年齢ごとに肌の悩みは変化する
私は10代から20代半ばまでニキビ、ニキビ跡に悩み、鏡を見るのも写真を撮るのも嫌いなほどでした。
ファンデーションやコンシーラーで隠すことばかりを意識していましたが、20代前半からは、スキンケアなどで肌質改善に徹底し、現在は以前ほどニキビに対する悩みはなくなりました。
エステティシャンという職業上、たくさんの方の肌の悩みを見て、施術をしてきた経験から、年代ごとに肌悩みが違います。
【10代〜20代に多い肌悩み】
10代から20代のあいだはホルモン分泌や皮脂分泌が盛んなのでニキビ、ニキビ跡、毛穴、毛穴の黒ずみ、乾燥、肌荒れなど、肌表面に現れるトラブルが気になる方が多いです。
【20代後半から30代以降に多い肌悩み】
20代後半から30代は、ホルモンバランスや皮脂分泌が安定するため、表面上のトラブルはあまり気にならなくなる反面、20歳をピークに減少するコラーゲンによって、肌のハリ感が低下し「なんだか前と肌の質感が違う」「ぷりっとした肌のハリ感がなくなってきた」と感じる、紫外線ダメージや生活習慣の乱れによって「うっすらシミが見える」、表情筋の低下によって「ほうれい線が目立つ」「フェイスラインや輪郭に引き締まり感がなくなってきた」といったシワ、たるみ、シミなどの悩みが増えます。
日々のスキンケア+美顔器でのケアを取り入れるべし!
上記のような肌の悩みをやわらげる、老化を加速させないためには「日々のスキンケア」「日々のスキンケアでは出来ない奥深くのケアやメンテナンスをサロンなどでおこなう」ことが大切です。
コロナ禍によって外出しづらい、おうち時間、おうち美容が続く中で注目を浴びたアイテムのひとつが「美顔器」です。
各メーカーからさまざまな機能を搭載した美顔器が多数発売されていますが、
「自分の肌にあった美顔器ってどれかわからない」「何を基準に選べばいいのかわからない...」という人も多いのではないでしょうか?
中には、「○○の美顔器良かったよ!おすすめ!と聞いて買ってみたけど、いまいち効果がわかりづらかった」「使い方はこれでいいのかな...と感じている人」もいるのではないでしょうか。
美顔器を購入する時に大切なのは、「自分の肌悩みと美顔器の搭載しているモードの特徴が一致しているか」「悩みに対して正しく使えているかどうか」が大切なポイントであり、購入しても失敗しないコツです。
自分の肌悩みに一致した美顔器の選び方とは?
肌悩みの特徴
STEP1.肌悩みは肌のどの部分に関係しているのかを知る
・皮脂づまり、毛穴、ニキビ、ニキビ跡、乾燥、肌荒れ、シミなどは「表皮層」
・ハリ感、弾力のなさ、シワなどは「真皮層」
・むくみ、脂肪、法令線、目元のシワ、口元のたるみ、フェイスラインのたるみなどは「皮下組織」
正常な肌とダメージを受けた肌の違い
STEP2.肌のトラブルがどうやって起きるのか知る
正常な肌(写真左側)とダメージを受けトラブルを抱えた肌(写真右側)です。
私たちの体の構造は「骨」の周りに「筋肉」「脂肪」があり、その間を血液やリンパが通っていてこの部分を「皮下組織」と言います。
その上に肌のハリ、弾力となるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などがある部分を「真皮層」と言います。
そして、肌となる細胞を作り出し、私たちが触れることができる肌が「表皮」となります。
肌のメカニズムは、表皮の底から細胞が生まれ日々代謝を繰り返し、古くなった細胞は垢や角質となって自然に剥がれ落ちます。
しかし、スキンケア不足、摩擦、紫外線ダメージ、生活習慣の乱れ、ストレスなどによって細胞の代謝が乱れることで「乾燥、肌荒れ、くすみ、ザラつき、ニキビ、吹き出物、皮脂づまり、角質肥厚」などの肌トラブルが起きやすくなります。
肌表面にトラブルを抱えたまま、紫外線にガンガン晒されることで、メラノサイトという色素工場が細胞を守らなきゃ!と茶色のカーテン(メラニン)を放出します。これがいわゆる「シミ予備軍、シミ」の始まりです。
また、紫外線は真皮まで到達するため、コラーゲン繊維が破壊されることで「肌のハリ、弾力の低下などシワ、たるみ」を招きます。
さらに、骨に沿ってピンっと引き締まった筋肉が伸びたゴムのように緩み(筋力低下)、隙間ができることで脂肪量が増えたり、サイズが大きくなることで「むくみや顔が大きくなる」、皮膚を支えきれなくなることで皮膚がたるむことで「目元、口元のたるみ、フェイスラインのたるみ」を感じます。
美顔器の特徴
家電量販店やネット通販などで発売されている美顔器に搭載されているモードといえば、ピーリング、イオン導入、エレクトロポレーション、超音波、EMS、マイクロカレント、RF、LED光がメジャーどころです。
STEP3.搭載されているモードがどの場所にアプローチするかを知る
上記の美顔器に搭載されているモードの特徴は、
・ピーリング(表皮ケア)
・イオン導入(表皮ケア)
・エレクトロポレーション(表皮から真皮ケア)
・LED光(真皮ケア)
・超音波、マイクロカレント、RF(皮下組織ケア)
・EMS(皮下組織ケア)
となります。
美顔器の特徴
STEP4.美顔器のモード特徴と肌悩みを照らし合わせる
肌の特徴や悩みに合わせていくと、
【表皮ケア】
・皮脂づまり、毛穴の黒ずみ▷ピーリング
・乾燥や肌荒れを落ち着かせたい▷イオン導入
・ニキビ、ニキビ跡▷イオン導入
・毛穴の開き、シミ▷イオン導入
【真皮ケア】
・肌のハリ感、弾力を高めたい▷エレクトロポレーション、LED光
・目元のシワ▷エレクトロポレーション
・たるみ毛穴を引き締めたい▷エレクトロポレーション、EMS
【皮下組織ケア】
・むくみ、脂肪をすっきりさせたい▷RF、EMS、超音波
・ほうれい線▷EMS、マイクロカレント
・目元のたるみ、口元のたるみ、フェイスラインのたるみ▷EMS、マイクロカレント
を選ぶのがおすすめです。
30代からのたるみ、リフトアップは「EMS」機能があれば重宝する!効果的な当て方は?
