におい、乾燥、かゆみ、くすみ……。デリケートゾーンの悩みは尽きないもの。けれど、人に相談しづらく、自己流ケアになってしまっている人も多いはず。今回は、日本産科婦人科学会専門医・福山千代子先生の解説とともに、デリケートソーン用コスメ10点を厳選。正しいケア方法と、毎日をより快適に過ごすためのヒントをお届けします。

正しいフェムケアの方法とは? フェムテック デリケートゾーンケア

フェムケア・デリケートゾーンケアの疑問に専門医が回答!

福山千代子

日本産科婦人科学会専門医

福山千代子先生

日本産科婦人科学会専門医。2021年よりMET BEAUTY CLINICに勤務。女性特有の体の悩みや不調に寄り添い、更年期障害、月経痛、月経前症候群(PMS)などの治療を中心に診療を行っている。日本産科婦人科学会、日本女性心身医学会所属。

「フェムケア」は「フィーメル(Female)」と「ケア(Care)」を組み合わせた造語

──前提として、フェムケアとはなんでしょうか?また、なぜフェムケアをしなければいけないのでしょうか?

福山先生:「フェムケア」とは、「フィーメル(Female)」と「ケア(Care)」を組み合わせた言葉で、デリケートゾーンをはじめとした女性特有の悩みや不調にアプローチするサービスや製品の総称です。日本では、ここ5年ほどで少しずつ認知が広がってきました。

フェムケアを取り入れることで、今感じている不快感や悩みを和らげるだけでなく、女性の体をより健康的な状態へと導くことができます。結果として、将来のトラブル予防にもつながり、安心して日々を過ごせるようになります。

また、美容の面でも、においや蒸れ、黒ずみといったコンプレックスが軽減されることで、自分の体に自信が持てるようになり、気持ちまで前向きになれるのも大きなメリットです。

【デリケートゾーンの正しい洗い方を解説】“どこまで洗う?”“毎日洗う?”に回答!

──正しいデリケートゾーンの洗い方を教えてください。

福山先生:実はあまり知られていませんが、デリケートゾーンは顔と同じ、もしくはそれ以上に皮膚が薄い部位。そのため、「とにかくやさしく、丁寧に」を意識することが大切です。基本的には毎日洗うようにしましょう

1.40℃以下のぬるま湯で予洗いする

デリケートゾーンの洗い方 1.お湯で予洗い

「まずは、ぬるま湯でデリケートゾーンをやさしく予洗いします。お湯の温度は40℃以下が目安。熱すぎるお湯は必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥やかゆみの原因になることがあるため注意しましょう(福山先生、以下同)」。

2.ソープをデリケートゾーンになじませる

デリケートゾーンの洗い方 2.ソープをデリケートゾーンになじませる

「水だけでは皮脂汚れが落ちにくいため、ソープの使用がおすすめです。泡立てが必要なタイプの場合はよく泡立て、デリケートゾーンにやさしくなじませるように洗いましょう。一般的なボディソープは洗浄力が強く、特に閉経後の女性は使うとしみたり、乾燥しやすくなったりすることも。必須ではありませんが、デリケートゾーン専用ソープを選ぶと安心です。なお、腟内には自浄作用があるため洗浄は不要。どうしても気になる場合は、pHを崩しにくい『インクリア』など、精製水のみを使用したアイテムを使ってください。ただし、頻繁な使用はpHバランスを崩す原因になるため注意が必要です」。

3.指の腹を使って大陰唇と小陰唇の溝を洗う

デリケートゾーンの洗い方 3.指の腹で優しく溝を洗う

「ソープをなじませたあとは、指の腹を使って大陰唇と小陰唇の溝をやさしく洗いましょう。ナイロンタオルなどで強くこするのはNG。また、陰核の包皮(外陰部のいちばん上、左右の小陰唇が合流するあたりにある「クリトリス」を覆っている皮膚のこと)は無理にめくって洗うと、ひりつきなどの刺激につながる恐れがあるため、無理に洗わなくても大丈夫です」。

4.熱すぎないぬるま湯で洗い流す

デリケートゾーンの洗い方 4.ぬるま湯で洗い流す

「ソープをやさしくお湯で洗い流しましょう。予洗いの際と同様に、40℃以下のぬるま湯を使うのがポイントです」。

5.タオルで押さえるように拭く

デリケートゾーンの洗い方 5.タオルで抑えるように拭く

「最後はタオルでこすらず、押さえるようにして水分を拭き取りましょう。自然乾燥は水分が奪われやすく、乾燥の原因になるため避けてください」。

デリケートゾーンのかゆみやにおいの大きな原因は「蒸れ」。

──デリケートゾーンでかゆみが出やすい部分はどこでしょうか?また、デリケートゾーンがかゆいなと思った時はどうすればよいでしょうか?

