美容のプロたちに選ばれるものにはワケがある。ブライトニング&UVの最前線を熟知したエキスパート二人が、今年、見逃してはいけないポイントについて解説&語り尽くす!
最先端を知る美容ジャーナリスト
吉田昌佐美さん×小田ユイコさんに聞く
今年のブライトニング&UV、
知っとくべきキーワードはコレ!
豊富な知識と分析力で、化粧品の生き字引的な存在として厚く信頼されている。今年特に注目しているのはオバジCと雪肌精。
美白ケアとエイジングケアが
ボーダーレスに
吉田 今年は美白もエイジングケアもする、幅広いアプローチのものがより増えた印象。肌全体を明るくするものも多いけど、透明感には乾燥や炎症を抑えて肌そのもののレベルを上げることが、凄く影響してくるから。肌のクオリティを高めれば、ブライトニングとエイジングケアが叶うんです。
小田 シミもシワもたるみも、根本にあるのは炎症や角層の状態など共通していたりするから、今年はそこに着目したものが多かったかなって。美白だけに特化するより、シワもたるみも含めてケアするのが理に適っているというか、自然な流れになりましたね。
(右)「昨年来“シミもシワも”をディオールが牽引」(吉田さん)ディオール プレステージ ホワイト リンクル セラム ルミエール(医薬部外品)30ml ¥58300/パルファン・クリスチャン・ディオール (左)「薄くなった表皮を明るくするだけじゃなく、ふくらませるというのが面白い」(小田さん)デュオ ザ 薬用美白リンクルセラム(医薬部外品)30ml ¥7040/プレミアアンチエイジング
シミなき未来へのナビゲーター
小田 ポーラのホワイトショットは、基底膜から真皮に落ちた、美容医療でも届きにくいメラニンに、化粧品でアプローチできるのがやっぱり凄い。顔全体の取れないくすみにも、希望の光が差し込むよう。
吉田 基底膜はとても重要なところ。今後エイジングケアの近道としても基底膜アプローチが増えるかも。
小田 シミになりやすい人への朗報がオルビス。未来の肌を育てる発想で美白ケアする、若い世代にも!
吉田 シミ発生に関与する遺伝子を特定し、それが線維芽細胞に働きかけてシミリスクを高めていることも解明。シミを元から作らせない、濃くしない攻めのアプローチ。
(右)「あきらめていたものとの闘いに勝てるかも!」(小田さん)ホワイトショット フェイシャルセラム(医薬部外品)25ml ¥16500/ポーラ (左)「紫外線に弱い日本人が使いたい、先手必勝のケア」(吉田さん)アドバンスド ブライトニング セラム(医薬部外品)36ml ¥4950/オルビス
有効成分のマルチタスク化
吉田 ナイアシンアミドの登場は、美白とエイジングケアの橋渡しに凄く貢献。表皮を整えるからシワ改善もメラニン排出にも、見た目印象を変えることにも。+ナイアシンアミド、今年は一気に増えましたよね。
小田 本当に。そして今年はコーセーのW-グリチルレチン酸ステアリルも話題。炎症をケアして肌あれを改善することで、美白も叶えるという仕組み。
吉田 コーセーは抗炎症・鎮静効果の高い甘草由来の成分を新しい技術で進化させて、W効能の成分に。承認を取ったとは聞いてたけど、それを“雪肌精”の日常使いのローションに投入したのにはびっくり!
