長年にわたり、セネッセンス研究のエキスパートと共同研究を続けるシャネル。ついに国際的な皮膚科学会で新知見を発表。世界がいま、熱い視線を注ぐシャネルの先進性について、4人のスペシャリストたちに伺った。
ⒸCHANEL
(左上)シャネル インターナショナル イノベーション ディベロップメント ヴァイス プレジデント
ナタリー・ヴォルプさん
(右上)シャネル リサーチ&テクノロジー バイオロジカル リサーチ部門責任者
サンドラ・フォレスティエさん
(左下)シャネル ビューティ リサーチ&パフォーマンス ディレクター
ユーセフ・バン・カリファさん
(右下)ウィーン医科大学 皮膚科学科准教授
フローリアン・グルーバー博士
美容ジャーナリスト 安倍佐和子が、細胞老化研究の世界をリードするエキスパートを独占取材!
化粧品会社、出版社勤務を経て独立。先進皮膚科学からホリスティックまで幅広いジャンルで取材を続ける。
Q セネッセンスとはどんな研究なのでしょう?
セネッセンスとは細胞老化のこと。その過程を解明する科学がセネッセンス研究と呼ばれ、とくに医療分野で注目を集めています。また、肌の老化プロセス解明のため、皮膚科学の分野でも積極的に研究が続けられています。通常、ひとつの細胞が分裂するのは約50回。分裂が終われば自然に除去されるのですが、中には除去されずに居座ったまま細胞がゾンビ化。健康な細胞に悪影響を与えていることが、これまでの研究で明らかになっています。(サンドラさん)
Q シャネルがいち早くセネッセンス研究に着目したきっかけは?
セネッセンス研究は、あらゆる老化プロセスの鍵を握っています。もちろん皮膚においてもです。肌内部のセネッセンスのメカニズムを知ることで、化粧品によって生き生きとした健康な肌を保つ可能性を見いだせるのでは? 同時に、セネッセンスをコントロールすることで、肌のエイジングにも積極的にアプローチできるのでは?と。そう、確信しています。(ナタリーさん)
Q 世界的権威を持つウィーン医科大学と、
どんな共同研究を行っているのですか?
セネッセンス研究の世界的権威であるウィーン医科大学のヨハネス・グリラーリ教授とともに、肌に特化した研究プログラムを2012年からスタート。以来、長期的なパートナーシップを結び、数々の目覚ましい成果をあげてきました。なかでも画期的なのはセネッセンスの3段階プロセスを再現する皮膚モデルの開発に成功したこと。有用成分の特定など、シャネルの皮膚科学研究の根幹を担うほどです。(ユーセフさん)
Q 細胞のセネッセンス化とは?
発生、増殖、定着の3段階で起こります(下図を参照)。モードが変わるといったイメージです。加齢やライフスタイルによる外的要因が引き金となり、細胞分裂が停止し、老化細胞に変わるのが第1ステージ。第2ステージではストレスシグナルを発生、健康な細胞に影響を与えて増殖。老化細胞が居座ったまま増大するのが最終段階の第3ステージです。(フローリアン博士)
Q ISID2023年での研究発表とは?
世界50カ国以上、皮膚科医や化学者、研究者など、約2500名が一堂に集う、国際会議ISID(国際研究皮膚科学会)においてシャネルは共同研究を進めるフローリアン博士とともに、セネッセンスのプロセスの可視化や、有用成分についての研究など、新知見を発表。内外から、たくさんの反響をいただきました。(ナタリーさん)
Q セネッセンス研究の未来について。
今後の共同研究はどう発展、進化していくのでしょう?
セネッセンスの3段階プロセスを可視化できたことで各ステージの詳細なメカニズム、有用成分のスクリーニングなど、さまざまな研究が加速しました。同時に新たな課題や可能性も。(フローリアン博士) 2026年まで続くパートナーシップによってセネッセンス研究を応用したスキンケア時代の到来を期待しています。(ユーセフさん)
Q セネッセンス研究の可能性とは?
現在、シャネルが取り組んでいるのは、メラノサイトのセネッセンスと色素沈着の関係です。また都市部の汚染物質や紫外線、ストレスとセネッセンスとの関係なども。じつはホリスティックな視点でも研究されているセネッセンス。ホリスティックビューティを大事にしたいシャネルにとっても、興味深いものです。(ナタリーさん)
Q セネッセンス研究によって、私たちの未来はどう変わるでしょうか?
いかにセネッセンス化をゆっくり抑えられるか、今後の研究によっては肌のみならず健康長寿といった大きなテーマにも、新たな希望を見出すことができるのではないでしょうか。シャネルにとってのセネッセンス研究とは、もっとも大切なWell beingを実現、ヘルシースキンへと導くサイエンスでもあるのです。(サンドラさん)
Q シャネルが大切にしているスキンケアフィロソフィーとは?
Well beingのもとサイエンスを追求し、植物由来成分は土壌や環境にも配慮、クリーンでサステナブルであることを心がけています。そして何より、シャネルは、ひとりひとりにとってより良い人生のパートナーであることを心から望んでいます。スキンケアは、豊かで幸福な日々のためのものなのですから。(サンドラさん)
●お問い合わせ/シャネル カスタマーケア 0120-525-519
撮影/天日恵美子(人物) ヘア&メイク/榛沢麻衣(安倍さん分) イラスト/二階堂ちはる 構成・文/安倍佐和子 企画/火箱奈央(MAQUIA)