福山先生:かゆみが出やすい場所は人それぞれですが、比較的多いのは、毛が密に生えていて蒸れやすい、大陰唇と小陰唇の間、とくに上側のあたりです。

「腟の中がかゆい」と感じる場合は、外的刺激よりも、感染症など病気が原因になっているケースが多く見られます。市販薬もありますが、原因がわからないまま使うのはおすすめできません。腟の中にかゆみを感じた場合は、早めに医療機関を受診してください。

一方、腟の外側にかゆみがあり、下着の蒸れや摩擦など思い当たる原因がある場合は、市販薬を2〜3日使用して様子を見るのも一つの方法です。ただし、それでも改善が見られない場合は、別の原因が考えられるため、受診をおすすめします。

「汚れているからかゆいのでは?」と思い込み、熱いお湯で洗ったり、殺菌力の強い石鹸を使ったりして、かえって症状を悪化させてしまう方も少なくありません。かゆみを感じるときほど刺激は避けたいので、石鹸を使わず、ぬるま湯でやさしく洗うだけにしてみてください。

また、下着を綿やシルクなど通気性の良い素材に替えるのも有効です。おりものシートは蒸れやすいため、かゆみが強いときは使用を控え、できるだけ刺激を与えない環境を心がけましょう。

──生理中は特ににおいが気になります。どのようにケアすればよいでしょうか?

福山先生:まず、細菌の繁殖を防ぐためにも、同じナプキンを長時間使用するのは避けましょう。目安は2〜3時間おきの交換です。

また、アンダーヘアが多いと蒸れやすく、においの原因になることも。毛量を整えることで通気性が良くなり、においの軽減が期待できます。特にIラインのケアは効果を感じやすいと思います。

生理の経血そのものには、基本的に細菌は存在しません。においの多くは、腟から外に出たあとに血液に細菌が繁殖することで生じます。そのため、経血をやさしく、こまめに拭き取ることが大切です。市販のデリケートゾーン用ワイプを活用し、清潔な状態を保つことで、においが気になりにくくなりますよ。

洗浄の際は、刺激の少ないデリケートゾーン専用の洗浄料を使うと、必要なうるおいを守りながらすっきりと洗うことができます。

──生理中でもないのに、においが気になるときはどうすればよいでしょうか?

福山先生:「今すぐ、このにおいをどうにかしたい」という場合は、デリケートゾーン用の拭き取り用シートでやさしく拭き取るのがおすすめです。一時的ではありますが、清潔な状態にすることで、においは落ち着きやすくなります。

ただし、体質が関係しているケースもあります。いわゆる「裾ワキガ」と呼ばれる状態で、汗腺の働きによって特有のにおいが出やすい方も。その場合は、ボトックス注射などの医療的アプローチが選択肢になることもあります。

また、感染症が原因でにおいが生じている場合もあります。この場合はセルフケアでは改善が難しく、治療が必要です。「いつもと明らかに違うにおいがする」「ケアをしても改善しない」と感じたときは、早めに医療機関を受診してください。適切な治療を行うことで、においは改善していきます。

デリケートゾーンは「乾燥」と「摩擦」を避けることがケアの基本

──肌には敏感肌、乾燥肌、脂性肌、混合肌など種類がありますが、デリケートゾーンにもそのようなタイプ分けはあるのでしょうか?また、顔の肌質との相関性はありますか?

福山先生:明確に肌タイプを分けることは難しいですが、強いて言えば、デリケートゾーンは「敏感肌」と考えてよいと思います。その名のとおり、とてもデリケートな部位で、皮膚の厚さは顔でいうと目周りと同程度。手足の皮膚と比べると、約1/42ほどの薄さしかないと言われています。

そのため、刺激を受けやすく、顔の肌質にかかわらず、誰でもトラブルが起こりやすい部位だと認識しておくことが大切です。

──デリケートゾーンも保湿したほうがよいでしょうか?

