女の友情は薄っぺらいとよく言われるけれど、本当にそう? 人生最大のピンチに立ち向かう、まったく違う人生を歩んできたふたりの女性たちのドラマをご紹介。どんな状況でも、一緒に泣いて、笑って、共感してくれる“本当”の女友達がいれば最強! 涙が止まらない作品です。


シリアスな内容なのに

見終わった後は

不思議な幸福感に満たされる!

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★今回のおすすめ新作映画★

『サヨナラの代わりに』

監督/ジョージ・C・ウルフ 出演/ヒラリー・スワンク、エミー・ロッサム、ジョシュ・デュアメル 公開/11月7日(土)より新宿ピカデリー他、全国ロードショー 配給/キノフィルムズ  ©2014 Daryl Prince Productions, Ltd. All Rights Reserved. 公式サイト http://sayonarano-kawarini.com

<ストーリー>

高級住宅街に住み、愛する夫や友人に囲まれ何不自由なく暮らすケイト(ヒラリー・スワンク)は、ある日突然ALSを発症し余命わずかと宣告される。ひとりで日常生活を送ることができなくなった彼女は、介助の素人である大学生のベック(エミー・ロッサム)を面接。言葉遣いが下品で家事もろくにできないベックに対し、患者ではなく友人として話を聞いてほしいと採用する。


年齢も生活環境も

まったく違うふたりが

反発しながら友人に!

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【松山 梢の女子ツボPOINT!】

周囲から同情されることにウンザリしているカラダが不自由な主人公が、粗野な介助人と反発しながら友情を築いていく物語。ここまで聞けば、2012年に公開され大ヒットを記録したフランス映画『最強のふたり』を思い出す人も多いはず。正反対の2人が損得勘定抜きで友情を築いていく姿はもはや映画では鉄板ネタです。ただしこの作品が『最強のふたり』とちょっと違うのは、主人公が妻を亡くし友人もいない孤独な中年男ではなく、愛する夫と友人がいる30代の女性だったということ。


浮気する旦那、離れていく友人…

病が分かった途端、ヒロインの人間関係も激変>>

着替えもメイクも

自分でできなくなる

恐怖がリアル

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もちろんイケメン弁護士の夫はALS発症後も精一杯介助しますが、愛する女性の過酷な運命に葛藤し、うっかり浮気をしてしまいます。このくだり、『マイ・インタ―ン』のヒロインの夫とまったく同じ。サポートされる側だった男性がサポートする側にまわると、男の尊厳を保てず女性以上に苦悩するのかもしれません。夫だけでなく、上品なお金持ちばかりだった友人たちとも波が引くように疎遠に。満たされていたはずの人間関係が、病気によってガラリと変化してしまうことがどれほど過酷か。そして常に家も自分もピカピカに磨き上げていた完璧主義のヒロインがトイレに行けなくなることはもちろん、自分で着替えやメイクをするもできなくなる状況がどれほどの恐怖か……。


悲しみも喜びも共感し合える

女友達って最高!>>

悲しみに共感し

時間を共有してくれる

女友達のありがたさ

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このように、徹底的に「女性」の視点で難病と向き合うヒロインの姿を描いているのが特徴です。特に注目してほしいのが、介助人ベックとヒロインとの関係性。病気で妻としての役割を果たせず負い目を感じてるケイトに代わり、浮気をしている夫のことを何のためらいもなく「クソ野郎!」と罵倒。苦しくても叫ぶことができないヒロインの代わりに「ウワーーーーー!!」と大声で絶叫してくれるシーンに、どれだけ救われることか。ピンチに弱い男より、「あなたなら乗り越えられるわ」と表面的な励ましの言葉を向ける友人より、一緒に泣き、笑い、ただ側で話を聞いてくれる女友達がひとりいれば、この先の人生何が起ころうと怖くない! シリアスな内容にも関わらず、女に生まれたことの幸福感でたされる不思議な作品です。大切な友人と一緒にどうぞ♡


〈映画ライター/松山 梢〉

映画のヒロインに感情移入することでかろうじて「女」であることを維持している、三十路まっただ中のライター松山 梢です。自分に足りない女っぷりを向上すべく、そして美意識の高いマキアオンライン読者の女っぷりをさらにアップさせるべく、愛すべき女子向け映画&ドラマを紹介していきます!


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