栄養を意識して摂っているつもりでも、実際はほとんどムダになっているかも……。「MAQUIA」5月号では、素材を100%活かすテクニックをご紹介。今回は、貴重なタンパク源となる肉・卵・魚を活かす調理法をお届けします!
栄養まるごと、きちんと摂れていますか?
素材100%活かしテク&レシピ
教えてくれたのは…
管理栄養士 赤石定典先生
管理栄養士 濱 裕宣先生
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部所属。病院内の栄養食事指導に加え、本の出版など一般の食生活向上の普及に努める。
あなたはできてる?
素材活かし調理法 タンパク質編
Q 牛肉はどんな焼き方がベスト?
A ミディアムレア
仕上げは予熱だけで十分。
3分以上、火を通さないで
生活習慣病の予防や疲労回復、脂肪を燃やす働きを持つL-カルニチン。筋肉が多く、脂肪が少ない牛肉の赤身肉に豊富に含まれる。焼きすぎるとタンパク質が変性して硬くなり、消化吸収しづらく。肉内部が55〜65度以上にならないよう、強火で両面をそれぞれ1分ほど焼いたら予熱でレアに仕上げるのがポイント。
高温加熱でカルシウムやミネラル、ビタミン類を含む水分が40%も減少。お湯に入れコラーゲンが固くならない60度で低温調理を。
Q 豚肉のビタミンB1を守るためには、調理法はどっちがいい?
a豚しゃぶ b生姜焼き
A b生姜焼き
甘いものや、お酒が好きな人は
焼いた豚肉で肥満を防止
糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が豊富な豚肉。ゆでると50%以上が流れ出てしまうので、焼いたり、炒めるのがおすすめ。カロリーを気にするならビタミンB1をもっとも多く含み、低脂肪で高タンパクなヒレ肉を選んで。カリウムも豊富でむくみ対策にもなる。バラ肉は旨みが強いものの、脂質が多い。
豚肉のビタミンB1は玉ねぎと結びつくと吸収が10倍に! 玉ねぎは水にさらしたり、加熱しないで生のまま添えるのがポイント。
Q 卵の加熱レシピ、ビタミンDが最も多く摂れるのはどれ?
a 半熟卵 b 目玉焼き c スクランブルエッグ
A a 半熟卵
熱を加えて吸収力アップ
でも加熱しすぎはNG
卵は必須アミノ酸やビタミンB群、ビタミンA、D、E、Kなどがバランスよく含まれるが、急に高温で加熱するとビタミン類が減少。ビタミンDは最大40%もダウンする。低温調理で半熟にするのがおすすめ。スクランブルエッグにする場合、脂溶性のビタミンDは油に溶けて一緒に飛び散るため、必ずフタをして調理を。
加熱すればするほど酸化するので、半熟がベスト。生のままだとビタミンDの吸収率は約50%なので加熱を。
Q 鮭のアスタキサンチンを最も守る食べ方は?
a 西京焼き bフライ c塩焼き d ホイル焼き
A bフライ
衣で閉じ込めて調理すれば
ほぼそのまま摂取できる
鮭に含まれる赤い色素、アスタキサンチンは抗酸化力が強く、疲労回復や美肌の効果が。普通に加熱調理すると2〜4割減少するが、小麦粉やパン粉をつけてコーティングすることで9割キープできる。また、捨ててしまわれがちな皮の周りにはコラーゲンやDHA、EPAが豊富。身と一緒に衣で閉じ込めて、残さず食べる習慣を。
トマトも抗酸化力が高いので組み合わせることでより効果がアップ。また、トマトがフライの後味をさっぱりとさせてくれ、味の相性も抜群。
Q 骨付き鶏肉のカルシウムを1.8倍にする調味料は?
a しょうゆ b みりん c 酢
A c 酢
骨のカルシウムが溶け出し
コラーゲン量も増える
酢と一緒に煮ることで、カルシウムの量が1.8倍以上に。さらに美肌に欠かせないコラーゲンも通常の1.4倍にアップする。また鶏肉と酢の組み合わせは、ビタミンAのほか、リノール酸なども摂れるので、ダイエット中の栄養補給にもぴったり。骨付きの肉は細胞が壊れにくく、時間が経ってもやわらかいまま味わえるのがうれしい。
骨から溶け出たカルシウムを余すことなく食べるなら、スープが一番。冷凍しめじを加えるとグルタミン酸も2倍になり、旨みもより強くなる。
MAQUIA 5月号
撮影/山下みどり スタイリスト/中野径恵 料理制作/梶山葉月 取材・文/中木 純〈デジタルライツ〉 企画/萩原有紀(MAQUIA) 撮影協力/UTUWA
【MAQUIA5月号☆好評発売中】