Netflix映画『10DANCE』で「ダンスの帝王」を演じた町田啓太さん。かつてプロダンサーを目指していた町田さんにとって、運命を感じさせる特別な役だったといいます。練習漬けの日々で葛藤しながらも、努力の先にある楽しさを信じて歩み続けた撮影期間。ストイックな姿勢の裏側にある温泉好きな一面、日々のケアまで──今の町田さんの素顔に迫ります。

町田啓太 インタビュー 10dance Netflix

町田啓太

町田啓太さん

1990年7月4日生まれ、群馬県出身。2010年にデビュー。近年の主な出演作に大河ドラマ『青天を衝け』『光る君へ』や映画『ミステリと言う勿れ』などがある。Netflixシリーズ「グラスハート」でギタリスト・高岡尚役で出演。待機作に連続ドラマW池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」の第1話『十年目のクリスマス』、Netflixシリーズ「九条の大罪」などがある。

プロダンサーを諦めた当時の自分のために引き受けた

町田啓太 インタビュー Netflix 映画 10dance

——竹内涼真さんは、練習に臨む町田さんの姿勢から強い刺激を受けたと語っていました。役作りにおいて、ストイックに向き合い続けられる理由を教えてください。

町田さん:やるしかないからです(笑)。作品作りに関わっている人間の「あるある」なのかもしれませんが、ストイックにやり遂げた先に楽しさがあるのがわかっているから、その楽しさを感じたくて頑張れてしまうんですよね。

『10DANCE』に関して言えば、僕自身がもともとダンスをやっていて、プロダンサーを目指していた過去がありました。プロになる夢は途中で諦めたものの、こうして巡り巡ってオファーをいただけたことに運命のようなものを感じたんです。

だからこそ当時の悔しさを抱えていた自分のためにも、この役はしっかり向き合ってやり遂げようと思いました。あと、大変な役に取り組むのも期限が決まっているから頑張れるというのもあるかもしれませんね。一生続くなら、僕だってできませんよ(笑)。

——町田さんが演じる杉木信也は、完璧を求めるあまり苦しくなってしまう瞬間の多いキャラクターです。町田さんご自身にも、似たような経験はありますか?

町田さん:たくさんあります。今回の撮影自体が、まさにそういう瞬間の連続でした。ダンスは高みを目指そうとすると終わりがない世界で、実際指導してくださった先生方も今なお努力を続けていらっしゃいます。数カ月の練習で完璧になれないことはわかっていても、少しでも理想に近づきたいからこそもどかしくて、思うように上達しない自分にイライラしてしまうこともありました。苦しかったですね。


町田啓太 Netflix 映画 10dance

——では、ストイックな役柄に重なる部分はあったのですね。

町田さん:「杉木のことがすべてわかる」という感じでした。重ねすぎてしまい、練習や撮影中はピリピリした雰囲気を出してしまっていたかもしれないです。先生たちもすごく困っていたと思うので、それは申し訳ないことをしたなって(笑)。ちょっと想像してみてください、「今からバレエダンサーになって」と言われて、できると思いますか?

——絶対にできないです。

町田さん:僕と竹内くんは、本当に今からダンサーになってくださいと言われたような感覚だったんです。だからこそ大変でした。しかもダンスと一口に言っても、ジャンルによって表現の意味合いはまったく違う。例えばワルツなら、求愛や愛の葛藤を表すもの。そこまで含めて表現しなければいけないうえに、役柄として踊っているように見えなければ、どれだけ上手でも成立しない。そのあたりが二重にも三重にも難しかったですね。さらに踊りながらセリフを言ったり、指導するシーンもあったり……まさにてんやわんやの連続でした。

時間ができたら温泉で長風呂してリラックス

町田啓太 インタビュー ポートレート 10dance Netflix

——お忙しい日々をお過ごしと思いますが、オフの時はどのように過ごされていますか?

町田さん:僕、群馬出身で伊香保温泉や草津温泉が近かったので、温泉は好きですね。皮膚がふやけるくらいのんびり入ります。朝風呂も好き。寒いって言いながら入るのがまたいいんですよね。温泉旅行に行くと、朝から晩まで何度も温泉に浸かるタイプです。

——普段、心身の調子を整えるためにされていることはありますか?

町田さん:体を動かすのは好きです。体を動かすと調子がよくなりますし、日常的にトレーニングもしています。でも歳を重ねるにつれて、メンテナンスも必要だなと感じるので、整体にも欠かさず通うようにしています。

30歳を超えた頃くらいからかな、ケアも意識するようになりました。マイトレックスのマッサージガンを愛用していて、それこそ『10DANCE』の撮影中は手放せなかったですね。ちょっと空き時間ができるとずっと体に当てていました。イギリス撮影の時も持参して、飛行機の中でさえ使ってました。

——他にも長期ロケや旅行に必ず持っていくものはありますか?

町田さん:枕! 自分の首の高さなどを測って作ってもらったオーダーメイドのもので気に入っています。もう、それがないと寝られない。まさに必須アイテムです。

——健康のために食べているものはありますか?

町田さん:栄養バランスは常に気をつけています。でも、僕甘いものも実は大好物なんです。これでもかというくらい食べてしまうことも。甘いものはすべてウェルカム。和菓子も洋菓子も大好きです。

——では、最後にご自身のチャームポイントを教えてください。

町田さん:なんだろう……めちゃくちゃでかい手かな。劇中では、この大きな手を象徴的に撮ってもらっています。ぜひ手の表現にも注目してみてください。

Netflix映画『10DANCE』

Netflix映画 10DANCE 竹内涼真 町田啓太

2025年12月18日(木)よりNetflixにて世界独占配信

出演:竹内涼真 町田啓太 土井志央梨 石井杏奈ほか
原作:井上佐藤『10DANCE』(講談社『ヤングマガジン』連載)
監督:大友啓史
脚本:吉田智子 大友啓史
企画・制作:Netflix

ジャケット¥206,800、シャツ¥129,800、パンツ¥217,800、シューズ¥113,300/エンポリオアルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070)

撮影/黒沼諭 ヘア&メイク/Kohey スタイリスト/石川英治 取材・文/高田真莉絵

公開日:

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