美容は今、全体主義から個人主義へ。「MAQUIA」9月号では、美容に“パーソナライズ”が求められる理由を齋藤薫さんが解説。読めばきっと、あなただけのオンリーワンな美しさが花開く!

Image title

齋藤薫特別寄稿

美容に「パーソナライズ」が求められる理由

自分でも知りえない、
一番キレイな私をあぶり出す

十人十色。100人いたら100通り。いやそれどころか、顔がよく似た人は世界中に3人しかいないと言われる。じつに74億分の3である。肌も同じ。ましてや肌は、置かれた環境、気温に湿度、体調や気分によっても変わるから、同じ肌は2つと存在しないのだろう。だから“自分にピタリの化粧品”など、見つけようもないと途方にくれてきた。でも化粧品にはもう一つ、真逆の理想がある。全員をキレイにする究極の一品と出会うこと。だからこれまでずっと、その“万人の一品”をみんなで探し続けてきたのだ。でもついについに、“自分だけの化粧品”と出会うすべが見えてきた。そもそもなぜ美容は、パーソナルであるべきなのか? じつはこうなってみて初めて、その理由が逆にハッキリ見えてきたのだ。 パーソナル美容とは、単に自分の肌に合った化粧品を選ぶことでは無い。あくまで自分の未来の運命を占える化粧品と出会うこと……。

まず、肌にも遺伝子が定めた“1つの運命”と言うものがある。それを知らずにトレンドに振り回されているのでは、キレイの寿命を縮めかねない。それを教えてくれたのがパーソナルな遺伝子解析。それこそ、肺がんのリスクがある人が若いうちからヘビースモーカーだったりする危険な生き方は絶対回避すべきだから。自分の肌の宿命的な弱点はやっぱり克服してゆくべきだから。そう、パーソナライゼーションの第一歩は、真実を知ること。また見えないものを見ること。まさに今、「知る」と「見る」のテクノロジーが一気に進化したからこそ、美容は一気にパーソナル化に向かっているのだ。資生堂のオプチューンも、今日の肌のための今日のお手入れだけじゃない、肌の毎日を詳細に見ることで、肌の未来も知った上で、今日のお手入れを割り出している。データを積み上げて、未知を占うのが、これからのパーソナルなのだ。一方、個肌対応のパイオニア、イプサのリップは、信頼ある心理テストを導入して、潜在意識にある“なりたい女性像”を占うことで、塗るべき色を割り出して提案してくれる。自分では一生選ばなかったかもしれない色と出会えるのだ。

つまり、リスクを回避するだけでなく、自分では知り得ない“私の1番キレイな顔と肌をあぶり出す方法”を知るためにパーソナル美容はある。そこで改めて注目すべきなのが、この分野の先駆けの先駆け、ポーラのアペックス。正直知らないうちに見事に進化を遂げていて、すでにスキンケアを256万通りも用意している。肌表面を見ることで肌の奥の状態を知り、肌の未来を占うことも既にしっかり行っていた。改めてここの本気度を知って頭が下がる思い。結局のところ、執拗なまでのこだわりを持つメーカーでないと真のパーソナルケアはできないということ、それだけは確か。だから私たちもこれから、各メーカーの本気度を占って肌を預けたい。本当に私自身の見えない可能性を見出してくれるのは一体どこなのか?


MAQUIA9月号

撮影/神戸健太郎 ヘア&メイク/美舟〈SIGNO〉 スタイリスト/コギソマナ〈io〉 モデル/小嶋陽菜(マキアモデル) 構成/火箱奈央(MAQUIA)


【MAQUIA9月号☆好評発売中】

MAQUIA書影

MAQUIA2024年4月22日発売号

集英社の美容雑誌「MAQUIA(マキア)」を無料で試し読みできます。6月号の特集や付録情報をチェックして、早速雑誌を購入しよう!

ネット書店での購入

share