スーパーなどで簡単に手に入るスパイスを白湯に加えるだけで、体や心の不調改善に繋がるといわれている「スパイス白湯」。肩こりや頭痛、ストレス、やる気アップなど、使うスパイスによって効能はさまざま。「スパイス白湯」の基礎知識やお悩み別のレシピを紹介します。

- 専門家に聞いた「スパイス白湯」の効果と飲み方
- Q1.スパイス⽩湯ってなに?
- Q2.どんな作⽤がある?
- Q3.体質の変化はいつから?どれぐらい続けるべき?
- Q4.いつ飲むのが効果的?
- Q5.白湯に入れたスパイスは食べても大丈夫?
- Q6.市販のスパイスで問題ない?
- 体調に合わせて作る、スパイス白湯レシピ
- 1.ダイエットをサポート。クミン&ジンジャー白湯
- 2.胃腸の調子を整えるブラックペッパー&月桂樹白湯
- 3.代謝を促す七味唐辛子白湯
- 4.肩こりの悩みにクローブ&陳皮白湯
専門家に聞いた「スパイス白湯」の効果と飲み方
スパイス白湯は普通の白湯とどう違う? どんな効果がある? 『カラダの不調を整えるスパイス白湯』の著者である看護師の市野さおりさんに、スパイス白湯について教えていただきました。
Q1.スパイス⽩湯ってなに?
A1.スパイスの効能を手軽に取り入れる飲み方
「スパイスとは、料理に辛味や色をつけたり、臭みを消したりする働きのある香りのある植物のことを指します。そのスパイスを白湯にプラスしたのが『スパイス白湯』です。
白湯にスパイスを加えて摂ることで、スパイスの効能を日常的に体に取り入れやすくなります。また、食事のようにカロリーがないので、ダイエット中でも安心して摂ることも」(市野さん、以下同)
Q2.どんな作⽤がある?
A2.スパイスによってさまざま。胃の不調や便秘改善など
「体への効果はスパイスの種類によって変わります。たとえば、ブラックペッパーなら、体の温め効果や胃腸の不調の改善、クミンなら代謝アップや便秘改善など、スパイスによって効能が変わるので、自分の悩みに合わせてスパイスを選ぶのがおすすめです」
Q3.体質の変化はいつから?どれぐらい続けるべき?
A3.即日感じることも。調子が悪いときだけでも大丈夫
「個人差がありますが、たとえば便秘や下痢、冷えなど不調の改善が目的の場合、飲んだ当日に効果を感じることが多いです。なので、必ずしも長期的に続ける必要はありません。自分で調子が悪いなと感じたときに取り入れればOKです。
スパイス棚は“家庭の薬箱”というイメージで、活用するといいと思います。1回飲むだけでも効果を感じやすいですが、より実感したい場合は朝やおやつタイム、夕食前などの空腹時に、1日に何回か飲んでもOKです。ただし、美肌やダイエット目的の場合は、効果が現れるまでに少し時間がかかるので、しばらく続けてみてください。
2週間以上続けると変化を実感しにくくなる場合もあるので、2週間続けたら、1週間は普通の白湯に戻すなどインターバルを設けるのがおすすめです」
Q4.いつ飲むのが効果的?
A4.空腹時に飲むのがベスト
「スパイス白湯は、お腹が空いているときに飲むと最も効きやすいので、空腹のタイミングに飲みましょう」
Q5.白湯に入れたスパイスは食べても大丈夫?
A5.食べられるスパイスは、一緒に摂るのがおすすめ
「月桂樹など、一部食べられないスパイスもありますが、それ以外は食べたほうが効果を感じやすいので、よくかき混ぜながらスパイスと一緒に白湯を飲むのがおすすめです」
Q6.市販のスパイスで問題ない?
A6.身近な市販品でOK
「スーパーのスパイス売り場に売っている、一般的な製品を使えばOKです。高級なものを買う必要はなく、100円ショップで売っているものでも構いません。ただし、スパイスは香り成分に薬効があるので、古くて香りが飛んでいるものは、効果があまり得られないので注意が必要」
体調に合わせて作る、スパイス白湯レシピ
今回は代表的なレシピを4品紹介。体や心の不調を感じたときの強い味方になるので、ぜひ取り入れてみて!
1.ダイエットをサポート。クミン&ジンジャー白湯

