぱいちりばめられているから面白い。異なる2色を重ねて作る奥深い表情は天才的だし、サイドの髪をアクセのように効かせてるところもさすが! 唯一無二のセンスだと思う。
2大人気アーティストが初顔合わせ
河北裕介&イガリシノブ
二人のメイクは、なぜ私たちを惹き付けて離さないのか?
思わず目が止まるメイクを手掛け、マキアでも人気を博すこの二人。その共通点とは? 惹き付けられる秘密とは? これを読めば、きれいへの新たな気づきがきっとある!
“イガリちゃんは、センスの塊。
バランスが取れた
そのお洒落さに、憧れる”-河北裕介
KAWAKITA YUSUKE
卓越したと技術とその人らしさを引き立てる洗練されたメイクで、時代を牽引するアーティスト。今を読み解くプロデューサー的能力を持ち合わせ、メイクを手掛けた女優やタレントは必ず人気が出ると評判。
“河北さんのメイクって、
女性を洗練する力がある!
記憶に残る人になれるよね”-イガリシノブ
IGARI SHINOBU
BEAUTRIUM所属。光と色を自在に操り、色っぽメイクを流行させた仕掛け人。飛びぬけた感性によるオリジナリティ溢れるムードメイクを提案し、イガリ旋風を巻き起こし続ける。コスメの目利きとしても有名。
トレンドなんて関係ない!?
時代を牽引するアーティストとして、注目を集める二人。さぞや高い志を抱いてヘア&メイクを目指してきたに違いないと思いきや、そのきっかけはふとしたことから。
K(河北) 昔、バンドをやっていた時に、友達のヘアメイクやったのがきっかけだったなあ。バンドマンでやってくのは難しそうだから、じゃあヘアメイクになるかって。
I(イガリ) 私はもっと不純(笑)。とにかく東京に行きたかったから、ひとまずファッションの専門学校の夏期講習に行ってみたんですよ。そこでヘアメイク科にカッコいい先輩がいて、私も~って。彼とは特に進展はなかったんだけど(笑)。
K 似た感じだな~。でも、ヘアメイクとしてやっていくにあたり、お互い映画の影響は大きいよね。
I それはそう! 河北さんと初めてご飯した時に、「イガリちゃんのメイクは、99・9%がセンスなんだよ」って言われて、けっこう自分の中に響いたんですよね。そう考えると、そのセンスは映画で磨いてきたなって。私が影響を受けた映画はいっぱいあるけれど、中でも『あの頃ペニー・レインと』や『リトル・ダンサー』が好き。
――可愛いだけ、甘いだけはやめて、「らしさ」を生かそう
K いいよね。僕は、ベタだけど『ローマの休日』を見て、深みのある色気や品が感じられるような女性を表現したいって思ったのを覚えてる。日本女性は“可愛い信仰”が強いけど、大人の女性が持つセンシュアルな魅力って素敵だなって。
近すぎはダメ。引きで見て。
I 甘い可愛いだけだと少しあきてしまうし、いろんな意味で重たさを感じる。私の場合は、そこにお洒落さを入れ込むのが好き。でも、それ以外は、ぜ~んぶフリー。こうじゃなきゃっていうルールもないし、トレンド遅れだったり、ずれていたり。
K 同感。トレンドのメイクをしようと顔だけ頑張ってみたり、みんなと同じ判子のようなメイクをしたりすると、魅力は消えてしまう。自分らしさを引き出すメイクで、いい意味で出し抜くことって大事。
――顔だけで完結させず、メイクはトータルで意識を
I 今日なりたい印象をイメージしながら、メイクで自分なりの物語を作っていけたらいいですよね。
K それにはトータルで見れる、引き目線が必要。今日着たい服に着替えてから、姿見の前で寄り引きしながらメイクするとうまくいくよね。
I 姿見の前にメイク道具持っていって地べた座りでメイクしてる子って好きかも。みんなメイクに100%全力を注ぎがちだけど、洋服や髪形、気持ちまで勘定に入れてほしい。「自分らしさ」を感じさせる余韻を残してほしいです。
K だから、僕は不要なことはしないようにしてる。眉毛が多いなら眉は描かないし、肌がきれいならファンデーションは塗らない。
I 河北さんのメイクって、削ぎ落とした中にその人の内側の魅力が透けて見えるような感じがする。私は女子目線で考えがちで、メイクをプラスする中で、「らしさ」を出していくイメージ。
K でも、メイクが浮かないよね。バランスを取るのが超絶うまい!
I トータルバランスを見ながらいったりきたりして、バランスをとって色を出していくから。
K アプローチ法は違うけれど、目指すところは同じ。その人の持ち味が引き立つメイクだから誰でもいい感じのきれいが手に入るし、トータルで見ているから顔だけが浮かずにリアルに素敵になれるはず。
I アニキについてゆきます♡
MAQUIA10月号
撮影/YUJI TAKEUCHI 〈BALLPARK〉(モデル) 橋口恵佑(物) ヘア&メイク/イガリシノブ〈BEAUTRIUM〉 スタイリスト/木津明子 モデル/藤野有理 取材・文/中島 彩(MAQUIA) 構成/吉田百合(MAQUIA)
【MAQUIA10月号☆好評発売中】