恋に不器用で、でも情熱は人一倍。52歳でついに「この人だ」と思える相手と出会い、10日で結婚を決めた梅宮アンナさん。センセーショナルに取り上げられた恋愛や1年で終わった一度目の結婚、そして二度目の結婚をした今の想いを、飾らない言葉でじっくり語ってくれました。

梅宮アンナ、梅宮アンナさんの恋愛・結婚観、梅宮アンナインタビュー

梅宮アンナ

モデル・タレント

梅宮アンナさん

1972年8月20日生まれ、東京都出身。1992年、スカウトをきっかけに芸能活動をスタート。ファッション誌『JJ』のモデルとしてブレイクし、バラエティ番組やドラマにも出演するなど幅広く活躍。2002年、長女を出産。2024年8月に乳がんを公表し、以降、自身のSNSやさまざまなメディアを通して自身の経験を発信している。2025年5月、アートディレクターの世継恭規氏と結婚。

傷つきながらも恋に向かってしまう性分

梅宮アンナ、梅宮アンナインタビュー、過去の恋愛について

──今年5月、アートディレクターの世継恭規さんと二度目のご結婚をされました。過去には恋愛がセンセーショナルに報じられこともありますが……実際はいかがでしょうか?

梅宮アンナさん(以下、梅宮さん)
:24年前に初めて結婚し、翌々年に離婚。その後の22年間は独身で、恋人がいた時期もあるけれど、10年くらいは誰とも付き合っていませんでした。だけど、なぜか世間からは、“恋人が絶えない恋多き女性”と思われがちなんです。旦那さんも、そう思っていたみたい(笑)。

私は昔から一貫して、変わった人が好き。私にとって、真面目な人はつまらないんです。だから痛い思いをするのは当然で。ワクワクやドキドキを感じられる人と恋に落ちては、泣いて傷ついて孤独になって、地球の外に弾き飛ばされたような深い悲しみを何度も経験した。そんな恋ばかりしてきましたね。

失恋を乗り越えるには、自分と向き合うしかない

梅宮アンナ、梅宮アンナインタビュー、失恋の乗り越え方

──過去の恋愛の中で、特に印象に残っているのは?

梅宮さん
:やっぱり、芸能界に入った頃の恋愛ですね。皆さんもご存じの……。交際期間も5年間と長かったし、「彼を支えるために私が稼ぐ!」っていう気持ちで、がむしゃらでした。いろんなことを犠牲にしたぶん、終わってから傷が癒えるまでに時間がかかりました。

私は失恋すると、立ち直るのに付き合った年数と同じ時間がかかるんです。つまり、5年付き合えば5年かかる。新しい恋で上書きする人もいるけれど、私は自分の気持ちにきちんと落とし前をつけないと次に進めない性格。じっとしているとウジウジ考えてしまうから、重い腰を上げて旅に出たり人と会ったり、いろんなことをしましたね。

中でも良かったのは、山登り。黙々と山を登りながら、別れの原因や自分の悪かったところを思い返して反省するんです。そうすると、同じことを繰り返さないためにも自分を鍛え直さなきゃ!という気持ちになれる。

山登りでは収まらず、サハラ砂漠の耐久レースに参加したこともありました。1週間、自給自足で砂漠を250キロ走る過酷なレースで、価値観が大きく変わったのを覚えています。帰国後に「壁がある部屋もトイレットペーパーも、全てがありがたく感じる!」と父に伝えたら、「毎年行ってこい」と言われました(笑)。

ずっと、自分は結婚に向かないと思っていた

──仲良し夫婦として有名だった、ご両親のような関係に憧れたことはありますか?

