欲しいときに欲しい情報や娯楽を与えてくれるデジタルデバイスは、現代人のマストハブ・ツール。でもその一方で、心身に害を及ぼす“依存”の危険を孕んでいるとしたら……? 上手に付き合うためのコツを解説!

あなたの日常、デジタルに支配されていませんか?
日本で唯一! shu uemuraはブランドとしてデジタル依存を啓発する取り組みを実施
「美しさはこころから」という考えのもと、心身を蝕むデジタル依存の危険性に注目し問題解決への貢献に乗り出したのがシュウ ウエムラ。
SNSやゲームへの依存を防ぎ、健やかな生き方を守るための社会貢献プログラム「connected not addicted/リアルにつながろう」を、メンタルヘルスサポートに幅広い経験を持つ森山沙耶氏とタッグを組み、昨年10月にスタートさせた。
国内の団体との協力によりデジタル依存症のメカニズムや予防法を啓発し、現実世界との繋がりを深める後押しをする。

公認心理師
森山沙耶先生
一般社団法人日本デジタルウェルビーイング協会代表理事。ネット・ゲーム依存を中心にメンタルヘルスに関する助言や指導を行う。
無目的な使用こそデジタル依存症の元凶に
ここ数年来、世界中で深刻な問題となっているデジタル依存症。
「デジタルデバイスの使用を自分の意思ではコントロールできず、日常生活に支障が生じる状態をそう呼びます。依存症になると、脳の働きに影響して記憶力や注意力を低下させたり、体内リズムを狂わせて、睡眠障害や頭痛等を引き起こすなど様々な弊害が。そのせいで対人関係や仕事上の問題が起きることも少なくありません」と公認心理師の森山沙耶先生は話す。
「明確な理由もなく、暇潰しや現実逃避などからデバイスの使用を続けることが、依存症を引き起こす大きな原因に。ですから、日頃のデジタルデバイスとの付き合い方を一度見直して、不必要なデジタル習慣があれば正すことが必要です。以下のテストでぜひチェックしてみてください」(森山先生)
あなたの依存度はどのくらい? デジタル依存セルフアセスメントテスト

※デジタルデバイス(スマートフォン、ノートPC、タブレット、PC、ゲーム機など)の使用に関する次の質問項目について当てはまる頻度にチェックを入れてください。
13点以下
青信号
今のところ、自らの力でデジタル使用をきちんとコントロールできている、依存低リスク状態。
14〜19点
黄色信号
リスクは中程度。自分の力でデジタル使用を我慢できるうちに対策しないと依存に陥る危険も。
20点以上
赤信号
デジタル依存のリスクが高め。自分ではデジタル使用を止められなくなっている可能性アリ。
自分の危険度を知った今、できること
デジタルと健全に付き合うためのヒント
生活の中でのちょっとした工夫こそ、デジタル依存を防ぐ一番の鍵。毎日の習慣を見直して、依存の危機を回避して。
ヒント1
毎日デジタルデバイスを
使わない時間を設ける
デジタルツールから無限に流れてくる情報や娯楽を意識的に遮断する時間を毎日必ず持つことが何よりも必要。まずは食事時間や就寝時の「脱・デバイス」からはじめて。
ヒント2
友人や家族との交流中は
デバイスを使わない
友人と過ごす時間には、スマホはバッグの中に、と決める。家族との毎日の食卓には、スマホを置くことを禁じる。デバイスを遠ざけて、リアルなコミュニケーションに集中を!
ヒント3
アナログの目覚まし時計や腕時計を使う
スマホを“時計代わり”に使うのをやめてみる。そうすることで、起き抜けから寝る直前まで休みなく流れてくるメッセージや通知から心を切り離す時間ができる。
便利なツールだからこそ正しく付き合いたい
石井美保さんが考えるデジタル ウェルビーイングな生き方
「バーチャルな刺激や情報では決して心は満たされない!」

手足を動かして、リアルに触れる

無意識のSNSサーフィンに気づいたら、迷わず近くの公園へ。
「自分の目で見る草木や花の質感や香りの美しさは、スマホの画面で見たそれとは桁違い。リアルな空気を感じて、自分をニュートラルに戻します」(石井さん、以下同)

ちくちくと手を動かすことに没頭できる“刺し子”も美保流スマホの見過ぎ防止策。
「少しずつ、でも確実に作品が完成していく快感に身を委ねているうちに、気づくと何時間も経っていて。その間はスマホから離れていられるから、依存症防止にもなります」
●お問い合わせ/シュウ ウエムラ
ビスチェ付きワンピース¥22000/CLANE DESIGN Co.,Ltd(MANOF) ピアス/スタイリスト私物
撮影/岩谷優一〈vale.〉 ヘア/KIKKU〈Chrysanthemum〉 スタイリスト/JURIKA.A 取材・文/原 千乃 構成/火箱奈央(MAQUIA)
公開日:















































































美容家
石井美保さん
「デジタル依存」と聞いて思わずドキッとしました。実は私もコロナ禍で“ステイホーム”していた頃に、 スマホのゲームに没頭した時期があるんです。 だけどそのうちに、ただステージをクリアするだけで 何も残らないことに時間を溶かす虚しさを感じて。
不安やストレスで心が満たされない時ほど、デジタル世界に没頭しやすいものだけれど、同時にデジタルがくれるバーチャルな刺激や情報では心を満たすことはできないと、この時気づきました。以来、スクリーンタイムを活用して、デバイスを触りすぎていると感じた時はリアルな感動を探しに行きます。
デパートで服や化粧品を実際に見て触って試したり、公園を散歩して季節を肌で感じたり、クレーンゲーム機で狙ったものを手に入れたり(笑)。
無限に流れてくるデジタルの情報に踊らされずに賢く使いこなすためには、こんなリアルな経験を積み重ね、本当に自分の心を動かすものだけを見分ける目を育てることが大切だと思っています。