「美白に強いメーカーの底力に拍手」(吉田さん)薬用雪肌精 ブライトニング エッセンス ローション(医薬部外品)200ml ¥3850(編集部調べ)/コーセー
“太陽を味方に”がさらに進化
吉田 今年、キャラが立っていて面白いのは、なんといってもUVだよね。中でも、守りながら攻めるという“日中の美白”発想はやっぱり見逃せないところ。もともとポーラが追究してきたもので、その“赤色光でハリケア”がより今年は進化。
小田 ポーラ B.AもオバジCも、“日中の光を味方につける”って、なぜか本能的に響いてしまう。オバジCの紫外線を感知するとカプセルが弾けるというのは、ワクワクします。
吉田 ビタミンCをただ入れただけじゃなく、日中の肌のニーズに応える処方にしているのがオバジCらしい。BBも出て、美肌仕上げも。
(右)「紫外線を感知してビタミンCのカプセルが弾けるのは嬉しい!」(小田さん)オバジC デイセラムUV SPF50+・PA++++ 30g ¥3300/ロート製薬 (左)「“紫外線を味方につける”という考え方が今年も進化」(吉田さん)B.A ライト セレクター SPF50+・PA++++ 45g ¥12100/ポーラ
敏感肌向けUVのクオリティが向上
小田 敏感肌のUVは、以前は守り一択だったのに、肌を構築する攻めの部分もやってくれるように。今年、急に驚くほど進化したけど、ちゃんと研究してくれたんだなって。
吉田 敏感な肌こそ紫外線リスクも高いわけだから、多機能な守りが必要。今年はいくつものブランドで大きな動きがあったし、ディオールのようなブランドも敏感肌でも使えることを強化してきてますよね。
小田 どれも使用感もとてもいいし、もちろん白浮きもしないし、マルチプルーフのものも。特に敏感な肌じゃない人が使っても、いいと感じるんじゃないかと思います。
(右)「高精製ワセリンが新しい」(小田さん)イハダ 薬用フェイスプロテクトUVミルク (医薬部外品)SPF50+・PA++++ 30ml ¥1980/資生堂 (左)「刺激にならない紫外線吸収剤を見つけて配合」(小田さん)ディセンシア フローレス UVプロテクター SPF50+・PA++++ 40g ¥5500(3/28発売)
高機能・心地よさ・美肌見せ。
サービス満点UVが台頭
小田 今年のUVは本当に朝ケアの主役になり、無人島にひとつ持っていくならUV!と思うほどの進化ぶり。
吉田 何がって、まずストレスフリーなテクスチャーね。
小田 特にコスメデコルテ AQは最高。しかもナイアシンアミドも配合して美白・シワ改善・肌あれケアもするマルチタスクだし、肌をきれいに見せてくれるし。人気のカバーマークも、さらに炎症の連鎖にもアプローチしてパワーアップし、本当に日中用エイジングケアクリームの域。
吉田 UVも、やはりちゃんと皮膚科学研究の積み重ねから生まれていることが強みになるんです。
(右)AQ アブソリュート UV プロテクション ブライトニング&リンクル(医薬部外品)SPF50+・PA++++ 55g ¥11000/コスメデコルテ (左)「発売1年で進化させてきたのは凄い」(吉田さん)カバーマーク トリートメントデイ クリーム SPF50+・PA++++ 50g ¥8800(4/1発売)
“絶対焼けない”がより日常のものに
小田 “真夏のアネッサ&アリィー”が、日常に下りてきましたね。
吉田 アネッサは“絶対焼けない”ために塗りムラを作らないことを最善策として膜の強化をしてきて、今年は膜の流動性を高める新技術を搭載。肌に塗ったUV膜を自らリペアするとは驚き。
小田 アリィーはもう完璧。膜感がないし、高密着でもちもいいし、乾かなくて皮脂テカにもならず、こすれにも強くって……。
吉田 メイクの上から塗り直しできる製品も増えましたね。日常使いを極めるアリィーと、新技術で日常使いしやすくしていくアネッサ。バリエーションが増えて、敏感肌や夜ケアも登場したし、誰にでも寄り添えるように。
「日常でもUVケアが常識の今、そのための進化が不可欠に」(吉田さん)(右)アリィー クロノビューティ ラスティング プライマーUV SPF50・PA++++ 25g ¥1980(編集部調べ)/カネボウ化粧品 (左)アネッサ パーフェクトUV スキンケアジェル NA SPF50+・PA++++ 90g ¥2508(編集部調べ)/資生堂
MAQUIA 5月号
イラスト/green K 取材・文/巽 香 構成/火箱奈央(MAQUIA)
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