多くの人の心に、記憶に残る演技を見せ続けてくれている有村架純さん。彼女を彩る様々な形容詞やキーワードから、もはや国民的ともいえるその存在感と、美しさの根源にあるものを探ってみました。
有村架純
たおやかな美の理由
「たおやか」
2010年に17歳でデビュー。現在30歳。佇まいも透明感も以前とまるで変わらないように思えるけれど、「みなさんと同じように、ふつうに歳を重ねていますよ」と笑う。
「しみもできるし、目尻のしわも増えましたよ。10代や20代の頃の肌質が懐かしいなと思うこともあります。でも人間って、そうやって歳を重ねていくものだから、そこに抗おうとすると違和感が出ちゃうかなと思うんです。なるべくゆるやかにエイジングしていくにはどうしたらいいのかということを、40代に向けて考えていこうと思いつつも、経験や人生観が深まるので、歳を重ねていけるのがすごく楽しい。学びも多いし、色んな人とこれまで話したことのないことを話せるようになったり。自然の流れの中で、ちゃんと学びをもらっているなという実感があります」
「心地よさ」
話題のドラマや映画にコンスタントに出演し続けている有村さん。忙しい日々を駆け抜けるためにも必要なことは、「食生活の見直し」に尽きるという。「息を抜ける時間を持って生活するということをきちんとしていかないと、と気づいたのは、実は1~2年前のこと。仕事を始めて10年以上、ただひたすらそのことだけ考えて、自分自身について気にかけたり、心の声を聞くことが疎かになっていました。仕事が少し落ち着いたタイミングで自分に向き合って、今何がしたいのかと問いかけた結果、日に一度はキッチンに立つようにしようと決めて、2021年の秋くらいからほぼ毎日自炊するように。30歳を迎えて疲れや不調、免疫の低下など今まで気づかなかったことをひしひしと感じるようになりました。これを食べると体がむくむとか、ビタミンを摂りたいときはこの食材とか、そういう豆知識的なものを取り入れつつ、ちょっといい調味料に頼ってみたり。食を通して興味の幅がものすごく広がったことも嬉しい発見でした」
ありむら かすみ●1993年2月13日生まれ。2010年にデビュー。2013年、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で注目を浴び、以来、世代を代表する俳優として、『映画 ビリギャル』『ひよっこ』『花束みたいな恋をした』など、数々の名作で主演を務める。本年度のNHK大河ドラマ『どうする家康』での、家康の正室・瀬名役としての名演も話題に。
MAQUIA10月号
撮影/伊藤彰紀〈aosora〉 ヘア&メイク/尾曲いずみ〈STORM〉 スタイリスト/後藤仁子 取材・文/通山奈津子 構成/木下理恵(MAQUIA)