常識破りの商品開発や誰もが無理だと思うほど難易度の高い課題もあえて挑戦し続けること。「MAQUIA」5月号では、それを使命に、次々とヒット製品を生み出しているロート製薬をクローズアップ。

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最新美容の真相、ズバリ聞いトク! ?

イトーーク


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マキア編集長
伊藤かおり

non-no、MORE編集部を経て’08年からマキアへ。入社以来人物インタビューを中心に取材してきた経験を活かし、美容=人生を誌面づくりのモットーに。


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ロート製薬 取締役
プロダクトマーケティング部 部長
力石正子さん

1981年ロート製薬入社。目薬、妊娠・排卵日予測検査薬をはじめ、「オバジ」などの開発・発売に携わる。2018年より現職に。


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胃薬から目薬、そして健康=ウェルビーイングへ

伊藤 ロート製薬といえば「オバジ」や「肌ラボ」「エピステーム」といったいま話題のスキンケアブランドが数多くあり、マキア読者からも常に注目を集めています。でも、社名からもわかるように製薬会社。それも目薬ブランドとしてのステータスは言うに及ばずの認知度。製薬会社がどのようにスキンケアアイテムを開発し、次々とヒットさせているのかお伺いしたいと思います。

力石 ロート製薬は今から121年前、前身である「信天堂 山田安民薬房」が発売した胃腸薬「胃活」からスタートした会社なんです。その後、日露戦争終結後にトラホームが流行り、点眼薬「ロート目薬」を発売。商品名には、処方を担当された当時の眼科医界の権威、井上豊太郎博士の恩師であるロートムンド博士の名前をいただいたそうです。

伊藤 現在のロート製薬ができたきっかけですね?


常識にとらわれず、人が本当に望むものを提供

力石 はい。1949年にロート製薬株式会社が設立となりました。1975年にはアメリカのメンソレータム社から商標専用使用権を取得し、皮膚治療薬「メンソレータム」および「メンソレータム 薬用リップスティック」を発売し、外皮用剤分野への進出を図りました。

伊藤 そこからスキンケア分野に?

力石 これが始まりではありますが、本格的なスキンケアへの進出は2000年以降です。ただ当時より「女性に寄り添う企業でいたい」という思いはあったと思います。というのも、1985年に、妊娠検査薬を薬局で販売するようになりましたから。

伊藤 妊娠検査薬ですか!? 

力石 薬局に男性が多かったというのもありますが、当時は妊娠したのであれば病院に行けばいいからと、妊娠検査薬販売の必要性がわかってもらえませんでした。でも、妊娠の確証がないのに病院へ行くのは女性にとって敷居が高いですよね。それに、妊娠初期ほど薬など生活に注意しなければいけない。その意味を根気よく訴え続けた結果、薬局の方も一緒に取り組んでくださいました。このことも女性のための商品開発へのきっかけになったと思います。


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(右)自律神経に働きかけて、イライラを鎮めて不眠を改善。和漢箋 ユクリズム 加味帰脾湯(第2類医薬品) (左)気圧の変化時に起きる頭痛を抑える。和漢箋 キアガード 五苓散(第2類医薬品)


目から皮膚、再生医療。拡がり続けるロートの研究

伊藤 胃腸薬から目薬、そして妊娠検査薬。さらにスキンケアを?

力石 目ってすごく不思議で、黒目の部分も含めて角膜って透明なんですよね。そのおかげで光が入ってきて物が見えるのですが、角膜と同じ細胞なのにどうしてここだけ透明なのか? また、表皮細胞に紫外線を当てると死んでしまうのに、いつも紫外線にさらされている角膜細胞はなぜ死ににくいのか? など、目の研究を通して研究員が興味を持ち、肌について研究を始めたのが1つのきっかけです。

伊藤 興味を持ったことを突き詰めることができる社風は素晴らしいですね。

力石 ちょうど同じころアメリカの著名な皮膚科医であるオバジ先生が提唱するSHR(スキンヘルスレストレーション)理論に感銘を受けて。当時のスキンケアは保湿がメインで、アジア人がピーリングするなんてとんでもないという考え方でした。しかし、オバジ先生がアジア人の肌のアザやシミをピーリングやレーザーできれいにする症例を見ると、皮膚は刺激を与えることでターンオーバーが活性化するということがわかりました。そもそも皮膚は体の臓器の中でも高い回復力があり、再生力がありますからね。

伊藤 そうして輸入品だったオバジCを自社で開発するようになり、もはやビタミンC研究においては右に出るメーカーはないのでは。さらに近年は、再生医療にまで研究対象が拡がっていますね。

力石 ロートには、化粧品や皮膚向け製品の研究開発で得た「細胞を扱う技術」と、目薬を量産するための「無菌製剤技術」があり、再生医療に活かせる技術を持っていたのも強みでした。

伊藤 これまでバラバラだった領域が1つに繋がる。健康=ウェルビーイングを提唱し続けるロート製薬ならでは。これからの社会にますます必要な美容ですね。


ロート製薬100年の目の研究が
スキンケア製品開発に活かされている!

目(角膜)も皮膚(表皮)も体の外側にあり、ターンオーバーを繰り返しながらバリア機能を担っている。そんな共通点からスキンケアの研究が深化。「構造が似ているだけにデリケートな目から皮膚への研究はスムーズに移行できました。でも、逆は難しいと思います」(力石さん)

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目の症状に合わせた成分開発から浸透技術により、さまざまなタイプの目薬があるのがロートの強み。

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a ロートの目薬技術の粋がここに。Vロートプレミアム(第2類医薬品) b 寝ている間に角膜ダメージを修復。養潤水(第3類医薬品) c 疲れ目、充血に。ロート リセ(第2類医薬品) d ドライアイケアにはヒアルロン酸技術が生かされている。ロートCキューブプレミアムモイスチャー(第3類医薬品) 

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e 無菌製剤技術も強み。ピュアビタミンCが酸素に触れないようボトルに工夫が。使用前にスポイトを装着するビタミンC美容液。オバジC25セラム ネオ 

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f 医薬品の発想から誕生したスキンケア「肌ラボ 極潤」。g 安定化の難しいビタミンCをピュアな状態で高濃度配合できたのは長年の研究の賜物。h 再生医療研究室から先進サイエンスを搭載したエイジングケアブランド「エピステーム」。


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多忙な力石さんのリフレッシュ法は?

「1カ月に1度ぐらい、娘と2人で旅行へ行くのが目下のリフレッシュ法。スキューバーダイビング、シュノーケリングなど、娘と私は趣味が似ているんです。先日も2泊4日でケアンズへ行ってきました。私が行きたいところ、やりたいこと優先なので、旅行の企画は私が行います。旅行中は喧嘩をすることもしょっちゅうありますが、それも楽しいです(笑)」


MAQUIA 5月号

撮影/土佐麻理子 取材・文/藤井優美〈dis-moi〉 資料提供/ロート製薬


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