ふだん何気なく行っている歯磨き。幼いころに覚えた方法で、ずっと続けていない? もしかすると間違った方法で歯茎にダメージを与えてしまっているかも!?
美容ジャーナリスト 小田ユイコの“マニアックビューティREPORT”
今月のキーワード「正しい歯磨き」
美意識の高い人ほど歯磨きに余念がなく、朝昼晩、丹念に行っているもの。歯と歯茎によかれと思っているその方法が、反対に負担をかけるやり方だったとしたら、ダメージを蓄積させてしまっているかも。
長年、矯正歯科治療に取り組む中で、多くの人が間違った歯磨きで歯を失っている現実を目の当たりにし、警鐘を鳴らす口腔ケアスペシャリストのDr.Yasuyo。虫歯や歯周病にならず、一生ものの歯をキープする正しい歯磨きを教えていただきました。

青山高橋矯正歯科医院 院長。歯学博士。見栄えのためだけではなく、一生使える歯並びにする矯正で人気。患者さんと向き合うなかで、口腔ケアの重要性を訴えつづける。
習慣になっている歯磨き法が歯茎やせや知覚過敏の原因に!?
——ずばり、正しい歯磨きの極意とは?
「歯は歯、歯茎は歯茎で、『分けてケア』すること。これに尽きます! 歯ブラシで磨いてOKなのは歯の部分のみ。歯茎はデリケートゾーンと同じく粘膜。デリケートゾーンをブラシで洗ったりしないですよね?」とDr.Yasuyo。
——歯周ポケットのお掃除はどうしたらよいのでしょうか?
「歯周ポケットを通常の歯ブラシだけで完全に清掃するのは難しいんです。歯と歯茎の境目に斜め45度に歯ブラシを当てて歯垢をかき出す方法がありますが、丁寧に行おうとしてかえって歯周を刺激し、炎症を招いて歯茎やせや知覚過敏になっている人がいかに多いことか」。
——歯周ポケットが深くて、歯垢がたまりやすい人はどうすればいい?
「歯を磨くのと同時に、歯茎マッサージを朝晩定期的に行えば、自然ときれいになります。また歯茎マッサージによって歯肉が引き締まっていくので、歯周ポケットも浅くなり、歯垢がたまりにくくなります」
歯だけではなく口腔内全体をケアする新習慣
歯磨きは、歯ブラシで磨くだけでは不十分。歯茎マッサージ、口腔内マッサージまで行うのが、未来の歯の健康を見据えた「正しい歯磨き」。習慣にした人から虫歯、歯周病になりにくくなり、全身まで健やかに。
POINT1 歯ブラシで磨くのは「歯のみ」

「歯茎を歯ブラシで触っちゃダメ」とDr.Yasuyo。歯と歯茎の境目に歯ブラシを当てる歯周ポケット清掃もNG。一般的な歯ブラシで磨いてもいいが、指サックタイプの歯ブラシだと「歯のみ」をしっかり狙える。
POINT2 指によるマッサージも必ず
歯茎をマッサージ
歯茎の血流をよくし、正常なターンオーバーを促す。歯茎の細胞に酸素と栄養を補給し、みずみずしく引き締まったピンク色の美しい歯茎&歯周に歯垢がたまりにくい歯茎に。
口腔内を広くマッサージ
歯茎の根元の唇からつながる「底」の部分、奥歯のほうまで指を差し込みマッサージを行うことで、3つの唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)を刺激し、カチコチの咬筋をほぐせる。

ドライマウスや食いしばり、ベロ落ちまでケアしてはじめて歯が美しく健康に
——歯茎マッサージって、やったことがない人がほとんどなはず。
「だまされたと思ってやってみてください。まずは気持ちいいのでびっくりするはずです。そして唾液腺を刺激するので、唾液がどんどん出てくる。この唾液こそが重要で、口内フローラを整え虫歯菌や歯周病菌の暴走を防いでくれます。しかも唾液には若返りホルモンと言われるパロチンが含まれていて、全身のエイジングケアに」。
——口の中に指を入れるってちょっと抵抗があるけれど、実際やってみると確かに気持ちいい♡
「歯茎は、実は全身のツボの宝庫。呼吸を意識しながら、歯と歯茎の境目だけでなく歯茎の根元、奥歯近くの頬の裏側までぐるりとマッサージして。より唾液腺が刺激され、ストレスなどで食いしばりを起こしている咬筋もほぐすことができます。咬筋がほぐれると血流がよくなり、自律神経もリラックスモードに。夜の歯磨きタイムに口腔内マッサージを行うことで睡眠の質も向上しますよ」。
——口の中って、案外範囲が広くてびっくり。
「さらにベロの裏もやさしくタッチしてあげて。今、舌がダラーンと落ち、下の歯を裏から押して歯並びを悪くしている人が多いんです。舌は、上あごにピタリとくっついているのが正しい位置。ベロ裏マッサージで、ポジションを正しましょう」。
——歯磨きタイムは歯だけでなく口腔ケアタイムなのですね!
「その通り! 歯は、歯だけでよい状態を保つことができません。口腔内の連携プレーで、一生ものの歯をキープできるのです」
正しい歯の磨き方は?どう磨けばいいの?
頼りになるのは自分の指! 五感を研ぎすませ心地よい歯磨きを

歯も、歯茎も、口腔も「指」でケアすれば、スキンケアと同様に心地よく、義務感ゼロに。オーバーブラッシングによる歯と歯茎のダメージも防げて一石二鳥。
歯を磨く

指ブラシを人差し指にはめ、歯磨き剤をつけて1本1本を表裏磨く。デンタルフロスや歯間ブラシも併用。
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歯茎をマッサージ

素手、または調理用の薄手の手袋をはめた人差し指で歯茎をくるくるとマッサージ。歯茎の根元のほうまで行う。
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口腔をマッサージ

人差し指を、歯の前側の奥まで差し込み「突き当り」をマッサージ。指をくるりと返して咬筋ほぐしも。最後にベロ裏全体を優しくタッチ。

〈左〉rupika、〈右〉rupikaブラシ

〈左〉60g ¥5390、〈右〉¥1100/https://rupika.net
Dr.Yasuyo開発の口腔ケアジェル&指ブラシ
〈左〉オウバクエキス配合。歯茎、口腔内マッサージにも使える。〈右〉ミネラルコーティングされた指ブラシ。歯にミネラルを補給。
MAQUIA 2024年 7月号
取材・文/小田ユイコ イラスト/きくちりえ〈Softdesign〉 企画/奈良彩花(MAQUIA)
公開日:





































