福山先生:若い年代では必ずしもマストではありませんが、閉経が近づくにつれてエストロゲンが低下すると、腟の内側だけでなく外陰部も萎縮しやすくなり、乾燥や違和感を覚える方が増えてきます。そのタイミングからは、保湿ケアを取り入れるのがおすすめです。

ただし、過剰なケアは逆効果になることも。近年はオイルタイプのアイテムも人気ですが、人によってはニキビの原因になる場合もあります。たとえば、皮脂分泌が多いなと感じる方や若い方は油分の少ないミルクタイプ、乾燥していると感じる方や、閉経後の方はオイルタイプなど、自分の体質に合ったものを選びましょう。デリケートゾーン専用のアイテムを使うのがオススメです。

デリケートゾーンに赤みやヒリつきなどのトラブルがあるときは、負担をかけないケアが基本。不純物を取り除いて精製したワセリンは刺激が少なく、使いやすいアイテムです。デリケートゾーンは経皮吸収率が高いため、成分はできるだけミニマルな処方のものを選ぶようにしましょう。

──デリケートゾーンは、エイジングが進むとどのような変化が起こるのでしょうか?

福山先生:デリケートゾーンは、女性ホルモンであるエストロゲンの影響を非常に強く受ける部位です。そのため、エストロゲンが低下してくると、外陰部や腟が萎縮しやすくなります。


顔と同じで、何もケアをしないままでいると年齢サインが出やすい部分でもあります。乾燥によってハリが失われ、しわっぽくなったり、縦じわが目立つようになったりします。また、脂肪組織が減少することでボリュームが失われ、たるみを感じる方も少なくありません。さらに、色素沈着が気になるという声も多くあります。

──エイジングサインを防いだり、改善したりする方法はありますか?

福山先生:大切なのは「乾燥」と「摩擦」を避けること。この2つをいかに減らせるかが、エイジングケアの基本になります。

まず意識してほしいのは保湿です。乾燥した肌は外からの刺激に弱く、トラブルが起こりやすくなります。また、摩擦を避けることも重要なので、ゴシゴシ洗うのは絶対にやめてください。

下着やナプキン選びも大切なポイントです。素材としてはシルクが理想的ですが、価格やお手入れの面で難しい場合は、綿素材でも十分。肌当たりが硬く感じる素材の下着を日常的に身につけていると、鼠径部の黒ずみが気になりやすくなることもあるので、レースの質感にも注意しましょう。

ナプキンは、擦れにくく、自分の肌に合ったものを選ぶことが大切です。蒸れている状態の皮膚は刺激に弱いため、ほどよい湿度を保つことを意識してください。

また、ナプキンを長時間つけっぱなしにするということは、水分を含んだポリマーを陰部に密着させ続けている状態。冷えや蒸れにつながります。こまめな交換を心がけましょう。タンポンや月経カップも、上手に使えば蒸れを軽減できるので、蒸れが気になりやすい方には選択肢の一つとしておすすめです。

──セルフケア以外の選択肢はありますか?

福山先生:セルフケアだけで改善が難しい場合は、美容医療を取り入れるのも一つの方法です。私のクリニックでは、ピーリング後にピコレーザーでトーニングを行う施術をよく行っています。ピーリングによって古い角質が取り除かれることで透明感が高まり、ざらつきが改善され、1回でも手触りの変化を実感される方が多いです。

ピコレーザーは、メラニン色素を少しずつ分解していくレーザーなので、回数を重ねることで色調の改善が期待できます。また、ボリュームの低下や萎縮が気になる場合には、ヒアルロン酸注入や腟HIFU(ハイフ)といった治療も選択肢になります。

──脱毛(VIO)している人と、していない人でケアの方法は変わりますか?

福山先生:VIO脱毛をすると、毛がある状態に比べて蒸れにくくなる一方で、乾燥しやすくなる傾向があります。また、毛がクッションの役割を果たしていた部分がなくなることで、下着やナプキンが直接肌に触れやすくなり、摩擦による刺激を感じやすくなることも。そのため、VIO脱毛をしている方ほど、保湿ケアは意識的に行ってほしいですね。

──そもそもVIO脱毛はした方がよいのでしょうか?

福山先生:よく聞かれる質問ですが、基本的にはどちらでも問題ありません。ただ、かゆみを繰り返している方や、毛量が多く蒸れや摩擦が原因でかゆみが出ている場合は、脱毛によって症状が楽になることもあります。

今すぐ取り入れたい!頼れるフェムケア名品10

1.コラージュフルフル泡石鹸

フェムケア名品10 コラージュフルフル泡石鹸

細菌を抑制する殺菌成分に加え、カビの増殖を抑える有効成分・ミコナゾール硝酸塩を配合。汚れとともに菌やニオイを洗い流す薬用抗菌石鹸。低刺激性設計で、敏感肌の人も使用可能。赤ちゃんから大人まで、年齢問わず使えるのも特徴。300ml ¥2530/持田ヘルスケア

