着こなしには困らないけれど、「どんなメイクが似合うかわからない」という声が多いサマードレス。「MAQUIA」7月号では、夏ワンピを成功に導く、神崎流のあれこれをご紹介します。
神崎 恵
mnuit主宰。美容家としての活動の他、累計113万部を超える著書の執筆をはじめ、雑誌の撮影やトークショー、セミナーなどで全国を飛び回っている。待望の新刊『わたしを幸せにする41のル-ル』(廣済堂出版)が発売になり、さらに多忙を極めている。
サマードレスを着る日
日差しに映える
鮮やか色×ツヤ感メイクを
暖かくなり水辺が恋しくなる季節。パートナーや息子たちと海デートや旅行に行くと、必ず目で追ってしまうのがサマードレスを着こなしている女性。サマードレス。この服には0を100にする威力があると思う。肌は上気したように幸せな色をして、目は潤み、どの表情もぬかりなく愛らしい。ドレスからすっと出ている肩や腕はなめらかで、きっと服を脱いでも綺麗な体なのだろうと想像させる。見ているこちらの気分まで勝手に高揚し、そして夏特有の開放感に胸が躍る。
浴衣にふわもこニット、ファーコートにタンクトップ。その季節だけにしか着ることができない限定の服には、ほかにはない特別な空気感がある。その時季のにおいや温度をぎゅっと凝縮した、ワクワクと切なさがまじった空気。そしてそれを着る側もわかっているから、「これを着れば可愛くなれる」という自信がその空気と交わり、なんとも可愛い女が出来上がる。
でもこの魔法の服。だれもかれもが着るだけで綺麗になれるわけじゃない。そこには、ちゃんとルールがあって、それをクリアしながら着こなせた女だけが、思わず振り向いてしまうほど、惚れ直してしまうほど、いい女になれる。わたしが見てきた感覚では、半数以上の女性がそのルールの真反対をいってしまっている。せっかくの魔法の服をちょっと残念な仕上がりにしてしまっているひとがとても多い。
ではどうやってこの服に魔法をかけてもらうのか。そのポイントがメイクとヘア。まずなにより重要なのは、顔の印象重量を生地の軽やかさと同じくらいに仕上げること。スカートが陽の光に透けるように、肌も塗り固めず、素肌が透けるくらいのベースメイクにする。歩くたびに揺れる裾のように髪もふわりとやわらかく揺れたい。そこにドレスに負けないくらい鮮やかなリップカラーを一点だけさす。これくらいの透明感と軽やかさ、そして脱力感が夏の空気にぴたりとくる。ゆるっとしていて心地いい、でもとびきり華やかで艶っぽい。こんな女性がいたら、きっと絶対、夏の恋がはじまるはず。
MAQUIA7月号
モデル・メイク・文/神崎 恵 撮影/菊地泰久〈vale.〉 ヘア/津村佳奈〈Un ami omotesando〉 スタイリスト/コギソマナ〈io〉 構成・文/若菜遊子(MAQUIA)
【MAQUIA7月号☆好評発売中】