「おしゃれ」「カワイイ」とデザイン性から手に取る人も多いロクシタンですが、その企業理念は真摯そのもの。「MAQUIA」9月号の『イトーーク』では、まだまだ知られていない社会貢献活動について伺いました。

自然に寄り添うライフスタイルコスメティックブランド【イトーーク 第12回 ロクシタン】_1

インタビュー歴25年 マキア編集長・伊藤責任編集
最新美容の真相、ズバリ聞いトク!?
イトーーク

自然に寄り添うライフスタイルコスメティックブランド【イトーーク 第12回 ロクシタン】_2

マキア編集長 伊藤かおり

マキア編集長
伊藤かおり
non-no、MORE編集部を経て’08年からマキアへ。入社以来人物インタビューを中心に取材してきた経験を活かし、“美容=人生”を誌面づくりのモットーに。

ロクシタンジャポン 代表取締役社長 ニコラ ガイガーさん

ロクシタンジャポン
代表取締役社長
ニコラ ガイガーさん
2011年ロクシタンブラジルにジェネラルマネージャーとして入社後、2017年1月よりロクシタンジャポン副社長に就任。同年5月に現職に。

今回はリモート取材でお届けします



40年以上一貫して続ける本物のサステナビリティ
伊藤 サステナビリティの意識が日本でも浸透し、近年ではCSR(Corporate Social Respon sibilityの略。企業の社会的責任)活動を語る企業が増えてきました。そこで、創設時より40年以上にわたってCSR活動を続けているロクシタンに、ぜひお話を伺いたいと思っていました。
ニコラ 我々は環境、そして社会が発展するにはこの先の50年を見据えなければいけないと考え、ブランド創設と同時にプロヴァンスの資源育成と自然由来の原材料の持続的な調達に携わってきました。近年はこの価値観が世界中で共有されるようになったことを大変うれしく思います。


伊藤 そのことを今まで公表してこなかったのは、あまりにも奥ゆかしすぎませんか?
ニコラ 私たちの製品はマーケティング主導型ではなく、「責任が持てる製品作り」を信念にしてきました。そのため、このような企業活動を世間に公表し、それを売りにするつもりはありませんでした。しかし現代は、消費者が製品背景や企業姿勢に強い関心を示す時代になったため、2018年からロクシタンのCSR活動をお伝えし始めました。


伊藤 シアバターのフェアトレードなど生産者へのサポートをはじめ、西アフリカのブルキナファソの女性の社会的、経済的自立の支援や、視覚障がいへの取り組みなど、これまでの企業姿勢からもロクシタンの誠実さは私たちにも伝わっていました。しかし、昨年公表された「ロクシタンの約束」で、その内容の詳細を知ると、製品を通じて自分も社会貢献を担っているという気持ちに。その1つが、日本で行われている空き容器のリサイクル「グリーンプログラム」。新型コロナウイルスの影響で現在一時休止されているそうですが、予想を超える人数が参加されたそうですね。まだまだエコロジーやサステナビリティが当たり前とは言えない日本での活動は大変だったのではないですか?
ニコラ おっしゃる通り、私も正直ここまで日本の方々が協力をしてくれるとは思いませんでした。しかし、2019年1月30日から2020年3月31日までに、2万名を超えるお客さまにご参加いただき、15トンの容器の回収ができ、このプロジェクトは思った以上の成果を収めることができました。また昨年は、ロクシタンの理念をご理解いただくために「イモーテル プレシューズ」の新製品PRイベントをCSRという切り口で行いました。通常であれば製品のよさをお伝えしますが、このときはイモーテルの収穫ライブ映像をご覧いただいたり、原材料をどのような畑で栽培しているのか、生産者のご紹介をしたりしました。このような活動が実を結び、ここ数年で日本の方々の意識が大きく変わったことを実感します。


