約200年の歴史を誇るゲラン。今回はゲランの専属調香師 デルフィーヌ・ジェルクさんのスペシャルインタビューをお届け。「どんなに多くの人がいい香りだといっても、自分がそれを好きじゃなかったら意味がない」、そう語るデルフィーヌ・ジェルクさんに、ゲランの香水のコンセプトや魅力を伺いました。
「ゲラン」専属調香師へのスペシャルインタビュー

ゲラン専属調香師&フレグランス クリエイション ディレクター
デルフィーヌ・ジェルクさん
パリのファッション学校でデザインを学ぶも、その後香りの世界へ。香料会社にて調香の経験を積む。ゲランのために手がけた若い女性向けの香りが大ヒットし、2014年よりゲランの調香師に。
約200年の歴史を通し、革新的であり続けることがゲランの伝統

今回が初来日。「日本の香水文化が想像以上に成熟していて嬉しい驚き」と語ってくれた。
「約200年の歴史を誇るゲランですが、常に革新的であり続けてきたことこそが、メゾンを成功に導いたのです」。そう語るデルフィーヌ・ジェルクさん。
「今年100周年を迎えた“シャリマー”も、ヴァニラをふんだんに使い、当時としては大胆な発想から生まれたフレグランス。現在もトップセラーで私も大好きですが、現代の女性がつける香りとしては多少アジャストが必要。そこで新しい“シャリマー レソンス”は、その『魂』を大切にしながら、『今』にふさわしい香りにしています」
一方で、デルフィーヌさんの自由な発想がいかんなく発揮されているのが、素材へのこだわりをアートというべき香りに昇華した、“ラール エ ラ マティエール”コレクションだ。
「ひとつの香料からスタートして、そこに何かサプライズ、コントラストがあることがコンセプト。そこからエモーションが生まれることも大切で、これを創ることで何をもたらすことができるか自問自答しているからこそ、面白い香りができるのだと考えています」
最後に、日本の女性たちへのメッセージも。「香りはパーソナルなもの。どんなに多くの人がいい香りだといっても、自分がそれを好きじゃなかったら意味がないし、人の心も動かしません。自分の『好き』に忠実に、心地いいと感じる香りを纏えば、それはきっと周囲の人にも気持ちよく受け入れてもらえますよ」

ファッションも学んだデルフィーヌさんらしく、創作にあたってはイメージを視覚的に表現したムードボードを作る。

ゲランの香りをその香りたらしめる、象徴的な6つの素材「ゲルリナーデ(ローズ、ベルガモット、ジャスミン、ヴァニラ、アイリス、トンカビーン)」をはじめ、極上の素材を惜しみなく使い芸術へと昇華したコレクション、“ラール エ ラ マティエール”。
デルフィーヌさんはヒット中の近作“ベチバー フォーヴ”をはじめ、同コレクション中14点の香りを手がけている。
MAQUIA 1月号
取材・文/巽 香 構成/火箱奈央(MAQUIA) 写真提供/ゲラン
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