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生理、子宮、ホルモンにまつわるQ&A

【MAQUIA美容100シリーズ】生理、子宮、ホルモンにまつわるQ&A

ホルモン変動に揺さぶられる女性の体は、不安定で繊細。だからこそ悩みも多いもの。そこで生理や子宮、ホルモンにまつわるさまざまな疑問にプロがズバリ回答!

教えてくれたのは…

尾西芳子先生

産婦人科専門医

尾西芳子先生

都内クリニックに勤務。デリケートゾーンケア『VAGI』の監修も行う。

高尾美穂先生

産婦人科専門医

高尾美穂先生

イーク表参道副院長。女性の体や心の悩みへの的確なアドバイスが人気。



生理が起こるしくみとは? 「今の体、将来の体」について産婦人科医が解説

Q 生理が起こるしくみとは?

A 女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの変動で起こる
「女性の体では生理後に、妊娠に備えて子宮内膜を厚くするエストロゲンの分泌が増え、ピークに達すると排卵が起き、すると今度は子宮内膜を整えて妊娠成立を助けるプロゲステロンが増加。その後、妊娠が成立しないと2つのホルモンが減り、子宮内膜が剥がれ落ち、排出されます。この現象を生理と呼びます」(高尾先生)

Q 女性ホルモンは一生のうちで、どんなふうに変動するの?

A 20~30代半ばにピークとなり、その後、徐々に減少
「10代に卵巣が成熟するとエストロゲンが増え初経を迎えます。20〜30代半ばには分泌がピークになり、その後徐々に減少し、40代後半には急減」(高尾先生)

Q 基礎体温はなぜ測るといいの?

A 女性ホルモンの分泌や排卵が正しく起きているかを知るために重要
「基礎体温を測ると通常、生理開始〜排卵前の低温期、排卵〜生理の高温期に分かれます。このように二相に分かれれば、女性ホルモンが正常に分泌され、排卵が起きたことがわかるのです。朝起きてすぐ測るのが基本」(高尾先生)

Q 子宮ってどんな働きをするの?

A 赤ちゃんを育てる袋の役割
「子宮は赤ちゃんを育てる袋。内側は受精卵を受け止めて育てる子宮内膜に覆われ、妊娠すると胎盤から酸素と栄養を得て、胎児が育っていきます」(尾西先生)

Q 生理周期のリズムで、体、心、肌の調子はどう変わる?

A 4つの時期ごとに変化し、調子がよいときと悪いときがある
「生理期間中の月経期、生理後1週間程度のエストロゲンの分泌が高まる卵胞期、排卵が起こる排卵期、プロゲステロンが分泌される黄体期に分かれ、以下の表のように変化します」(尾西先生)

生理周期のリズムで変わる体、心、肌の調子

 体・心・肌の状態 
月経:生理痛、だるさや眠気が起き、肌は乾燥気味。心はブルーになりがち。
卵胞期:体調も肌の調子も絶好調。心も元気。ダイエットも成功しやすい。
排卵期:人によっては排卵痛や不正出血が。肌や心の調子はやや下り坂。
黄体期:PMSが起こる時期。ニキビができやすく、メンタルは不安定に。

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私の生理の周期や量は大丈夫? 「生理」にまつわる疑問にお答え

私の生理の周期や量は大丈夫? 「生理」にまつわる疑問にお答え

Q 生理の周期は何日だと正常?

A 生理開始日から次の生理開始の前日までが25~38日なら正常
「生理周期とは生理開始日から、次の生理開始前日までの期間で、25〜38日であれば正常。意外と範囲が広く、この範囲内なら生理不順ではないんですよ」(高尾先生)

Q 生理の日数は何日が平均的?

A 3~7日なら正常の範囲
「生理の日数は3〜7日が正常の範囲とされています。2日以内と短いなら過短月経、8日以上と長いなら過長月経。婦人科で診察を受けるのがおすすめ」(尾西先生)

Q 経血量はどれくらいが正常?

A 1回の生理期間中に20~140mlが正常
「1回の生理期間中に20〜140㎖くらいが正常の範囲と幅があります。ナプキンを2時間経たないうちに替えなければいけないならかなり量が多いといえます」(尾西先生)

Q 生理周期が短すぎるのは何が原因?

A 無排卵の可能性があります
「排卵をしていない無排卵になっていると、子宮内膜が厚くならないうちに剥がれ落ち、早く生理が来ることが。無排卵を疑って婦人科を受診しましょう」(尾西先生)

Q 2カ月来ない月もあれば、25日で来るときもあります。

A 排卵のペースがバラバラなのか、無排卵の可能性が
「排卵が2カ月起きなかったけれど、次は早く起きた可能性が。または無排卵の疑いも。経血量が普通にあるなら前者、少ないなら後者と考えられます」(尾西先生)
 



PMSはなぜ起こるの? 「生理前の体、肌、心」にまつわるQ&A

PMSはなぜ起こるの? 「生理前の体、肌、心」にまつわるQ&A

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Q PMS(月経前症候群)はなぜ起こるの?

A 生理前の女性ホルモンの大きな変動が原因
「排卵後はプロゲステロンの分泌が増え、その後エストロゲンの分泌が少し戻りますが、生理前に2つとも急激に減ります。この大きな変動が、自律神経や、セロトニンなどの精神を安定させる神経伝達物質に影響を及ぼすことが原因とされています」(尾西先生)
 

Q PMSにはどんな症状があるの?

A むくみ、便秘、乳房の張り、頭痛、ニキビ、イライラなど
「生理前に増えるプロゲステロンは体に水分をためこむ作用があるので、むくみ、便秘、乳房の張り、頭痛などが起きやすくなります。そのほか、ニキビやイライラなどPMSには200種類もの症状が」(尾西先生)
 

Q PMSって女性ホルモンが乱れているから起こるの?

