どうせ食べるなら賢く食べたい!「MAQUIA」3月号では、食事や間食のタイミングなど食の疑問にプロが解答。賢い食事のタイミングを覚えるチャンス。
時間次第で太らない
食べるタイミング編
間食はとる時間次第で脂肪に変わりにくい。まずはそれを覚えて!
早稲田大学教授
柴田重信先生
早稲田大学理工学術院先進理工学部 電気・情報生命工学科薬理学研究室教授。「時間栄養学」などを中心に研究。
管理栄養士
足立香代子先生
医療現場にて栄養の面から患者をサポート。『糖質を味方にするズルい食べ方』(ワニブックス)など著書も多数。
Q.食べても太りにくい時間滞は?
A.ビーマルワンが減る6~16時
「体内時計を司る“時計遺伝子”のひとつが作るビーマルワンというたんぱく質には脂肪の合成を促す働きがあります。1日のうちでこの量が最も減るのが6〜16時頃。この時間帯は食べても太りにくいといえます」(柴田先生)
Q.そもそもビーマルワンって?
A.脂肪を作る遺伝子の
たんぱく質のこと
「ビーマルワンは時計遺伝子のひとつが作るたんぱく質で、脂肪の合成を促す働きがあります。これが増える時間に食べると脂肪に変わりやすくなります」(柴田先生)
ビーマルワンの量
(脂肪合成を促す時計遺伝子のたんぱく質「ビーマルワンの1日の変動」)
Q.朝食にとるとよい食べ物は?
A.炭水化物やたんぱく質。
体内時計のリセットに効果的
「体内時計は朝食をとると地球の自転周期と同調します。その効果が最も高いのが糖質(特に穀物のでんぷん)とたんぱく質の組み合わせ。ごはんに魚などが◎」(柴田先生)
Q.朝食は食べたほうが
太りにくいってホント?
A.YES!
「地球の自転周期は1日24時間で、人間の体内時計は24.5時間。このズレは朝、太陽光を浴び、朝食をとるとリセットされます。ですから朝食は必須。抜くと体内時計が乱れ、太りやすくなります」(柴田先生)
Q.間食は実は太りにくい!?
A.その通り。できるだけ
空腹にしないこと
「会社勤めなどだと昼食から夕食まで8時間以上あきやすく、お腹がペコペコになり夕食を食べすぎがち。この間に間食をとれば夕食の食べすぎを防げて肥満予防に。ただしおやつは200kcalまでに抑えるのが原則!」(足立先生)
Q.一日の食べる量のバランスは?
A.朝~昼はしっかり、
夜に向かって量を減らすが鉄則
「ビーマルワンの量は夜に向かうほど増え、食べたものが脂肪に変わりやすくなります。ビーマルワンが少ない朝〜昼はしっかり食べ、夜遅くなるほど減らすのが正解」(柴田先生)
Q.食物繊維をとるならいつがベスト?
A.腸での利用が高い
午前中がベスト
「朝は腸内細菌が活発になりやすいので、このときに食物繊維をとるのが◎。特に腸内細菌のエサになりやすい水溶性食物繊維をとるのが効果的です」(柴田先生)
Q.夕食は何時までにとればよい?
食べるのが遅くなりそうだったら?
A.夕食は朝食から12時間以内に!
遅くなりそうだったら夕方に“分食”を
「夕食は朝食から12時間以内には食べ終えるのが理想的。それより遅くなるなら、夕方にごはんものなどを分食として食べておき、遅い時間に食べるものは軽めに」(柴田先生)
熱湯を注いで混ぜると満足感十分の玄米おかゆに。菜っ葉粥には大根葉を、小豆粥には小豆をミックス。分食にも◎。(右から)season 焼玄米のお粥 菜っ葉粥31.5g ¥450、小豆粥 31.5g ¥450/こだま食品
Q.おせんべいやスナックを食べても
OKな時間帯は?
A.16〜20時です
「16〜20時頃は腎臓からのナトリウム排出量が高まることがわかっています。この時間帯なら塩分をとっても排出されやすいので、しょっぱいものはこの時間帯に」(柴田先生)
Q.間食でも太りにくい食べ順はある?
A.糖質がラストを心がけて
「最初にたんぱく質や脂質、食物繊維が多い食品から食べ、ごはんやパンなどの糖質は最後にとれば、食後血糖値の上昇が緩やかになり、太りにくくなります」(足立先生)
Q.夕食が遅くなったときに
おすすめの太りにくいメニューは?
A.消化のよい野菜スープ
「ごはんやパン、麺類など糖質が多い主食は抜き、消化がよい野菜スープなどをとるのがおすすめ。野菜は消化に時間がかかりますが、煮てあれば問題ありません」(柴田先生)
Q.夜中にポテチなどの高脂肪おやつを
食べすぎがちなのはなぜ!?
A.体がため込みモードに。
脂肪が欲しくなるから
「体がため込みモードになる夜中には脂肪が多いものを食べたくなる傾向があり、また、高脂肪食品はうまみが強いので夜中でも一口食べるとどんどん食べたくなるのです」(柴田先生)
Q.徹夜して起きていれば
夜中に食べても太らない気が…
A.時計遺伝子の働きで
24時を過ぎると
脂肪をため込みます!
「夜中も起きているなら深夜に食べても太りにくいのでは、と思うかもしれませんが、それは間違い。ビーマルワンは深夜に多いので、食べたら太ります」(柴田先生)
Q.カルシウムを効率よく
とれる間食タイムは?
A.夜の時間帯です。
体への吸収が高まります
「カルシウムの体への吸収率は夜に高まります。ですからカルシウムが多い食品は夜とるのがおすすめ。間食にするなら牛乳がよいですが、脂肪分が多いので、夜とるなら低脂肪のものを選ぶのがベター」(柴田先生)
Q.食べたものが脂肪に変わる
“魔の時間帯”は?
A.20時〜深夜2時
「ビーマルワンは20時頃から急増し、深夜2時にピークを迎えます。この時間帯が食べると脂肪に変わりやすい魔の時間帯。夜中のつまみ食いも避けましょう」(柴田先生)
MAQUIA3月号
撮影/天日恵美子(人物) 荒川雅之〈近藤スタジオ〉(食品) ヘア&メイク/岡田いずみ スタイリスト/立石和代 モデル/黒澤はるか 取材・文/和田美穂 関本陽子 企画/髙橋美智子(MAQUIA)
【MAQUIA3月号☆好評発売中】
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