10月18日に記念すべき70歳の誕生日を迎える郷ひろみさん。1972年のデビューから現在に至るまで、時代を超えてエンターテインメント界の第一線で活躍し続けてきたトップランナーに、ご自身の美にまつわる歴史を振り返っていただきました。

- 10代―アルバムのジャケット撮影でもノーメイク。歌や踊りが少しでもうまくなりたかった
- 20代―金髪にしてみたり、濃いメイクにチャレンジしたり。トレーニングにも励みました
- 30代―“バラード3部作”との出会い。本質的な美しさを追求し、スキンケアを大切にするように
- 40代―内側のケアが見た目の美しさにつながると知り、生活習慣を変えました
- 50~60代―お酒をやめて、体のバランスをとるため(!?)右利きを左利きに
- 70歳―「こう見られたい」は考えない。体を鍛えることも歌うことも、ただ好きだから

1955年10月18日生まれ、福岡県出身。1972年に芸能界デビュー 。同年8月、『男の子 女の子』で歌手デビュー。『お嫁サンバ』、『GOLDFINGER'99』など数々のヒット曲を世に送り出す。2025年10月18日と19日に日本武道館にて『Hiromi Go at Nippon Budokan 2025 “THE GREATEST 70 SONGS”』を開催。11月30日からは『Hiromi Go Dinner Show 2025』が行われる。
10代―アルバムのジャケット撮影でもノーメイク。歌や踊りが少しでもうまくなりたかった

「僕がデビューしたのは16歳の時。当時は、ヘアメイクという職業が今ほど確立されていなかったんです。テレビに出る時は局のヘアメイクさんがいてくださったけれど、それ以外の、たとえばアルバムのジャケット撮影をする時なんかはメイクしていなかったんじゃないかなぁ? 10代の頃の僕は、歌もきちんと歌えないし、踊りもできていないという“ないないづくし”で」(郷ひろみさん、以下同)

「デビューして2年、3年と経って置かれている状況がわかってくるにつれて自分に足りないものに気がついて、『少しでもうまくなりたい』という気持ちが芽生えていきました。あの頃の僕を突き動かしていたのは、その思いだけだったような気がします」
20代―金髪にしてみたり、濃いメイクにチャレンジしたり。トレーニングにも励みました

「今でこそ世界中の音楽が親しまれているけれど、僕が20代の頃はアメリカで発売されたレコードが3カ月遅れて日本に入ってきていた時代。だから、多くの人がそんなふうになかなか手に入らないものに憧れることは、ごく自然な流れだったんです。
僕も『自分の歌やダンスを立て直したい』という思いで、19歳か20歳の時に初めてアメリカにレッスンを受けに行きました。でも、1年や2年続けていても、簡単には変わらない。そんな自分に少しでも変化が欲しくて、デヴィッド・ボウイを真似て金髪にしてみたり、濃いメイクにチャレンジしたりしていました。
体力作りを始めたのは20代後半。当時はまだジムが東京にひとつくらいしかなくて、僕はそこに通う時間もなかったので、マシンを買って自宅で見様見真似でトレーニングに励んでいました」
30代―“バラード3部作”との出会い。本質的な美しさを追求し、スキンケアを大切にするように

「デビューして20年あまりが経った30代後半、『さぁこれからどんな自分を見せていこうか』と前向きに考えていた時期に出会ったのが、“バラード3部作”と呼ばれる『僕がどんなに君を好きか、君は知らない』、『言えないよ』、『逢いたくてしかたない』でした」

「美容に関しては、いろいろな本を読んだりして、結局は素材が一番大事だということに気がついた時期。素材がよくないと、それを生かすにも限界があるんだと。うわべではなく、本質的な美しさを追求するために、洗顔や基本的なスキンケアを大切にするようになりました」
40代―内側のケアが見た目の美しさにつながると知り、生活習慣を変えました

「40代は、食事や運動や睡眠といった体の内側から行うケアをしっかりすることが見た目の美しさにつながるんだと知り、生活習慣を少しずつ変えていきました」

「たとえば、0時前に寝るのと0時を過ぎてから寝るのでは、同じ睡眠時間でも歌う時の声の出方が違うんですよね。それで、夜は早めに就寝するようになって、歌う前日にお酒を飲まなくなったのもこの頃からだったんじゃないかな。運動面では、30代は多い時だと週5回ジムに通ってトレーニングしすぎていたので、週3回に減らして、今もそのペースを守っています」
50~60代―お酒をやめて、体のバランスをとるため(!?)右利きを左利きに

「ベストな60代を過ごすにあたって50代のうちに何か新しいことをしなきゃいけないと考えた時、命をかけてまで始めたいものが見当たらなかったんです。それで、逆に好きなものをやめることにして、お酒をいっさい飲まなくなりました。おかげで喉にはいい影響がありましたし、朝もスッキリ目が覚めるように」

「もうひとつ、僕が55歳の時に変えたのが、もともとの右利きを左利きにすることでした。長年右手を使ってきたので、体のバランスをとるために、この先は左手を使ってもいいかなと(笑)。とはいえ、サインを書く時は右手でペンを持たなければいけないし、包丁を左手で持つのは危ないので、お箸や歯ブラシを持つ時とゴルフのティーを差す時とかは左手に。特にこれといった変化は思いつかないのですが、きっとバランスが取れているんだろうな、と感じています」
70歳―「こう見られたい」は考えない。体を鍛えることも歌うことも、ただ好きだから

ジャケット ¥79,200、トップス ¥30,800、パンツ ¥69,300/ジョワイユ(TAAKK) その他/スタイリスト私物
「70歳を迎える今、『こう見られたい』とか『ああしなきゃいけない』ということは考えなくなりました。もっと言えば、この歳を迎えて考え方がフレキシブルに変わってきたのだと思います。
体を鍛えることも歌うことも、ただ好きだからやっている。それがいい方向に影響して、郷ひろみとして外側に現れているだけなんです。これからも、内面的にも外面的にも美しく年を重ねていきながら、いつまでも好きな歌を歌えていたら最高ですね」

「70歳の誕生日当日の10月18日と翌日の19日には日本武道館でコンサート(『Hiromi Go at Nippon Budokan 2025 “THE GREATEST 70 SONGS”』)を開催します。2日間で70曲を披露するので、18日と19日で違いをうまく出しつつ、楽しさ満載のショーにしたいと思っています」
撮影/吉田 崇 ヘア&メイク/猪狩友介<Three PEACE> スタイリスト/井田信之 モデル/郷ひろみ 取材・文/吉川由希子 構成/中村千夏(MAQUIA ONLINE)
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