連日の猛暑に室内外の気温差、冷たいものの摂り過ぎ……。身近な食材を使って体調を整える“ちょこっと薬膳”を国際中医師の小池美枝さんに教えていただきました。今から取り入れて夏バテを回避！
体にたまった「熱」を追い出せ！
ちょこっと薬膳で毎日快調！
国際中医師・薬膳料理研究家
小池美枝さん
国際中医師として不調に悩む人のカウンセリングや薬膳処方、食養生サポートを行うほか、薬膳料理教室mie's art kitchenも主宰。
夏バテ対策には、熱を冷ます食材、水分代謝を促す食材、お腹の温め食材などが効果的
暑さからくるほてりや、夏バテによる食欲不振など、夏に多い不調の予防・改善に効果的なのが薬膳。その理由を小池美枝さんに伺った。
「食材にはそれぞれに効能があり、季節や、自分の体調・体質に合わせて食材を摂ることで、養生したり、不調を緩和させたりすることが薬膳の基本的な考え方です。例えば、夏は暑さで熱が体にこもってほてりやのぼせが起きがちですが、こんな症状は、熱を冷ます食材を摂ることで予防・改善できます。また、逆に夏は冷房や冷たいものの摂り過ぎでお腹の不調を招きやすくもなりますが、この場合は、お腹を温めたり、胃腸の調子を整える食材を摂ることで予防・改善できます。薬膳は難しそうですが実は身近な食材を季節や体調に合わせて取り入れればOK。夏におすすめの食材をご紹介するので、ぜひ実践してみて」
中医学に基づいた
夏バテに効果的な食材9つ
①すいか
体の熱を取り除く解暑（げしょ）作用が
すいかには、解暑といって夏の暑さを冷ます働きがある。のどの渇きを癒やしたり、利尿効果もある。
②メロン
暑さを冷まし、のどの渇きを抑える
メロンも体の熱を冷ます解暑食材。肺の熱を取る効果もあるので夏風邪対策にも◎。潤いを補い、のどの渇きを抑える効果もある。
③きゅうり
熱を冷まし、余分な水分を排出
体の中の熱を冷ます清熱（せいねつ）作用があるきゅうり。体の余分な水分を排出したり、体に潤いを与え、渇きを癒やす働きなどもある。
④とうもろこし
お腹の調子を整える
体にたまった余分な水分を取ってくれる働きや、お腹の調子を整える働きがある。
⑤豆腐
体に潤いを与え、元気も補う
体に潤いを与え、体の中にこもった熱を冷ます働きが。消化もよいので胃腸が弱ったときにぴったり。元気も補ってくれる。
⑥そば
消化を促し、「気」を下げる
熱を取り除く効果のほか、消食（しょうしょく）といって消化を促す働きや、ストレスなどで「気」が上がってしまったときに下げる効果も。
⑦しらす干し
元気を補い、免疫力アップ効果も
元気を補う効果や、「血」を補う働き、気持ちを落ちつかせる安神（あんじん）の働きのほか、五臓の「腎」を補って免疫力を高める働きも。
⑧トマト
イライラを抑え、のどの渇きも癒やす
夏の暑さを抑える働きや、イライラして「気」が上がってしまうことを抑える働きがある。
⑨なす
皮に「血」を巡らせる働きも
体の熱を冷ます働きや、胃腸を元気にする健脾（けんぴ）の働きが。なすの皮には「血」を巡らせる働きもあるので、巡らせたい場合は皮もしっかり摂って。
【持ち歩くとよいドリンク＆おやつ】
水分補給と「血」を補う昆布水となつめ
「昆布水はボトルに水と昆布（500mlの水に5cm角の昆布）、塩をひとつまみ入れて作ります。余分な水分を排出するのでむくみ対策によく、夏の水分補給にも最適。なつめは“血”を補い、不眠や、生理のトラブルの改善などに効果的です。ドライタイプをおやつ代わりに」
MAQUIA 9月号
撮影／佐々木美果 スタイリスト／竹中紘子 料理製作／小池美枝 取材・文／和田美穂 構成／髙橋美智子（MAQUIA）
※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。
公開日：
MAQUIA2025年11月21日発売号
集英社の美容雑誌「MAQUIA(マキア)」を無料で試し読みできます。マキア1月号の大特集は「この冬、私は〇〇買い」。通常版の表紙は田中みな実さんです。
