2026年上半期、美容の常識は大きく更新される予感! 人気ヘア&メイクアップアーティスト・イガリシノブさんが、来年のメイクを動かすキーワードを徹底予言。

- メイクは「順番」と「役割」が変わる! 新基準で美しさを生み出す
- 【TOPICS1】血色ではなく印象を操る。“チークじゃなかった”色のチークが来る!
- 【TOPICS2】中顔面短縮を決定づける。 “とろりんリップ”の絶対バランスが来る!
- 【TOPICS3】カラーから原点回帰。王道の“洗練ブラウン眉”が来る!
- 【TOPICS4】重たくなった大人まぶたの救世主。“切り込みライナー”が来る!
- 【TOPICS5】ファンデは最小限に。ハイライト仕込みで“立体感先行ベースメイク”が来る!
メイクは「順番」と「役割」が変わる! 新基準で美しさを生み出す

「2025年のメイクは、次のステージへ進むための静かな助走期間でした。1950年代のマリリン・モンローから1960年代のツイッギーへと美の基準が対照的に大きく塗り替えられたように、時代のエネルギーが大きく転換する前兆めいた空気を纏っていました。
自己肯定感の高まりとともに、ひとりひとりが自分らしさを探求してきたこの数年。でも2026年は、そこから一歩先へ。個人の殻を破り、誰かと共鳴しながら新しい美をつくる時代へ向かっていくと思うんです。
J-Beautyの底力もますます発揮されるはず。メイクの方法そのものがアップデートされ、“盛る”“隠す”から、光と影、質感と立体感などの戦略的なテクニックで顔立ちそのものを美しくデザインするフェーズへ。
2026年は、みんなでワクワクしながら、美しさの景色をアップデートしていく一年になると思います」(イガリさん、以下同)。
【TOPICS1】血色ではなく印象を操る。“チークじゃなかった”色のチークが来る!

シェーディングが「チーク色」に進化
「これまでのメイクは、アイメイクやリップの色や形で、顔の印象を大胆に変えるのが主流でした。しかし、今のトレンドは肌の質感や透明感を追求するベースメイクが大前提に。チークはピンクやコーラルで“血色”を足すもの、シェーディングは顔を削り“小顔”に見せるもの。そんな定番の役割もアップデートの時期に入っています。
今は中顔面短縮メイクが当たり前で、立体感は欲しいけれど、“影”を主張せずに、自然とバランスよく見せることが重要なんです。だからこそ、シェーディングはただの“影色”だけでは役割が足りなくなってきたと感じます。
血色感や透明感と地続きな絶妙カラーが、骨格を美しく整えながら、洒落たムードまで引き上げてくれる──そんな時代が本格的にはじまるはずです」。

チークとシェーディングを融合させた影色チーク
(左から)深みのあるプラムカラー。 NARS ブラッシュ N 962 ¥5390/NARS JAPAN(1月16日限定発売)、赤みを宿したグレイッシュブラウン。ルナソル カラーリングブリーズ 07 ¥4840(セット価格)/カネボウ化粧品(1月16日発売)、大人肌が映えるコッパーゴールド。カラー+グロウ エンハンサー 03 ¥6270/SHISEIDO(3月1日発売)
【TOPICS2】中顔面短縮を決定づける。 “とろりんリップ”の絶対バランスが来る!

唇に重心。艶がつくる、人中短縮バランス
「【TOPICS1】で骨格と透明感を整えたら、次に顔のバランスを決定づけるのがリップの役割! これまでは“色を楽しむ”印象が強かったリップも、今は中顔面短縮メイクの観点から“立体感”と“重心”を操作する重要なパーツへ進化しています。
鍵となるのは、ぷるんとした艶と生っぽい血色感。“塗ってます感”ではなく、粘膜の延長のように自然に存在感を出す“とろりん質感”が、人中をキュッと短く見せてくれるんです。
さらに、肌に溶け込むニュアンスカラーなら、抜け感も洒落感も思いのまま。これからは、唇にそっと重心を置く“絶対バランス”こそが、顔立ちを刷新するキーワードになってくると思います」。

“とろりん質感”で叶える絶対バランスリップ
(左から)プランパー効果でぷっくり唇を演出。キャンメイク トゥインクルジュエリープランパー 01 ¥880/井田ラボラトリーズ(1月31発売)、スキンケア成分99%処方で、みずみずしい艶を発揮。PFCT・セラム・リップオイル No.00 ¥5280/パルファム ジバンシイ(1月2日限定発売)、美容液発想の厚膜リップ。エクセル パンプフルドロップ FD02 ¥1760/常盤薬品 サナ(1月13日発売)
【TOPICS3】カラーから原点回帰。王道の“洗練ブラウン眉”が来る!