A 正しく分泌されているからこそ起こります
「PMSは女性ホルモンが正しく分泌されているからこそ起こるもの。女性ホルモンが乱れているのではないので過剰に不安になる必要はありません」(尾西先生)
 

Q PMSって病院で治療できるの?

A 低用量ピルや漢方薬などで治療可能
「低用量ピルを服用すると排卵が抑えられ、生理前の大きなホルモン変動がなくなるので、PMSが軽くなります。それ以外では漢方薬でも治療可能」(尾西先生)

Q 生活習慣で心がけるといいことは?

A カフェインやアルコールを控える、有酸素運動をする、リラックスを心がける
「規則正しい生活習慣を心がけることは基本。また、カフェインやアルコールは睡眠を浅くしてPMSの悪化にもつながるので控えめに。有酸素運動もPMSにいいとされています。入浴やアロマなどでリラックスを心がけるのもおすすめ」(尾西先生)

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生理痛の改善方法は? なんとかしたい! 生理中の問題

生理痛の改善方法は? なんとかしたい! 生理中の問題

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Q 生理痛ってなぜ起こるの?

A 子宮を収縮させるプロスタグランジンの作用が強いと痛みが強くなる
「女性の体では、妊娠が成立しなかった場合、子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質が分泌され、子宮内膜が排出されて生理が起きます。この物質の作用が強いと子宮が強く収縮し、生理痛が起きるのです」(高尾先生)

Q 生理痛ってあるのが普通?

A NO。重い生理痛は月経困難症という病気です
「重い生理痛はあるのが普通ではありません。生理痛がつらくて生活上困っているなら、月経困難症というれっきとした病気で、治療の対象です」(高尾先生)

Q 生理痛がひどい場合、病気が隠れている場合もある?

A 子宮内膜症や子宮筋腫などの可能性も
「生理痛がひどい場合は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気がある可能性が。年々、生理痛がひどくなっているならこれらの病気がないことを確認するために婦人科受診をおすすめします」(高尾先生)

Q どれくらいひどいと病院に行ったほうがいいの?

A 自分がつらくて困っているなら受診を
「生理痛の度合いは人と比べる必要がなく、自分がつらいと感じているなら婦人科へ。放っておくと生活の質を大きく下げるので早めに受診を」(高尾先生)

Q 婦人科の内診に抵抗がある。

A 無理にする必要はありません
「内診で得られるのは貴重な情報であることは確かです。ただ、お腹からの超音波検査など内診の代わりになる方法で情報を得ることもできるので、心の準備ができていない場合は医師にそう伝えてみて」(高尾先生)



生理痛、不正出血、PMS…… 読者からのお悩みに高尾美穂先生が回答!

生理痛、不正出血、PMS…… 読者からのお悩みに高尾美穂先生が回答!

Q 生理痛がひどく、2度救急車を呼ばれそうに。仮に救急搬送されたとして経口薬より早く効くものはあるのでしょうか? ピルは体質に合わず、漢方薬を飲んでいますが、ほかの方法はある?

A プロゲスチン製剤を試すのもおすすめ
「痛み止めで最も早く効くのは座薬。救急搬送されたときも座薬で対処してもらえるかもしれません。また、こういう方はピルではなくプロゲステロンだけが配合されたジエノゲスト(プロゲスチン製剤)にするといいかも。体がプロゲステロンを作らなくなり、生理が来ないので生理痛がなくなります。またはミレーナもアリ。婦人科で相談を」(高尾先生)

Q 子宮内膜ポリープがあり、不正出血があるので経過観察中。大きくなったら除去するとのことですが、それでいいか不安。

A 経過観察をしているなら大丈夫です
「不正出血があると子宮体がんの場合もあるので、定期的に子宮体がんの検査をしていて、ポリープが大きくならなかったら経過観察で問題ありません。他の方法としては、低用量ピルを服用して出血をコントロールするか、子宮鏡でポリープを取る方法もあります」(高尾先生)

Q 若い頃のほうが性欲があるのが一般的だと思ってましたが、私は、39歳になってから、若い頃より性欲が強く起きます。これって変?

A 若い頃より心に余裕ができたからかも
若い頃は仕事でいっぱいいっぱいで心に余裕がないことが多いので、性欲も抑えられていたのかも。30代後半になると仕事に慣れて、心に余裕ができたから性欲が高まったのかもしれません。別におかしいことではありません」(高尾先生)

Q 生理前のメンタルの不調を薬でなんとかしていますが、妊活のとき耐えられるのか心配です。

A 漢方薬に変えるか、休薬に備えて準備を
「服用中の薬が何かわかりませんが、ピルなら妊活中はやめなければいけません。漢方薬なら妊活中も飲めるので漢方薬にするのも手。または薬をやめる前に検査を受けておくなど妊活準備を進めて、やめている間に最短で妊娠できるよう備えておくといいと思います」(高尾先生)

Q 生理痛がひどく、毎月会社を休むか、在宅勤務にさせてもらっていますが、毎月、「腹痛で……」と誤魔化すのがつらい。

A 毎月休むことを前提にせず、生理痛を治すことを前提に
「生理痛で毎月休むことを前提にしていますが、休まなければいけない状態を改善することを前提にするべき。ピルと痛み止めを併用するなど、きちんと治療をすれば、毎月休む必要はなくなるかもしれません。毎月、誤魔化す必要もなくなりますよ」(高尾先生)

MAQUIA 2022年11月号
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/George スタイリスト/西野メンコ モデル/佐藤晴美 イラスト/熊野友紀子 取材・文/和田美穂 企画/萩原有紀(MAQUIA)

※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。

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