伊藤 私もそのイベントに参加しました。製品の原材料の生産者を知ることで、いつも使っている製品がより身近に感じられたうえ、愛着も深まりました。とっても貴重な体験でしたね。
ニコラ ロクシタンの取り組みは、とてもシンプル。創設者のオリビエ・ボーサンが掲げたポイントは、①企業として利益を出すこと、②社会にとって有益であること、③環境を大事にすることの3つ。我々は常に向上しようと絶え間ない努力をし、責任が持てる製品をお届けすることをお客様にコミットしています。それに伴う経済利益は、さまざまな支援に還元します。売り上げがなければ支援もできませんからね。このバランスが大切。世界中の企業がこのことを意識していけば、自然はもっといい形で生きながらえていくと思うのです。


伊藤 本当にそう思います。環境保全もそうだし、女性への支援活動もそう。女性のエンパワーメントは、日本でも注目され始めていますが、御社の取り組みを教えてください。
ニコラ ロクシタングループで働く人のメインは女性。我々は彼女たちのキャリアプランをどう伸ばすかを大切にしています。「キャリアか? 家庭か?」ではなく、たとえお子さんがいてもキャリアを求めるのであれば叶う。そうすることで会社には素晴らしい才能が集まり、さらに発展ができると思います。

私たちの達成目標

「ロクシタンの約束」を実現するための目標
1976年の創設以来取り組んできたブランドのCSR活動理念を「ロクシタンの約束」として昨年公表。メッセージがより明確に。

空き容器のリサイクルを店舗で実施

空き容器のリサイクルを店舗で実施
Reduce(削減)、Recycle(循環経済)、React(反応する)の「3R」を掲げ、製品にはリサイクル可能なパッケージや再生資源を活用。さらに、製品の空き容器を持参するとポイントが付与される「グリーンプログラム」を導入(一時休止中)。

ロクシタンが行うプ社会貢献活動の一部

ロクシタンが行う社会貢献活動の一部
A 製品に点字(英語)ラベルの添付や視覚障がい者の支援、幼児失明の予防プログラムに参画。B プロヴァンスの美しい景観維持と植物の多様性を保全。C コルシカ島で有機栽培されるイモーテル生産者と継続的に契約。D シアの生産を支える女性たちの自立支援や少女たちの教育をサポート。


アフターコロナで変わるビューティのこれから
伊藤 今後はそういった背景まで見て製品を買う時代になっていきますよね。新型コロナウイルスでこれまでの概念が変わり、消費行動も変わったと思います。ニコラさんはこれからの美容がどう変わっていくと思われますか?
ニコラ 私が思うに美容には2つの意味があって、1つは「今晩出かけるからキレイにしよう」というもの。つまり“装う美容”。2つめは、「自分自身の心地よさ」を求めるもの。今後は、2つめの美容、“ヘルシーな美しさ”がより求められるようになると思います。


伊藤 私は、今回のステイホーム期間中に美容はより身近な存在になったと感じています。それは、“自分を慈しみ、大切にする”という感覚。美容への価値観が変わりながらも、今後はより美容が求められる時代になると思います。
ニコラ これからもロクシタンは自然と共存し、消費者の信頼を裏切らない、真摯なモノ作りをしていきます。

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人気のファイブハーブスシリーズもリサイクル可能
ダメージを補修してサラツヤ髪へと導くヘアケアシリーズに、1日中素直な髪をキープするミルクセラムが仲間入り。香りにも癒やされる。A ファイブハーブス リペアリングシャンプー 300ml ¥2600、B 同 コンディショナー 250ml ¥2600、C 同 ヘアミルクセラム 100ml ¥3900(8/19発売)/ロクシタンジャポン

自然に寄り添うライフスタイルコスメティックブランド【イトーーク 第12回 ロクシタン】_9

ニコラさんの「新しい生活様式」は?
「私には娘が3人、そして現在妻のお腹には4人目(どうやら娘のよう)の子供がいるのですが、ステイホームであんなに長いこと娘たちと一緒に過ごしたのは初めてのことでした。そこで気づいたのが、娘たちとの時間が私にがんばれるエネルギーを与えてくれるということ。以来、娘たちと一緒に過ごす予定をスケジュールに取り入れるようになりました」


MAQUIA 9月号
取材・文/藤井優美〈dis-moi〉


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最終更新日:

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