2024年に乳がんを公表し、現在も治療を続けている梅宮アンナさん。心や体の変化や日々の葛藤、そして美しさや健やかさにつながる、自分と丁寧に向き合うライフスタイルについて伺いました。

梅宮アンナ、梅宮アンナさんの美学、梅宮アンナインタビュー

梅宮アンナ

モデル・タレント

梅宮アンナさん

1972年8月20日生まれ、東京都出身。1992年、スカウトをきっかけに芸能活動をスタート。ファッション誌『JJ』のモデルとしてブレイクし、バラエティ番組やドラマにも出演するなど幅広く活躍。2002年、長女を出産。2024年8月に乳がんを公表し、以降、自身のSNSやさまざまなメディアを通して自身の経験を発信している。2025年5月、アートディレクターの世継恭規氏と結婚。

自分の感覚に忠実に生きていたから、がんの治療中も心や体の変化に敏感でいられた

梅宮アンナ、梅宮アンナインタビュー、インナーケア

──乳がんの治療を続ける中で、美容やインナーケアに対する意識は変化しましたか?

梅宮アンナさん(以下、梅宮さん)
:劇的に何かが変わった、という実感はなくて。というのも私は、スキンケアは特にこだわりなく、市販のものをその日の気分で使っていますし、化粧を落とさずに寝てしまうこともしょっちゅう(笑)。どちらかというと、自分がいかに心地よくいられるかを大切にしてきました。

自然体でいることが好きなので、若い頃からずっと早寝早起きの生活です。朝5時に起き、夜は9時にはベッドへ。お日様のリズミに合わせて共に動くと、本当に気持ちがいいんですよ。そんなふうに自分の感覚に忠実に過ごしてきたからこそ、治療中も心や体の変化に敏感でいられました。日々、自分と丁寧に向き合うライフスタイルこそが、美しさにも健やかさにもつながると信じていますし、私の美学でもあります。

治療中に体重が15キロ増量。むくみも重なって全身がパンパンに

──リンパ節の摘出や薬の副作用によって全身がむくんでしまい、とてもつらい時期があったそうですね。その際は、どのようにケアしていましたか?

梅宮さん
がん闘病者=痩せている、というイメージを持つ人が多いと思うのですが、私の場合は治療中に15キロも増えたんです。抗がん剤治療は体力勝負と言われたこともあり、たくさん食べるようにしていたから。太った上にむくみが重なり、全身パンパンに! 特に脚の腫れがひどく、鏡を見て思わず“これが私の脚?”とショックを受けました。

むくみを和らげるために、ウォーキングやマッサージなどいろいろ試した中で、特に効果を感じたのが半身浴です。湯船に浸かった瞬間に、水圧でだるさがスッと和らいで。体を温めて発汗すると傷の治りも早くなると聞き、1日に2回はお風呂に入っていました。

投薬治療が始まってからは、薬の作用で体の水分などが排出されるようになり、むくみも改善。必要な栄養素まで排出されてしまうそうで脱力感もありましたが、補う薬を飲み始めてからは、爽快! という感じ(笑)。体がどんどん軽くなっていき、今は治療が始まる前とほぼ変わらない体重に。

治療の副作用で生理がなくなり、少し寂しくなっちゃいました

梅宮アンナ、梅宮アンナインタビュー、乳がん治療、更年期障害について

──ホルモン治療によって更年期障害の症状が出たとも発信されていました。更年期特有の症状には、どのように向き合っていますか?

梅宮さん
:ホルモン治療によって更年期障害の症状が出るケースがあるらしく、私も一時は暑くて暑くて仕方がなかったり、関節が痛んだりしたのですが、今はすっかり治まりました。


私、がんの治療を始めるまでは普通に生理があったんです。女性は抗がん剤治療をすると一時的に生理が止まるのですが、私は閉経する年齢だから、生理は戻らない可能性が高いと言われて。急に生理とお別れすることになり、もう生理用品を買うことはないんだ……と少し寂しくなっちゃいました。

告知より公表後のほうがつらかったときも。それでも、SNSの発信で元気になれた

梅宮アンナ、更年期、乳がん治療の副作用について

──体の痛みや不調に加えて、精神的なストレスも大きかったのではないでしょうか。メンタルケアは、どのようにしていましたか

梅宮さん:私の場合、がんを告知された時は「私の番が回ってきたな」という感覚で、割とすんなり受け入れられました。それよりも、公表後に「アンナちゃんなら大丈夫」「今はがんが簡単に治る時代だから」などの言葉をかけられたことの方がつらかった。私を励まそうとする気持ちはありがたいんだけど……プレッシャーに感じてしまったんですよね。

でも、その感覚って、がんになったからわかったこと。がんの人にどんな声をかけるべきか、どんなふうにケアするべきか、学ぶ機会がないから仕方ないんです。ならば、私が発信していこう!という使命感にも似た意識が芽生えて、積極的にSNSで投稿するようになりました。

ウィッグや医療用ブラジャーに関する情報発信も、その一環。髪が抜け落ちた時も悲しかったけれど、それ以上に、ウィッグの選択肢の少なさに驚愕しました。人毛を使った上質なものは数十万円もするし、安価なものは見た目がチープ。そんな悩みを発信していたら、手頃な価格で人毛のウィッグを作っている小さな会社が連絡をくださったんです。

こんな素晴らしい会社があるなんて! と感動し、その会社について投稿したら、日本全国から問い合わせがあったそう。もともと人に尽くすことが好きな性格上、たくさんの反響をいただく中でやりがいを感じ、私自身、精神的にもポジティブな影響を感じています。

今の目標は、モデルとして復帰すること。ファッションの表現が好き

梅宮アンナ、梅宮アンナインタビュー、ハネムーンについて

──今年5月にはご結婚され、ハネムーンで水着を着たことをご報告していらっしゃいました。梅宮さんのパワフルでエネルギッシュな投稿は、たくさんの人に勇気を与えているはず。

梅宮さん
:胸がなくなる前は、パッドを入れないとフォルム的におかしくなるかな?と想像していたんですけど、意外とそうでもなかったんですよね。パッドを入れるとズレてしまって不便ですし、何より、ありのままでいないと、自分が自分じゃないような感覚があって。“正々堂々としていよう、見たい人は見ればいい!”と思い切って着ました。

今後の目標は、モデルとして復帰すること。お洋服を着て表現することが今も変わらず好きなので、機会があれば、ぜひ挑戦したいです。ちょこちょこ発信しているんですけど、まだお声がかからなくて(笑)。お誘い、お待ちしています!

衣装/すべて本人私物

撮影/浜村菜月(LOVABLE) ヘア&メイク/薄葉英理(ロセット) 取材・文/中西彩乃 構成・企画/有住美慧(MAQUIA)

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