筆者は、30代に入ってから、ほうれい線、フェイスラインのたるみ、頬の丸みがなくなった、ふとした時の疲れ顔が目立つと感じることも増えました。
こういった肌悩みは、顔の下半身太りのようなものなので、「皮下組織」を筋肉トレーニングさせる「EMS」モードがついている美顔器は先々長く使えるのでおすすめです。
そして何よりも、ただ当てるだけではなく、顔の構造やどこを引き締めたいか狙いを定めた「リフトアップ効果が出る美顔器の当て方」をご紹介します。
筆者がかれこれ4、5年愛用しているのは「ヤーマン キャビスパRFコアEX」。
(モデルが新しくなっているので少しデザインが違います。)
RF(ラジオ波)、キャビテーション(超音波)、EMS機能が搭載されており、
脂肪の量を落としたい部分にはRF(ラジオ派)、むくみが気になるところにはキャビテーション(超音波)、筋肉のたるみやリフトアップにはEMSでアプローチすることができます。
ボディにもフェイシャルにも使え、持ちやすく、ヘッドが大きいので動かしやすいところがお気に入りです。
※美顔器の当て方は、他の機械でも代用可能ですので、EMSやキャビテーション、マイクロカレント、RF機能の美顔器をお持ちの方は活用してください。
美顔器の当て方
(1)肩から首、耳下腺
肩の盛り上がっている部分から、耳下腺に向けてゆっくり5往復する
※首の前側は甲状腺があるため当てないこと。
肩こりや首こりがあると凝りや疲労感だけでなく血液やリンパの流れが悪くなり、肌のくすみ、首が太く短く見え顔が大きく見える原因にもなります。
フェイシャルのたるみやリフトアップケアの一番最初は肩、首、耳下腺を流しておくと顔がより引き上がりやすくなります。
耳下腺は老廃物がたまりやすい場所です。
ここの老廃物を流すと正面から見た時に顔の横幅がシュッと小さく見え、横から見た時のフェイスラインにシャープさが出ます。
美顔器の当て方
(2)あごから頬へシャープなフェイスラインを作る
ほうれい線やマリオネットラインが気になる人は、ここをしっかりほぐし引き締めるのがおすすめです。
①あご裏から耳下腺にゆっくり5回流す
美顔器の当て方
②口下から噛み合わせを通り、耳の付け根にゆっくり5回流す
美顔器の当て方
③口角から噛み合わせを通り、耳の付け根にゆっくり5回流す
美顔器の当て方
④小鼻から頬骨の下を通り、こめかみにゆっくり5回流す
美顔器の当て方
(2)頬に丸み、高さを出してぷりっと感を作る
正面から見た時に顔がのぺっとした気がする、頬がすとんと落ちている、ハリ感がないと感じる場合は頬の丸みを作ることを意識しましょう。
①口角の下から口角横を通り、目の下に向かってゆっくり5回流す
美顔器の当て方
②噛み合わせの下から頬の中心を通り、目尻の下に向かってゆっくり5回流す
美顔器の当て方
③耳下腺から耳の付け根を通り、こめかみに向かってゆっくり5回流す
頬の丸みと高さが出るほか、ほうれい線が浅く見え、顔の横幅を狭く見せることができます。
美顔器の当て方
(4)眉毛の筋肉を持ち上げてぱっちり目元へ
年齢とともにまぶたが重く、下がった気がする、眉間のシワやおでこのシワが気になるという人は眉毛の筋肉を持ち上げて生え際に向かって流しましょう。
①ヘッドのチップで眉頭の下にある筋肉を持ち上げ3秒キープし、生え際に向かってゆっくり3回流す
美顔器の当て方
②ヘッドのチップで眉中の下にある筋肉を持ち上げ3秒キープし、生え際に向かってゆっくり3回流す
美顔器の当て方
③ヘッドのチップで眉尻の下にある筋肉を持ち上げ3秒キープし、生え際に向かってゆっくり3回流す
美顔器の当て方
④眉間を出発点に、扇状に3回ずつ流す
美顔器ビフォーアフター
こんな感じでビフォーアフターを見比べてみると、
顔の縦ラインをすっきり見せ、フェイスラインのシャープさ、頬の横幅を狭く見せる、頬に丸みと高さを作ることができます。
美顔器ビフォーアフター
こちらの写真は、左が美顔器を当てる前、右が両顔美顔器を当てた後です。
美顔器ビフォーアフター
いかがだったでしょうか?
これから美顔器を購入しようかな?と感じている人は、自分の肌悩みにあったモードが搭載されている美顔器を選ぶこと、たるみやリフトアップさせたい人は、なんとなく使うのではなく、効果的な当て方を参考にしてみてくださいね。♡
エステティシャンおすすめコスメと美容法を伝授
自身の肌コンプレックスから美容業界へ進み14年目。メイクやスキンケアコスメが好きで、どういった特徴があるか、どんな肌タイプにおすすめかなどを見極めるのが大好き。その人の肌にあった美容法をマキアブロガーを通じて発信していきます。