「MAQUIA」8月号から、松本千登世さんと神崎恵さんの初めての往復書簡を交えた色気論を大公開。
2大女性観察の名手
松本千登世・神崎 恵が分析する
女だからこそ身につけておきたい
「色気の正体」
人気アーティストが生み出す女性像に、センシュアルや色っぽいという言葉が当たり前に登場するようになって早3年、今では色気がある=魅力的な女性を謳う代名詞に。そんな主役に躍り出た“色気”の正体を、多くの女性たちを考察し続ける松本千登世さんと神崎恵さんが往復書簡を交え、それぞれの視点で、今の気分にふさわしい色気論を語ります。
松本さんから神崎さんへ
Q 「年齢を重ねても色気を失わないために必要なことは?」
A 毎日毎晩、自分が女であることを確認する時間をもつことを大切に
1日の終わりに、「女に戻る」時間をとることです。そして、「女でいたい」という自分の中のサインを受け入れること。ひとりでも十分に生きていけてしまう今の時代、女はいつだって男になれてしまう気がする。やり甲斐や手に入れたいものに向かって戦っていると、自分が女であるということを体も心も忘れてしまう。だからこそ、例えばうっとりするようなシルクレースのランジェリーやドラマティックな口紅を纏って女に戻るという時間を大切にしています。
そして、時々のぞかせる嫉妬や痛み。それは自分がまだ女でいたいという合図。そんな気持ちを感じたときもまた、丁寧にスクラブをかけたり、新しいファンデーションを迎えいれたりと、自分という女を美しくしてあげるようにしています。自分が女であるということを自覚する。これこそ女の色気というものに必須なことと実感しています。from恵
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゛清く正しく美しい色気は、意志と手間が紡ぎ出す〞を体現する人
赤のルージュをひいたとき。愛する男性と出会ったとき。思えば、女は「女に生まれてよかった」と思う瞬間に最高の色気を放つのかもしれません。女に生まれたことに胡坐をかく瞬間を神様は逃さず見ていて、即座に色気を奪い去る。だから、毎日、女でいたいという意志と女に戻る手間を積み重ねることが大事……。ただ、恵さんが言うように、「男になれてしまう」からきっと、自分を客観視できる。だから行き過ぎない、ほったらかさない、絶妙なさじ加減が叶うのでしょう。見せかけや小手先じゃない、清く正しく美しい色気は、そうして紡がれる気がします。from千登世
神崎さんから松本さんへ
Q 「松本さんが色気を感じる女性、仕草など教えてください」
A 「寿司屋に連れて行きたい女性」が最高に色っぽいと思っています
私がもし男性だったら、「この人」とお寿司屋さんに行きたいと思うだろうなあ。最近になって気づいた、私の「色気」の基準です。髪も肌も、艶っぽいのに作り込んでなくて。メイクは、7掛けくらいのバランスで、不思議と全体の均整が取れている。手爪は清潔に整えられていて、香水ではないいい匂い。颯爽と歩くのに、不思議と音は静か。座ったとき、立ち上がったとき、後ろ姿を気にかけて、見えないところで着こなしと姿勢をさらりと正す。そして、美味しそうに食べ、幸せそうに笑う……。一緒にいると、自分まで美味しくなる、幸せになる。そんな女性に、そんな立ち居振る舞いに、抗えない磁力を感じるのです。from千登世
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主張しすぎず、でも品があって印象に残る、そんな女性に私もなりたい!
「お寿司屋さんに一緒に行きたい女性」。それだけで、その艶っぽさが十分すぎるほど想像できます。決して前にでるわけではないのに、確実にじわじわと心に侵入してくる感じ。全身から声にわたるまでの質感はしなやかで、透明で、なめらか。涼やかだけれど、ちゃんと心地よく温まる温度がある。笑うと鈴のような愛らしさ。そばにいるとなんとも心地よく、清々しい気持ちになる「幸せのにおいのする女」。ただ綺麗な女より、そんな風にずっと色っぽく愛したい女に私もなりたいと思います。 from恵
MAQUIA8月号
撮影/增田勝行〈SIGNO〉 ヘア&メイク/KUBOKI〈Three PEACE〉 スタイリスト/後藤仁子 モデル/泉 里香 構成・文/若菜遊子(MAQUIA)
【MAQUIA8月号☆好評発売中】