梅宮さん:なかったですね。私の母は父に全てを頼り、父もそんな母を可愛いがる関係だったので。一方で私は、男性に甘えるのが大の苦手。男性から「送っていくよ」と言われても「大丈夫です。自分で帰れますから」と突っぱねてしまったり、男性を立てるために褒めることができなかったりして、全くと言っていいほど男性にモテませんでした。

男性に甘えたくない理由は2つあって、ひとつは私のプライド、もうひとつは別れられなくなる不安。経済的にも精神的にも相手に依存してしまったら、傷つけられても、すぐに別れられないじゃないですか。ひとりでも生きていけるように働いて稼ぐことを大事にしていたら、結婚って何のためにするんだろう?という疑問がどんどん強くなっていきました。

私には結婚は必要ない。そう思い込んでいた私が変わったキッカケは、乳がんでした。病院の待合室でご夫婦を見たときに、初めて「夫婦っていいな」と思ったんです。病院に付き添ってくれる人がいることを羨ましく思ったのと同時に、今まで感じたことのない心細さと寂しさが押し寄せてきて……。病気になっていなかったら、多分、結婚していなかったんじゃないかな。

出会って10日間で結婚した彼は、感性が似ている人

梅宮アンナ、梅宮アンナインタビュー、結婚について

──世継さんとは、共通の友人を通じて知り合ったそうですね。

梅宮さん
:そう。友達に紹介したい人がいると言われて、会う前に彼のSNSを見てみたら、感性が私と似ているな!と直感して。ただ、最初は疑ってばかりいました。過去の恋愛で結婚しているのを隠されていたことがあったから、「本当は結婚しているんじゃないの?」と何度も問い詰めちゃった(笑)。

彼と時間を共にするなかで、好きなものも嫌いなものも不思議なくらい一致して、“やっと出会えた”と思った。10日後に「結婚しよう」と言われたときは、さすがに驚いたけど……断る理由がなかったんですよね。

結婚してからは、8回もハネムーンに行ったり、ケンカと仲直りを繰り返したり、20代、30代よりも元気に恋愛しているかも(笑)。出会って初めての誕生日には、彼が自分で作った動画をプレゼントしてくれて。そんな経験初めてだったし、どんな高価なジュエリーよりも嬉しかったです。

──22年ぶりに再婚されて、結婚について新たな発見はありましたか?


梅宮さん:最初の結婚をしたときは28歳と若かったし、結構生活も1年と短かったので、改めて「結婚」「夫婦」というものを一から学び直しているところです。今更ですが、結婚と交際って全然違いますね! 夫婦関係を例えるならば、プロレスみたいな感じ(笑)。

プロレスのリングはロープで囲まれていて、相手を突き飛ばしても跳ね返ってきますし、試合は簡単には終わらない。そうやって相手の良いところも悪いところも知って、違いを擦り合わせながら、夫婦になっていくことが結婚なんだと思います。

今、私は53歳で彼は60歳。私は乳がんを、彼は脳梗塞や糖尿病を経験していて、私たちの寿命はせいぜい20、30年でしょう。その残された20、30年をかけて、じっくり夫婦になっていこうね、と彼と話しているんですよ。私個人の課題は、彼に頼ること。頼られると嬉しい気持ちもわかるので、少しずつですが練習しています。

梅宮アンナ、梅宮アンナインタビュー、梅宮アンナの恋愛観

──過去に何度も傷つきながら、それでも人を愛することを諦めなかった梅宮さんにとって、恋愛とは?

梅宮さん
:誰かを愛したいという気持ちは、情熱以外の何ものでもないと思う。私は、情熱の熱量が人よりも高いタイプなんだよね。よく泣くし、よく怒るし……でもね、そうやって感情的になるのって決して嫌いじゃないし、人が成長するために大事なことでもあると思うんです。

どんなに人からバカだアホだと言われても、私はいつも一生懸命だったし、そうやって成長してきた今の自分が好き。だから、どの恋愛にも後悔は一切ありません。改めて振り返ると、どれも可愛い恋愛だったな、と笑えるんです。今がいいと、過去もよく思えるから。

これだけ熱弁しておきながら、スピード離婚しちゃったらどうしよう!(笑) まあ、その時はその時だよね。未来のことはわからないけれど、「彼と一緒に幸せになりたい」という今ある気持ちを、ずっと大事にしていきたいです。

衣装/すべて本人私物

撮影/浜村菜月(LOVABLE) ヘア&メイク/薄葉英理(ロセット) 取材・文/中西彩乃 構成・企画/有住美慧(MAQUIA)

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