眉は“ファッション”から、“顔立ちをデザインするフレーム”へ
「ここ数年、眉はカラーリングで遊ぶ“ファッションアイテム”のような存在でした。しかし、ベースメイクで肌の透明感を出し、中顔面短縮メイクで顔の重心をデザインする今、メイクの方向性は普遍的な美しさへの立ち返りへとシフト中。
眉に求められるのは奇抜さではなく、顔立ちのフレームとして知的なムードと立体感を支えること。明るいカラーでは叶えられない、骨格を際立たせる役割が重要になりました。
そこで注目したいのが、ナチュラルで洗練された“ブラウン眉”。王道ながら進化したブラウンは、ただ濃いだけでなく、毛流れに沿った柔らかい描き方と肌になじむニュアンスカラーで、眉自体が主張することなく、骨格や目元の立体感を自然に引き立ててくれます。
これからは、眉色で顔立ちを整えて、知性と洒落感をぐっと高める“洗練ブラウン”が2026年のトレンドの主役になりそうです」。

立体感と骨格を設計する“洗練ブラウン”
(左上から時計回りに) 透明感のあるグレージュ。セザンヌ アイブロウ&シェードパウダー 01 ¥693/セザンヌ化粧品(3月4日発売)、赤みを抑えたブラウン。ケイト デザイニングアイブロウ3D EX-14 ¥1210(編集部調べ)、彩度低めなトープニュアンス。ケイト 3DアイブロウカラーZ GY-3 ¥935(編集部調べ)/カネボウ化粧品(ともに1月24日一部数量限定発売)
【TOPICS4】重たくなった大人まぶたの救世主。“切り込みライナー”が来る!

上下まぶたのアイラインの入れ方を変えて、目ヂカラ復活!
「2年前に流行した“スワイメイク”。タイ語で“スワイ=可愛い・キレイ”を意味する言葉の通り、目尻に長めのアイラインを引いて視線を集めることで、誰でもキュッと美人見えするテクとして人気を博しました。
その発想を大人仕様にアップデートしたのが“切り込みライナー”。年齢とともに上まぶたが重くなり、せっかく引いたラインが埋もれてしまう問題を、描き方の工夫でクリア。上まぶたは黒目外側から目尻のみをスッと8mmほど長く、下まぶたは目頭から黒目外側までごく細く。
上下で役割を分担して“切り込む”ことで、まぶたの余白を自然に削れ、目幅が拡張。影を入れることで、シュッと切れ長な目元が復活します。大人の目ヂカラはアイライン次第! 切り込みライナーこそ、新たな定番になるはずです」。

切り込みライナーの必需品! 極細ジェルアイライナー
(上から)ほんのり血色感を帯びたミルクティーブラウン。キャンメイク クリーミータッチライナー 16 ¥715/井田ラボラトリーズ(2月5日発売)、程よく目元を締めるモーヴブラウン。カラーロックシャープライナー ショコラグレージュ ¥1650(セット価格)/ファンケル(2月17日限定発売)
【TOPICS5】ファンデは最小限に。ハイライト仕込みで“立体感先行ベースメイク”が来る!

下地の後にハイライト。塗る順番を変えるだけで、薄膜なのに美骨格!
「ベースメイクは、『下地→ファンデーション→コンシーラー』の順番が当たり前……そう思っていませんか? 2026年は順番をひっくり返す時代へ。下地の後に、まずハイライトで光と影のバランスを仕込むことで、隠す工程そのものがぐっと減り、ファンデの厚塗り感を自然と回避できます。
ポイントは、立体感がほしい場所に“戦略的に”光を置くこと。眉上、鼻根、小鼻脇、目尻下、口角などにさっと仕込めば、光が骨格を引き締めて見せ、ハイライトをのせた部分にはファンデがいらなくなるほど。
自然な陰影により、元から整っているような“薄膜美肌”が完成! 2026年のベースメイクは、カバーよりも造形。仕込みの順番が、美しさの常識を変えていきます」。

“立体感先行ベースメイク” を実現する透明感ブーストハイライト
(左から) 6色のパール入りハイライトがセット。セザンヌ ブレンドカラーチーク H1 ¥781/セザンヌ化粧品(3月3日発売)、柔らかな立体感を演出するピンクベージュ。ミネラルスティックチーク 08 ¥4180/MiMC(1月29日発売)、肌なじみ抜群の煌めきゴールド。ポール & ジョー フェイスカラー ハイライト 01 ¥4400(レフィル、コンパクトⅡ、ブラシセット価格)/ポール & ジョー ボーテ(1月5日発売)
監修/イガリシノブ〈BEAUTRIUM〉 撮影/野呂知功〈TRIVAL〉 取材・文/佐藤 梓 企画・構成/中島和美(MAQUIA)
公開日:

















































































