東京・銀座の銀座メゾンエルメス ル・フォーラムにて、アルメニア/リトアニアのアーティスト・作曲家であるアンドリウス・アルチュニアンの日本での初個展となる「Obol」が開催中。

アンドリウス・アルチュニアン|《Below ( For the Ones That Murmur)》|2024年| 瀝青、タール、鉄、木綿、5チャンネルサウンド |Courtesy of the artist Photo by Dat Bolwerck, Zutphen
アンドリウス・アルチュニアンは第59回ヴェニス・ビエンナーレ(2022)において、アルメニア・パビリオン代表、また、第14回上海ビエンナーレ、第15回光州ビエンナーレ、第17回リヨン・ビエンナーレに参加するなど、精力的な活動を行っているアーティスト・作曲家。
「時間」を、粘性をもつ催眠的な力として扱ってきたアルチュニアン。音楽を「歪んだ時間の建築」と捉え、ヴァナキュラーな実践、思弁的な儀礼、そして政治的同調と音の調和のあいだのパラレルな関係を探求し続けています。
ル・フォーラムでは、冥界の未来的なヴィジョンを想像。あらゆる文明は、儀式、神話、図像を通して、今世と来世のどちらの生をも統御する方法を生み出してきました。秘教的文献、神話の断片、トランス、消失の象徴が「地下レイヴの美学」を通して立ち現れる本展は、「冥界者のためのクラブ」として、時間・未来・神話についての問いを投げかけます。

アンドリウス・アルチュニアン|《Geryon & Herakles》| 2025年 | ネオン | 60 x 40 cm | Courtesy of the artist Photo by Kunstraum Memphis

アンドリウス・アルチュニアン|《Synthetic Exercises》| 2023年 | タール、瀝青、金属、4チャンネルサウンド | サイズ可変 | Courtesy of the artist | Photo by Jonas Balsevicius
「Obol」は、一連の新作によって構成。
かつては聖性を付与されながら、現代では世俗的用途に転用されている物質「瀝青」を制作に用いるアルチュニアン。
本展は、この極めて粘性が高く漆黒な石油由来の物質である瀝青をイメージの起点に、冥界の渡し守カロンの神話や、古代の宗教から語り継がれる神格へとオマージュを捧げるもの。アルチュニアンが創出する重層的な音像は展示空間を横断しながら全体を結びあわせ、遊戯性と厳粛さを兼ね備えながら、冥界に冷ややかなアンセムを響かせます。また儀礼的触媒として空間に布置されたカロンへの渡し賃の銀貨オボルや蛇、生成的な神話的図像が、未来の冥界における儀式を想起します。

アンドリウス・アルチュニアン | 《Under the Cold Sun》| 2024年 | 鏡、スポットライト、タイマー、4.1チャンネルサウンド、ドローイング7点 | Courtesy of the artist | Photo by Kunstmuseum Magdeburg
思弁的で瞑想的な本展を通して、アルチュニアンの向かい合う未来の冥界のための儀式に触れ、その儚い境界の旅へと足を踏み入れて。
アンドリウス・アルチュニアン「Obol」
会期
2026年2月20日(金)~2026年5月31日(日)
開館時間
11:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日
水曜日
入場料
無料
会場
銀座メゾンエルメス ル・フォーラム 8・9階(中央区銀座5ー4ー1)
主催
エルメス財団
協力
東京日仏会館、モンドリアン基金、東京日仏学院、リトアニア・カルチャー・カウンシル
公開日:
























































































