女性の生き方まで変えた天才デザイナー、モード界の寵児・イヴ・サンローランの波乱の人生を描いた衝撃作! 知られざる彼のダークサイドをフィーチャーした『サンローラン』。フランスを代表する美しき俳優たちが着こなす華やかなファッションにも注目です。
細部まで完璧に
再現された
衣装にうっとり
★今回のおすすめ新作映画★
『サンローラン』
監督/ベルトラン・ボネロ 出演/ギャスパー・ウリエル、ジェレミー・レニエ、ルイ・ガレル、レア・セドゥ、アミラ・カサール、ヘルムート・バーガー 公開/12月4日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国順次ロードショー © 2014 MANDARIN CINEMA - EUROPACORP – ORANGE STUDIO – ARTE FRANCE CINEMA – SCOPE PICTURES / CAROLE BETHUEL
<ストーリー>
1967年のパリ。デザイナーのイヴ・サンローランのスケジュールは過密を極め、プレッシャーからアルコールやドラッグに依存するように。1971年、インスピレーションを求めてモロッコへと旅立ったイヴ。ところが帰国後に開いた新作コレクションは物議を醸す…。
多くの映画で
取り上げられた
天才の波乱の人生
【松山 梢の女子ツボPOINT!】
あれ、この前やってなかった? そう思った方もいるかもしれません。なんせイヴ・サンローランの人生が映画化されるのはこれで3本目。1本目は2011年に公開され、イヴ・サンローランの公私にわたるパートナーだったピエール・ベルジェの視点から描いたドキュメンタリー版の『イヴ・サンローラン』。そして2本目は2014年に公開され、イヴ・サンローラン財団初の公認作品になったジャリル・レスペール監督版の『イヴ・サンローラン』です。実は製作が開始されたのは本作のほうが先だったそうですが、レスペール版はピエール・ベルジェの全面的なサポートを得たため、財団が所有する本物の衣装を使用することができたそう。
実際のお針子までも
登場させて
リアルを追求!
一方こちらは公認を取れなかったために衣装は提供されず、映画に出てくるドレスはすべてゼロから作ったもの。その苦労を思うだけで涙が出てきそうですが、公認版に対する強烈なライバル心が原動力となったであろうコレクションの再現度は見事。
“モンドリアン・ルック”や“ポップアート”コレクションで大ブレイクしたその後の激動の10年にスポットを当て、1971年に物議を醸した“解放コレクション”も再現。グリーンのファーコートや今年のクリスマスコフレにも用いられているキスマーク柄をあしらったコートなど、素材や縫製に至るまで正確さを追求してリサーチしたそう。
映画のためにドレスを縫製するアトリエを作り、実際に雇ったお針子たちに台詞を与えているシーンもあるので要チェック!
イケメン俳優
ギャスパー・ウリエルが
イヴを体当たりで熱演!
また伝記映画のスタイルを順守する必要のあった公認レスペール版とは違い、よりイヴの人生のハイライトを過激に描いているのが興味深いところ。アルコールやドラッグ、荒淫に走る破滅的なイヴには正直まったく共感できませんが、年に4つのコレクションを発表し、カトリーヌ・ドヌーヴやシルヴィ・ヴァルタンら著名人の衣装も手がけ、まるで一労働者のように次々デザインを描き続けなければならなかったプレッシャーや苦悩、犠牲の大きさが痛々しいほど描かれます。
イヴを体当たりで演じたギャスパー・ウリエルの美しさも必見♡ 彫刻のような美しい裸体を披露するだけでなく、「ヌードより緊張した」と言う男性同士のキスシーンも情熱的に演じています。『007スペクター』でボンドガールに抜擢されたレア・セドゥなど、フランスを代表する若手実力派俳優が集結。また往年のイヴを演じるのは名優ヘルムート・バーガー! 目にも鮮やかなファッションと俳優たちの麗しさを見れば、おのずと美意識スイッチがオンになります!
〈映画ライター/松山 梢〉
映画のヒロインに感情移入することでかろうじて「女」であることを維持している、三十路まっただ中のライター松山 梢です。自分に足りない女っぷりを向上すべく、そして美意識の高いマキアオンライン読者の女っぷりをさらにアップさせるべく、愛すべき女子向け映画&ドラマを紹介していきます!
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