【材料】(一人前)
クミンパウダー…2振り
ドライジンジャーパウダー…2振り
白湯(熱湯)…80~150cc
【作り方】
クミンパウダーとドライジンジャーをカップに入れ、白湯(熱湯)を注ぐ。5分ほどおいて70℃以下程度になったら、スプーンでかき混ぜながら飲む。

「クミンには、代謝を高めてダイエットをサポートしてくれる効果があります。腸のぜん動運動を活性化する働きもあり、便秘改善にも効果的。
ジンジャーは血流を促進して体を温める効果が高いので、冷え性を改善したい人に向いています。生やすりおろしたしょうがではなく、乾姜(かんきょう)と呼ばれる乾燥したもののほうが温め効果が断然高いので、ドライジンジャーパウダーを使いましょう。スーパーで売っている市販のもののほか、自分でしょうがを乾燥させてすりおろしたり、挽いたりして乾姜を作っても構いません。
ダイエット目的だけの場合、クミン+白湯だけでもOK。2つを組み合わせることで、両方の効果を一度に感じることができます」
2.胃腸の調子を整えるブラックペッパー&月桂樹白湯

【材料】(一人前)
ブラックペッパー(粗挽き)…2~3振り
月桂樹…1枚(葉にハサミで切り込みを入れておく)
白湯(熱湯)…80~150cc
【作り方】
カップにブラックペッパーと、葉の周りに切り込みを入れた月桂樹を入れ、熱湯を注ぐ。蓋をして5分ほど置いたら月桂樹の葉を取り出し、70℃以下程度になったらスプーンでかき混ぜながら飲む。ブラックペッパーはパウダーでなく、粒を挽いて加えるほうが効果が高くおすすめ。

「ブラックペッパーは体の温め効果が高いほか、唾液や消化液の分泌を促すことで胃腸の調子を整える作用もあるので、食べ過ぎて胃もたれをしたときや、下痢をしたときに効果的。
一方、月桂樹には、自律神経を整えることでリラックスを促すαピネンという成分が含まれ、ストレスがたまっているときや、イライラしているとき、不眠気味のとき、やる気が出ないときなどに効果を発揮。
また、αピネンは利尿効果によってむくみを改善する効果もある一方で、逆に頻尿の改善にも。さらに咳止め効果があるなど、多くのことが期待できます。ブラックペッパーと月桂樹を組み合わせると、寒い時期に冷えによって腸の動きが停滞して、お腹にガスがたまって張るときにもおすすめです」
3.代謝を促す七味唐辛子白湯

【材料】(一人前)
七味唐辛子…2~3振り
※七味唐辛子は商品によって内容が多少異なりますが、唐辛子と陳皮の効能が大事なので、この2つが入っていれば、ほかの中身の差は気にしなくてOK。
白湯(熱湯)…80~150㏄
【作り方】
カップに七味唐辛子を入れ、熱湯を注ぐ。5分ほど置いて70℃以下程度になったら、スプーンでかき混ぜながら飲む。

「七味唐辛子には唐辛子や陳皮が含まれ、これらの効果で冷えや頭痛の改善、代謝アップ効果が期待できます。頭痛には、緊張性の頭痛と偏頭痛がありますが、どちらにも有効。また、二日酔いのときや、やる気が出ないときにもおすすめです。
七味唐辛子は辛いので、最初は少ない量から始めて、飲んでみて辛過ぎたらお湯を加えましょう。ただし、胃腸の弱い人や、胃潰瘍がある人、辛い物が苦手な人は避けること」
4.肩こりの悩みにクローブ&陳皮白湯

【材料】(一人前)
クローブパウダー…2振り
陳皮…小さじ1/2(約2g)
※陳皮は、みかんの皮をよく洗って干して乾燥させ、細かくしたもの。自分で作ってもOK。
白湯(熱湯)…80~150cc
【作り方】
カップにクローブパウダーと陳皮を入れ、熱湯を注ぐ。蓋をして5分ほど置いて、陳皮が柔らかくなったら、かき混ぜながら飲む。陳皮は食べると効果的。

「クローブには、オイゲノールという成分が含まれており、筋肉の硬さやこわばり、癒着を改善することで、肩こりや腰痛などの改善に。
陳皮には血流促進や抗酸化作用、リラックス作用などがあります。クローブだけの白湯だと薬のような味がして飲みにくいのですが、陳皮と組み合わせることで飲みやすくなります」
撮影/久々江満 スタイリスト/山本瑶奈 取材・文/和田美穂 企画・構成/福島美歩(MAQUIA)
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