2.iroha INTIMATE WASH moist

フェムケア名品10 iroha INTIMATE WASH moist

デリケートゾーンをやさしく、かつすっきり洗い上げる液体ソープ。植物由来のグルコマンナン(スクラブ剤)によって、汚れを吸着。保湿成分入りで、しっとりとした洗い上がり。135ml ¥1980/iroha INTIMATE CARE

3.ラビオーム バリアビオソープ

フェムケア名品10 ラビオーム ジェルソープ

乳酸菌配合のジェルが、うるおいを守りながら汚れをオフ。洗うたびに肌環境を整える。清潔感のあるフローラルの香り。180ml ¥1320(編集部調べ)/ロート製薬

4.NANO SHAKE SOAP

フェムケア名品10 NANO SHAKE SOAP

日本産科婦人科学会専門医・福山千代子先生と製薬会社の研究員・薬剤師が監修した、肌にやさしい処方のソープ。フェムケア業界で初めて「ナノバブル発生ボール」を採用し、特許取得の「ナノボール」から生まれる微細な泡が、肌への負担を抑えながら汚れをしっかりオフ。自然由来の美容成分の働きで、すすいだ後もみずみずしさが続く。140ml ¥8800/YDS

5.ヴェルサイユ フェムブライトセラム

フェムケア名品10 ヴェルサイユ フェムブライトセラム

小嶋陽菜さんプロデュース。天然由来成分100%にこだわり、時間とともに白く変化するホワイトハイビスカス由来の発酵エキスを配合。デリケートゾーンの肌をやさしくケアし、みずみずしい明るさと透明感をもたらします。バストトップやわき、ひじ・ひざ、ヒップのケアにもおすすめ。13種の精油をブレンドした、華やかで洗練されたローズの香りも魅力的。35g ¥3300/ROSIER by Her lip to

6.トワニーアンドミー デリケートケアクリーム

フェムケア名品10 トワニーアンドミー デリケートケアクリーム

やわらかなクリームが心地よくのび広がり、うるおいを守りながら下着との摩擦を軽減。汚れの直接的な付着を防ぐボディクリーム。デリケートゾーンにも使用可能。60g ¥3080/カネボウ化粧品

7.&fem(アンドフェム) フェムケア美白*ジェル【医薬部外品】 

フェムケア名品10 &fem(アンドフェム) フェムケア美白*ジェル【医薬部外品】  

美白*ケアと肌荒れ予防を同時に叶える。VIOの気になるくすみをケアし、透明感のあるなめらかな肌へ。オイルフリー処方でベタつかず、さらっとした使用感ながら、うるおいはしっかりキープ。30g ¥1760/牛乳石鹸共進社

*メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。 ※乾燥による
販売名:&fem 美白ジェルa

8.Thaleia pitôn

フェムケア名品10 Thaleia pitôn

デリケートゾーンの基本ケアである「清潔に保つ・うるおいを与える・鍛える」をサポートする家庭用デリケートゾーン美容機器。イオンクレンジング、イオン導入、RF、赤色LED、青色LED、EMS、振動、クールの8機能を搭載し、悩みに合わせたトータルケアを自宅で実現。専用のピトンフェムセラムを併用し、1回15分(5ステップ×各3分)を目安に、週2~3回の継続使用がおすすめ。¥93500/DMM.make PRODUCTS

9.laugh. (ラフドット)インティメイトミスト スイートブーケ

フェムケア名品10 laugh. (ラフドット)インティメイトフレッシュミスト  スイートブーケ

気になるときにいつでもシュッと使える、持ち運びしやすいデリケートゾーン用ケアミスト。肌をいたわりながら、リフレッシュし、清潔な状態をキープ。注目の整肌成分「ツボクサエキス(CICA成分)」を配合し、肌のキメを整えてすこやかに保つ。ボトルを逆さにして使えるため、デリケートゾーンにもスプレーしやすい設計。 14mL ¥3828/laugh.

10. ソフィ デリケートウェットシート 無香料

フェムケア名品10 ソフイ デリケートウェットシート 無香料

デリケートな肌の汚れをやさしく拭き取れるウェットシートで、ニオイの元を手軽にオフ。肌触りのよい不織布を採用しており、敏感な肌にも安心して使える。手のひらサイズで持ち運びやすく、使用後はトイレに流せる点も便利。10枚入り オープン価格/ユニ・チャーム

撮影/河野望 スタイリング/山本瑶奈 イラスト/船越谷 香 企画・構成・取材・文/奈良彩花(MAQUIA)

公開日:

MAQUIA書影

MAQUIA2026年2月20日発売号

集英社の美容雑誌「MAQUIA(マキア)」を無料で試し読みできます。マキア4月号の大特集は「美肌は努力で作れます!」。通常版の表紙は堀田真由さんです。

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