男性に限らず、多くの人たちの視線が集まり、きゅん♡を誘える最強の衣装、和服。「MAQUIA」3月号の和服を美しく着こなすための神崎恵さん流・美人レシピで佇まいまで可憐に。
神崎 恵Megumi Kanzaki
mnuit主宰。ビューティライフスタイリストとしての活動の他、累計90万部を超える著書の執筆をはじめ、雑誌の撮影やトークショーなどで全国を飛び回っている。最新著書『MAKE ME HAPPY vol. 2』(扶桑社)も大好評発売中。
SCENE 特別な日は和服で過ごす
ツヤ感封印のマット美肌×コンサバメイク
ここぞというときに着る服がある、わたしにとっての戦闘服。言葉にすると勇ましい印象になってしまうけれど。「戦闘服」という響きが、ほかの言葉よりもずっとしっくりくる。
一方通行の恋をなんとか動き出させたいときや、パートナーとのマンネリ空気を打破したいとき、美女たちと並ばなければならないときや、自分という存在を他のものとは違うと印象付けたいとき。この服を纏うだけでなぜか物事がいい方向に動き出す。わたしにとってのそれが「着物」という服。着物は女という生きものを隅々まで美しくする。姿勢、身のこなし、眼差し、肌、醸し出す空気。佇まいをここまで美しく、洗練させるものはなかなかない。加えて、手足の短さやなで肩といった、日本人のネガティブとされる部分を反対に魅力に変えてしまうという威力も併せ持つ。
昔、そのスーツを着るだけで顔形すべてが絶世の美しさに生まれ変わるという『ハンサム★スーツ』という映画があったけれど、まさにそう。着物は着るだけで「美女」風に生まれ変わる女の戦闘服だと思う。
小柄、なで肩、童顔。幼稚に見えがちなわたしの顔や体を凛とさせ、コンプレックスさえも印象のいいものにしてくれる。それだけで、わたしはわたしだと思うことができるから、表情も、言葉も自分らしくやわらかくいることができる。佇まいを美しくするだけではなく、自分から発するものすべてを美しく余裕のあるものに変えてくれる着物は、構えることなく着られるようになっておくといい。
例えば、新しい年のご挨拶や新年会、パートナーとの年初めの食事、新しい年を特別に美しい印象で始めるというのはどうだろう。美しさというものは無条件にひとの心を打つもの。裏だと思っていたものをなんなく表にするくらいの威力がある。ただ着るだけで、恋心も鮮度も自信も手に入れることができるのだから、着ない手はない……と強く思う。
神崎流・美人レシピ