MAQUIA SKINCARE JOURNAL
肌のハリや弾力といえば「コラーゲン!」というのは知っているけれど、どうしてコラーゲンがハリや弾力のもとになるのかと言われれば、意外と知らないのではないでしょうか?
そこで、コラーゲンについて美肌の申し子である“コラコ(⁉)”がナビゲートします。
コラーゲンは、人の肌をつくるたんぱく質の1つ。人間の体の20%はたんぱく質でできていて、その全たんぱく質のうち、30%を占めるのが「コラーゲン」。さらに、コラーゲンの40%は皮膚に存在しています。コラーゲンとひと口に言っても、Ⅰ型、Ⅲ型、Ⅶ型……といった“型”があり、現在は複数のコラーゲンが皮膚で確認されています。そして、それぞれの型が重要な役割を果たしていると言われています。
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皮膚真皮層に存在すると言われているコラーゲンは、まさに“ぷるんとしたハリ”の要。それだけにたるみやしわ、くすみ、ゆるみ毛穴など、多くの人が実感しているエイジングサインも、実はコラーゲンの形状変化が大きな要因の1つになっていたのです。これらエイジングサインを引き起こすのが、コラーゲンを生み出す線維芽細胞のダメージ。加齢による機能低下はもちろん、紫外線など光によって線維芽細胞がダメージを受けるとコラーゲン生産力が低下。コラーゲンが減ることで肌のハリ・弾力が低下してしまいます。
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コラーゲンケアといえば、これまではコラーゲン産生促進や分解抑制のアプローチが中心でしたが、資生堂が新たに解明したのは、分解されたコラーゲンの消化まで含めた「コラーゲン代謝」。加齢とともに、肌の中ではコラーゲンが分解しやすい環境になることは周知の事実で、分解されたコラーゲンが肌に不要と考えられています。だからこそ、コラーゲンを「産生」「分解抑制」するだけでなく、分解されてしまったコラーゲンを取り除き「消化」することで、次の産生につなげるサイクルを整えることが重要だということに行き着いたのです。
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コラーゲン代謝に大きく関係しているのが、免疫細胞の「マクロファージ」。マクロファージには、M1とM2の2タイプがあり、M1は、主に炎症反応を担い、外敵などを排除する働きが。ただし、増えすぎると線維芽細胞にコラーゲン分解酵素を過剰に産生させ、コラーゲンの分解を促進してしまうのです。いっぽうM2は、炎症反応や炎症により傷ついた組織の修復を促す働きが。掃除をするがごとく分解されたコラーゲンを消化し、線維芽細胞にコラーゲン産生を促す働きを持っています。
資生堂が新たに発見したのは、このM1とM2のバランスの崩れが肌の老化に繋がっていること。このバランスが整っている若い肌ではコラーゲン代謝がスムーズに行われているけれど、加齢した肌では、M1が増え、M2が減ってしまうため、消化が追いつかず、コラーゲン代謝が乱れてしまうのです。
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M1マクロファージは、そのもととなる一般的なマクロファージから分化することで機能を発揮することが知られているため、M1への分化を抑制することがカギに。そこで資生堂では、その成分を探索。結果、オトギリ草抽出液にM1への分化を抑制する効果を発見。これによりM2が増えやすい環境になることが期待できます。
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マクロファージのバランスの崩れがコラーゲン代謝に影響を与えることを見出した資生堂。M1とM2のマクロファージバランスを保つことにより、これまでのコラーゲン産生促進・分解抑制の効果に加え、分解後のコラーゲン消化を含めた肌本来のコラーゲン代謝を正常に維持することで、ハリのある若々しい肌を保てるようになったのです。
イラスト/沼田光太郎
構成・文/藤井優美<dis-moi> 企画/有住美慧(MAQUIA)