スキンケアアイテムをはじめ、メイクアップやホームケア、スパやカフェまで展開するshiro。その勢いは日本に留まらず、世界の女性までも笑顔にするほど。そんなshiroの生みの親に直撃。

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「美味しいものは肌にもいい。
そう信じて化粧品を開発しています」

ローレル 代表取締役
今井浩恵さん

1989年創業のローレルの代表取締役に26歳で就任。2009年に社名を冠した自社ブランドの化粧品を立ち上げ、2015年にブランド名を「shiro」に変更し、拡大を続ける。

マキア編集長
湯田桂子
2004年にマキアを立ち上げた創刊メンバーのひとり。マキアの合言葉は、“願望実現ビューティ”!

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毎日使いたいもの、
がshiroのコンセプト

スキンケアはクリア肌、保水肌、肌荒れの3ラインからセレクトを。写真は基本の組み合わせ。(右から)みずみずしい潤い感が人気。酒かす化粧水 120ml ¥3800、保水力&人気ナンバー1。がごめ昆布美容液 60ml ¥5500、潤いをきちんと閉じ込める。シアバター&ラワンぶきモイストリッチクリーム 50g ¥7000/ローレル

Image title今の気分を表現しながら、同時にスキンケアもできるメイクアップ製品も好評。濡れたようなツヤと血色感を頬と唇で楽しみながら、素材の力で保湿も。(上から時計回りで)shiro シアチークリップバター 8E02、8E03、8E01 5g 各¥4200/ローレル


女性の笑顔のために
よいものだけを作りたい

湯田
 全国に続々と店舗をオープンさせ、ロンドンやニューヨークにも進出するほど拡大を続けているshiro。フレグランスからはじまり、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア製品と、ラインナップが増え続けていますが、そもそも開発のきっかけは何だったのですか?
今井 もともと当社は「フランフラン」や「アフタヌーンティー」といった高感度ライフスタイルショップ向けに、シャンプーやボディケアなど生活雑貨を企画、製造している会社だったんです。おかげさまでショップからはご好評の声をいただいていましたが、ある日、お客様が喜んでいる顔が見えないことに気づいて。そこで“自分たちが毎日使いたいものを作る”を信念に、shiroの前身であるオリジナルブランド「ローレル」を立ち上げました。
湯田 26歳で! すごい決断ですね。
今井 若かったからできたんでしょうね。当時、会社は経営危機に陥っていて。辞めたいと申し出たのですが、私が起業を志していることを知っていた創業者が「それなら後継にならないか」と打診してくれたんです。しかし、若い私が社長になることへの反発は大きく、多くの社員が辞め、銀行も手を引いてしまう程でした。でもだからこそ、思い切ったことができたんです。
湯田 ちょうど時代は、自然や癒やしアイテムをライフスタイルに取り入れるのがブームになり始めたころ。今井社長の感性は見事、時代にマッチしたんですね。製品開発の素材は、北海道にこだわったのですか?
今井 全然! 
湯田 えっ? 本社も社長のご出身も北海道ですよね? 「がごめ昆布」をはじめ、「酒かす」や「ハマナス」など、スキンケア製品に北海道産の素材が存分に使われているのは、北海道をアピールするためではなかったのですか?
今井 まったく思っていませんでした。最初は化粧品の素材を探すためにそれこそ海外の秘境にまで足を運んだんです。それは大げさではなく死を覚悟するほど過酷な状況で。そんな素材探しの日々が続き、疲れ切って帰国したときにふと地元で稲穂が目に入り、「素材は日本にある」と気づいたんです。そこから国内の素材に目を向けるようになったところ、北海道にはたくさんのいい素材があった。ですから、産地にはこだわらず「よさそう」と思う素材に出合ったら直接生産者さんにお会いし、すぐにサンプルを作って交渉をして、化粧品開発に生かしています。
湯田 ベストセラー、「がごめ昆布美容液」の「がごめ昆布」もそうやって出合ったのですか?


社長の “欲しい” が
shiroの開発の基本

今井
 私、料理が好きなんですが、昆布って出汁を取るために水に浸けるとぷるんぷるんになりますよね。それを見たとき、「これが肌で再現できたらいいな」と思って。そこで、函館で採れるがごめ昆布を調べてみたら栄養素が素晴らしくて。出汁昆布に比べて圧倒的に強いとろみの中には、フコイダンやアルギン酸など水分を保水する力が豊富に配合されていたんです。そこで、このがごめ昆布エキスと水だけのシンプルな化粧水をまず作りました。その後、さらに濃さと保水力にこだわり「100%有効成分」と言えるほどの美容液が誕生したのです。
湯田 確かに肌がぷるんぷるんになります。その高い保水力が人気を呼んでshiroのベストセラー美容液になったんですね。素材を選ぶ際のポイントは?
今井 食べて美味しい素材かどうか、です。素材がよければいいものが作れますから。shiroの使命は、毎日使いたくなるものを作り、皆さんを笑顔にすることなんです。
湯田 市場の声に耳を傾けて製品開発されているのですか?
今井 いいえ。まったく市場調査などはしません。あくまでも自分が欲しいものを開発しています。
湯田 メイクアイテムもですか?
今井 正直、これまでメイクに興味がなかったのですが、百貨店に行った際、若い女性がラグジュアリーブランドのメイクアイテムに夢中になっているのを見て、「メイクは女性を笑顔にすることができるんだ!」と確信したんです。
湯田 女性が潜在的に求めていた「スキンケアしながら色で遊びたい」というニーズが一致したんですね。
今井 私は常に消費者でいたいんです。そんな私が“欲しいもの”を開発する、それがshiroなんです。
湯田 それって一番大切なのかも。今後も何が登場するか、楽しみです

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お洒落感と心地よさ。
素材に対するこだわり

感度の高い人がこぞって注目、愛用するナチュラルコスメshiro。良質な自然のエッセンスを凝縮したスキンケアと、スキンケアするメイクは、時代のニーズから誕生したブランドなのかと思いきや、すべて今井社長の感性から出てきたものと聞き驚き! 優れた感性と強い信念。決して妥協せず素材の力を信じ、いいものを作りたいという情熱と愛情でできているブランドだということが、使っている女性たちには、製品を通じ、伝わっていると思います。


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撮影/土佐麻理子 取材・文/藤井優美〈dis-moi〉 構成/湯田桂子(MAQUIA)

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